英国の Titan Publishing Group Ltd. の Titan Books 部門から2017年に出版された ニック・カイム作「シャーロック・ホームズ:遺産」の表紙(部分) (Images : Shutterstock / Dreamstime) |
読後の私的評価(満点=5.0)
(1)事件や背景の設定について ☆☆☆半(3.5)
作家 / 編集者であるニック・カイム(Nick Kyme)作「シャーロック・ホームズ / 遺産(Sherlock Holmes : The Legacy of Deeds → 2024年7月8日 / 7月14日 / 7月19x日付ブログで紹介済)」 の場合、
*「最後の事件(The Final Problem → 2022年5月1日 / 5月8日 / 5月11日付ブログで紹介済)」
*3年間の第空位時代
*「空き家の冒険(The Empty House → 2022年5月27日 / 7月1日 / 7月10日 / 7月17日 / 7月24日 / 7月29日 / 8月3日 / 8月6日付ブログで紹介済)」
を経て、シャーロック・ホームズがロンドンに帰還した1894年4月から、約半年が経過した同年の冬から始まる。
3週間程、仕事が全くなく、ベーカーストリート221B(221B Baker Street → 2014年6月22日 / 6月29日付ブログで紹介済)にずーっと閉じこもっているシャーロック・ホームズのことを心配したジョン・H・ワトスンは、自分のポケットマネーを叩いて、ホームズをロイヤルオペラハウス(Royal Opera House → 2015年8月29日付ブログで紹介済)へと連れ出す。2人がクラシックバレエ「白鳥の湖(Swan Lake)」の第2幕目(Act II)を鑑賞する中、舞台上の照明が薄暗くなり、突然、後ろの方の幕が下りる。そして、再度、幕が上がると、そこには、白鳥を踊っていた女性ダンサーの一人が、後頭部への一撃を受けて、殺されていると言うセンセーショナルな幕開けを以って、物語が展開していく。
(2)物語の展開について ☆☆☆☆(4.0)
*ロイヤルオペラハウスにおいて、クラシックバレエ「白鳥の湖」が行われている最中に、白鳥を踊っていた女性ダンサーの一人が殺害される。
*ロシア貴族であるコンスタンティン公爵(The Grand Duke Konstantin)による英国訪問
*ワトスンがリージェントストリート(Regent Street)において見かけた掏摸と思しき若い女性と彼女を追っている男
*ウェリントンストリート(Wellington Street)沿いにあるグレイスンギャラリー(Grayson Gallery)において、ギャラリーのパトロンである30名以上の男女が、青酸ガスで殺害される。
*メイフェア地区(Mayfair)に住み、グレイスンギャラリーのパトロンでありながら、画家である「アイヴァー・ラザラス(Ivor Lazarus)」としても活動しているダミアン・グレーヴス(Damian Graves)による怪しい動き
等の事件や出来事が最終的に一つに収束し、ブラックフライアーズ橋(Blackfriars Bridge)において、結末を迎える。
(3)ホームズ / ワトスンの活躍について ☆☆☆半(3.5)
ロイヤルオペラにおける女性ダンサー殺害事件から始まり、いろいろな事件がや出来事が起きるが、ホームズは、最終的に、全てをキチンと一つの流れに収束させて、解決に導いている。
(4)総合評価 ☆☆☆半(3.5)
ロイヤルオペラにおける女性ダンサー殺害事件を初めとする諸々の事件や出来事が、本作品内に詰め込まれているが、最終的に、全てがキチンと収束する上に、約270ページの中に、うまくまとめられている。
また、非常に読み易く、物語がうまい具合に展開して行くので、読んでいて、飽きることがない。
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