マリルボーンハイストリート(その1) |
英国の作家であるデイヴィッド・ステュアート・デイヴィーズ(David Stuart Davies:1946年ー)が2019年に発表した「シャーロック・ホームズの更なる冒険 / 殺しの操り人形(The further adventures of Sherlock Holmes / The Instrument of Death → 2024年6月19日 / 6月25日 / 6月29日 / 7月4日付ブログで紹介済)」 の場合、陰気かつサディスティックな性格で、医者のグスタフ・カリガリ(Gustav Caligari)は、プラハ(Prague)において、自ら殺人を犯そうとするが、失敗し、ロンドンへと逃れる。
ロンドンへやって来たグスタフ・カリガリは、薬により自分の操り人形とした浮浪者のロバート・ストラウス(Robert Straus)を使い、レディー・サラ・ダムリー(Lady Sarah Damury)を殺害した後、次のターゲットとして、サヴォイ劇場(Savoy Theatre → 2021年7月7日付ブログで紹介済)のオペラ「The Magic Rose」に主役で出演しているルース・マーシャル(Ruth Marshall)に狙いを定めた。
その過程で、グスタフ・カリガリは、レディー・サラ・ダムリーの殺害犯人を突き止めようとするシャーロック・ホームズと相見えることになる。
捜査から免れようとするグスタフ・カリガリは、ホームズとジョン・H・ワトスンの2人を誘い込むために、マリルボーンハイストリート(Marylebone High Street)から少し入った場所にある小さなオフィスを、アレクサンダー・ルーベンスタイン(Alexander Rubenstein)と言う偽名で借りた。
このオフィスが所在するシダーコート(Cedar Court)は、現在の住所表記上、存在していないので、架空の場所だと思われるが、マリルボーンハイストリートは、実在の通りである。
マリルボーンハイストリートは、ロンドンの中心部であるシティー・オブ・ウェストミンスター区(City of Westminster)のマリルボーン地区(Marylebone)内にある通りである。
マリルボーンハイストリート(その2) |
マリルボーンハイストリート(その3) |
デパート、一般大衆向けのリテール店や土産物店等が建ち並ぶオックスフォードストリート(Oxford Street → 2016年5月28日付ブログで紹介済)から地下鉄ベイカーストリート駅(Baker Street Tube Station)の前を通るマリルボーンロード(Marylebone Road)へと向かって北上する通りが、
(1)ジェイムズストリート(James Street)- オックスフォードストリートからウィグモアストリート(Wigmore Street → 2017年8月19日付ブログで紹介済)まで
(2)マンデヴィルプレイス(Mandeville Place)- ウィグモアストリートからヒンデストリート(Hinde Street)まで
(3)セイヤーストリート(Thayer Street)- ヒンデストリートからブランドフォードストリート(Blandford Street → 2015年7月11日付ブログで紹介済)まで
と名前を変えた後、西へ延びるブランドフォードストリートを過ぎたところから、マリルボーンハイストリートとなり、マリルボーンロードに突き当たったところまで続いている。
マリルボーンハイストリートや St. Marylebone Parish Church に関連がある著名人(その1)- 英国の著述家であるハーバート・ジョージ・ウェルズ (Herbert George Wells:1866年ー1946年)で、 「タイムマシン」、「透明人間」や「宇宙戦争」等のSF小説で有名。 |
マリルボーンハイストリートや St. Marylebone Parish Church に関連がある著名人(その2)- 19世紀の英国ロマン主義を代表する画家である ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー (Joseph Mallord William Turner:1775年ー1851年) |
マリルボーンハイストリートや St. Marylebone Parish Church に関連がある著名人(その4)- 英国の建築家 / 都市計画家である ジョン・ナッシュ(John Nash:1752年ー1835年) |
また、マリルボーンハイストリートは、東側のハーリーストリート(Harley Street → 2015年4月11日付ブログで紹介済)と西側のベイカーストリート(Baker Street → 2016年10月1日付ブログで紹介済)の間に挟まれて、並行して北上する約500mの通りである。
マリルボーンハイストリートや St. Marylebone Parish Church に関連がある著名人(その5)- 英国の化学者 / 物理学者である マイケル・ファラデー(Michael Faraday:1791年ー1867年) |
マリルボーンハイストリートや St. Marylebone Parish Church に関連がある著名人(その6)- 英国の貴族 / 詩人である 第6代バイロン男爵ジョージ・ゴードン・バイロン (George Gordon Byron, 6th Baron Byron:1788年ー1824年)で、 ギリシア独立戦争において、ギリシア独立軍側で参加したが、 熱病に罹患して、現地で亡くなった。 |
マリルボーンハイストリートや St. Marylebone Parish Church に関連がある著名人(その8)- 英国のミュージシャン / シンガーソングライターである サー・ジェイムズ・ポール・マッカートニー (Sir James Paul McCartney:1942年ー) |
1400年頃に St. Marylebone Parish Church が建てられると、教会の東側を通る通りが、マリルボーンハイストリートとして、発展していく。
マリルボーンハイストリート(その4) |
マリルボーンハイストリート(その5) |
現在、マリルボーンハイストリートの両側には、高級ブティックや高級食料品店等が建ち並び、オックスフォードストリートに比べると、高級感が高い通りとして、多くの買い物客や観光客等を集めている。
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