2023年1月31日火曜日

ドラキュラの世界<ジグソーパズル>(The World of Dracula )- その5

英国の Laurence King Publishing Group Ltd. より2021年に出ているジグソーパズル「ドラキュラの世界(The World of Dracula)」のイラスト内には、アイルランド人の小説家であるブラム・ストーカー(Bram Stoker)こと、エイブラハム・ストーカー(Abraham Stoker:1847年ー1912年)が1897年に発表したゴシック小説 / ホラー小説「吸血鬼ドラキュラ(Dracula → 2017年12月24日 / 12月26日付ブログで紹介済)」の物語に関して、基本的に、左下から左上へ、そして、右上へと進み、最終的には、右下で完結するように、各場面が散りばめられているので、前回と同様に、順番に紹介していきたい。


<ドラキュラ城での出来事(In the Castle)>


今回は、「その2」となる。


(10)


ドラキュラ城に長期滞在することになったジョナサン・ハーカーは、
3人の女性吸血鬼に襲い掛かられそうになる。


英国南西部デヴォン州(Devon)の州都エクセター(Exeter)で弁護士事務所を営むピーター・ホーキンズ(Peter Hawkins)の代理として、新人事務弁護士(solicitor)であるジョナサン・ハーカー(Jonathan Harker)は、ロンドン近郊にあるカーファックス屋敷(Carfax)を購入したいと依頼して来たドラキュラ伯爵(Count Dracula)を訪ねるために、トランシルヴァニア(Transylvania)にあるドラキュラ城(Castle Dracula)へやって来た。

ジョナサン・ハーカーは、ドラキュラ城における不可解な出来事に、次第に不安を感じるようになってきた。彼が見たところ、ドラキュラ城には、ドラキュラ伯爵しか居住していないようで、彼の召使い達が誰も見当たらないことだった。

ドラキュラ伯爵からの指示で、何故か、ドラキュラ城に1ヶ月間滞在することになったジョナサン・ハーカーは、一人でドラキュラ城内の探検を続ける。しかしながら、どの部屋のドアも、閉ざされた上に、鍵がかかっており、内へ入ることができなかった。更に、自分を除くと、人っ子一人見かけなかった。

ある日、ジョナサン・ハーカーは、鍵がかかっていない部屋を見つけ、内に入ってみると、そこは今は使用されていない婦人用の部屋だった。探検に疲れた彼は、ソファーの上で、うたた寝をしていると、3人の女性吸血鬼が、彼に襲いかかろうとした。


2017年に英国の出版社 Usborne Publishing Ltd. から発刊された
「吸血鬼ドラキュラ」のグラフィックノベル版から抜粋 -
ドラキュラ城内の探検に疲れて、ソファーの上でうたた寝をするジョナサン・ハーカーに、
3人の女性吸血鬼が近寄って来る。

(11)


そこへ姿を現したドラキュラ伯爵は、
近隣の村から攫ってきた新生児が入った袋を、3人の女性吸血鬼に投げ与える。

ちょうどそこに姿を現したドラキュラ伯爵は、3人の女性吸血鬼に対して、「ジョナサン・ハーカーは、自分の獲物だ。」と言い放つと、彼が近隣の村から攫ってきた新生児が入った袋を、彼女達に投げ与えるのであった。

眠りから覚めたジョナサン・ハーカーは、自分の部屋のベッドに寝ていたため、何か変な夢を見ていたのではないかと思った。


2017年に英国の出版社 Usborne Publishing Ltd. から発刊された
「吸血鬼ドラキュラ」のグラフィックノベル版から抜粋 -
さすがに、袋に入った新生児を描くことは自制されている。


(12)


ジョナサン・ハーカーは、
ドラキュラ伯爵が城の壁づたいに這って降りて行く現場を目撃する。

別の日、ジョナサン・ハーカーが、自室の窓から外を眺めていると、下の階の窓から出てきたドラキュラ伯爵が城の壁づたいに這って降りて行く姿を目撃して、とても人間技は思えない行為に恐怖するのであった。



2017年に英国の出版社 Usborne Publishing Ltd. から発刊された
「吸血鬼ドラキュラ」のグラフィックノベル版から抜粋 -
とても人間技とは思えないドラキュラ伯爵の姿に、
ジョナサン・ハーカーは恐怖するのであった。


(13)


ドラキュラ城の塔の周囲を飛び回るコウモリの群れ


そして、ドラキュラ城の周囲には、多くの蝙蝠(コウモリ)が飛び回っていたのである。


2017年に英国の出版社 Usborne Publishing Ltd. から発刊された
「吸血鬼ドラキュラ」のグラフィックノベル版から抜粋 -
ドラキュラ城の塔に群がるコウモリの群れ


2023年1月30日月曜日

鹿撃帽を冠ったシャーロック・ホームズ - その4

サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年-1930年)が執筆したシャーロック・ホームズシリーズにおいて、鹿撃帽(deerstalker)を冠ったシャーロック・ホームズの挿絵につき、引き続き、紹介したい。


鹿撃帽は、ホームズのトレードマークとなっているが、コナン・ドイルの原作上、鹿撃帽のことに関しては、言及されていない。


ホームズに鹿撃帽を冠らせたのは、挿絵画家のシドニー・エドワード・パジェット(Sidney Edward Paget:1860年ー1908年)による発案で、鹿撃帽を冠ったホームズが初登場するのは、短編4作目の「ボスコム谷の謎(The Boscombe Valley Mystery)」である。


鹿撃帽を冠ったホームズが登場する作品のうち、今までに紹介した分は、以下の通り。


<第1短編集「シャーロック・ホームズの冒険(The Adventures of Sherlock Holmes)」(1892年)>


(1)「ボスコム谷の謎」(「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」の1891年10月号に掲載)

(2)「ぶな屋敷(The Copper Beeches)」(「ストランドマガジン」の1892年6月号に掲載)


<第2短編集「シャーロック・ホームズの回想(The Memoirs of Sherlock Holmes)」(1893年)>


(3)「名馬シルヴァーブレイズ(Silver Blaze)」(英国では、「ストランドマガジン」の1892年12月号に、また、米国では、「ハーパーズ ウィークリー(Harper’s Weekly)」の1893年2月25日号に掲載)


<第3短編集「シャーロック・ホームズの帰還(The Return of Sherlock Holmes)」(1905年)>


(4)「空き家の冒険(The Empty House)」(英国では、「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」の1903年10月号に、また、米国では、「コリアーズ ウィークリー(Collier’s Weekly)」の1903年9月26日号に掲載)

(5)「踊る人形(The Dancing Men)」(英国では、「ストランドマガジン」の1903年12月号に、また、米国では、「コリアーズ ウィークリー」の1903年12月5日号に掲載)

(6)「孤独な自転車乗り(The Solitary Cyclist)」(英国では、「ストランドマガジン」の1904年1月号に、また、米国では、「コリアーズ ウィークリー」の1903年12月26日号に掲載)

(7)「プライアリスクール(The Priory School)」(英国では、「ストランドマガジン」の1904年2月号に、また、米国では、「コリアーズ ウィークリー」の1904年1月30日号に掲載)

(8)「ブラックピーター(Black Peter)」(英国では、「ストランドマガジン」の1904年3月号に、また、米国では、「コリアーズ ウィークリー」の1904年2月27日号に掲載)


<第4短編集「シャーロック・ホームズ最後の挨拶(His Last Bow)」(1917年)>


筆者が調べた限りでは、ホームズが鹿撃帽を冠っている挿絵はなし。


<第5短編集「シャーロック・ホームズの事件簿(The Case-Book of Sherlock Holmes)」(1927年)>


(9)「ショスコム荘(Shoscombe Old Place)」(挿絵:ハワード・ケッピー・エルコック(Howard Keppie Elcock:1886年ー1952年))


画面右手奥で、こちらを見ている人物が、ホームズ。

「ショスコム荘」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、一番最後に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1927年4月号に、また、米国では、「リバティー(Liberty)」の1927年3月5日号に掲載された。

同作品は、1927年に発行されたホームズシリーズの第5短編集「シャーロック・ホームズの事件簿」に収録された。


画面中央に立つ人物が、ホームズ。


「ショスコム荘」は、長編 / 短編を含めて、コナン・ドイルが執筆した最後のホームズ作品となったのである。


画面奥の一番右側に立っている人物が、ホームズ。

2023年1月29日日曜日

アガサ・クリスティーの世界<ジグソーパズル>(The World of Agatha Christie )- その9

英国の Orion Publishing Group Ltd. から出ている「アガサ・クリスティーの世界(The World of Agatha Christie)」と言うジグソーパズル内に散りばめられているアガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)の生涯や彼女が執筆した作品等に関連した90個の手掛かりについて、前回に続き、紹介していきたい。


今回から、アガサ・クリスティーが執筆した作品に関連する手掛かりの紹介となる。


(42)ねずみとり(Mousetrap)


ミス・ジェーン・マープルの置き物の足元に、
ねずみとりが置かれている。


本ジグソーパズルにおいて、アガサ・クリスティーが座る椅子の右下に、つまり、ミス・ジェーン・マープル(Miss Jane Marple)の置き物の直ぐ横に、ねずみとりが置かれている。

(81)セントマーティンズ劇場の看板St. Martin's Theatre

アガサ・クリスティーが座る椅子の右側にある本棚の右下手前に、
セントマーティンズ劇場の看板が置かれている。

また、アガサ・クリスティーが座る椅子の右側にある本棚の右下手前に、セントマーティンズ劇場の看板が置かれている。

これらから連想されるのは、アガサ・クリスティーが1952年に発表した戯曲版「ねずみとり(The Mousetrap → 2015年10月11日付ブログで紹介済)」である。

地下鉄レスタースクエア駅(Leicester Square Tube Station)の近くに建つアンバサダーズ劇場(Ambassador's Theatre → 2015年9月27日付ブログで紹介済)において、戯曲版「ねずみとり」が、1952年11月25日に初演された。


1952年11月25日に戯曲版「ねずみとり」が初演を迎えた
アンバサダーズ劇場の全景


1974年3月25日に、アンバサダーズ劇場から隣りのセントマーティンズ劇場(St. Martin's Theatre → 2014年8月10日 / 2015年10月4日付けブログで紹介済)に上演の舞台が移った。


現在も、戯曲版「ねずみとり」のロングラン公演が行われているセントマーティンズ劇場


上演50周年を迎えた2002年11月25日には、英国のウィンザー朝第4代女王であるエリザベス2世(HM Queen Elizabeth II:1926年–2022年 / 在位期間:1952年–2022年 → 2022年9月9日 / 9月19日 / 9月20日 / 9月24日 / 9月27日 / 9月29日 / 10月3日 / 10月6日付ブログで紹介済)とエディンバラ公爵フィリップ(Prince Philip, Duke of Edinburgh:1921年 –2021年 → 2021年4月18日 / 4月19日 / 4月20日付ブログで紹介済)が特別公演を楽しまれた。


セントマーティンズ劇場における戯曲版「ねずみとり」公演25周年を記念して、
同劇場に送られた「銀のネズミ」


戯曲版「ねずみとり」の公演が50周年を迎えたことを示すプレート


2012年11月18日には、上演回数が25千回を超え、2012年11月25日には、上演60周年を、そして、2022年11月25日には、上演70周年を迎え、依然として、最長不倒のロングラン上演を続けている。


2015年7月末には公演回数が26,000回を超え、
今もロングランを続けている。


アガサ・クリスティーファンには周知の通り、「ねずみとり」は最初から戯曲として書かれた訳ではなく、早川書房クリスティー文庫の「愛の探偵たち(Three Blind Mice and Other Stories)」(1950年)という短編集に収録されている中編「三匹の盲目のねずみ(Three Blind Mice)」を脚色したものである。より正確に言うと、王太后メアリー・オブ・テックの80歳の誕生日を祝うため、BBCの依頼により、アガサ・クリスティーが1947年にラジオドラマとして執筆したものが、上記の中編の基となっている。


2011年に英国の HarperCollinsPublishers 社から出版された
「The Mousetrap and Other Plays」の表紙
(Cover Design : HarperCollinsPublishers 2011)


小説では、物語は第一の殺人の場面からいきなり始まる。場所は、ロンドンのパディントン駅(Paddington Station → 2014年8月3日付ブログで紹介済)近くの名もない下宿で、ライアン夫人と名乗っているモーリン・グレッグが何者かに殺害される。殺人犯は、お得意の歌として、「三匹の盲目のねずみ」(英国の有名な伝承童謡で、マザーグースの一つ)を口ずさむ。

そして、物語の舞台は、ロンドンからバークシャーのハープレーデンという町の近くにあるモンクスウェル館(Monkswell Manor Guest House)へ移る。戯曲版の「ねずみとり」では、ロンドンでの殺人シーンはなく、モンクスウェル館から物語が始まる。その代わりに、モンクスウェル館のラジオから「ロンドンで殺人事件が発生し、殺人犯が逃走中である。」というニュースが流される。


(ここからの登場人物は、戯曲の「ねずみとり」をベースにしている。)

モンクスウェル館は、モリーとジャイルズの若きロールストン夫妻(Mollie and Giles Ralston)が経営する、小さいがオープンしたてのゲストハウスで、雪が降る中、かねてからの予約客4名が次々に到着する。


(1)若い男性建築家のクリストファー・レン(Mr. Christopher Wren):この名前を聞くと、セントポール大聖堂(St. Paul's Cathedral → 2018年8月18日 / 8月25日 / 9月1日付ブログで紹介済)、ロンドン大火記念塔(Monument to the Great Fire of London → 2015年10月11日付ブログで紹介済)やグリニッジ王立天文台(Royal Greenwich Observatory)等を設計施工した英国の著名建築家のクリストファー・レン卿(Sir Christopher Wren:1632年ー1723年)を思い出すが、同姓同名の別人物。

(2)年輩の女性ボイル夫人(Mrs. Boyle)

(3)中年男性のメトカーフ少佐(Major Metcalf)

(4)若い女性のミス・ケースウェル(Miss Casewell)


雪がなおも激しく降り続く中、(5)外国人風の男性パラヴィチー二氏(Mr. Paravicini)が現れ、玄関をノックする。パラヴィチー二氏は、車がスリップしてしまったと言い、モンクスウェル館に急遽宿泊することになる。その直後、記録破りの大雪によって、館に続く道も埋まり、モンクスウェル館は外界から完全に孤立してしまう。

その後、雪で閉ざされて孤立したモンクスウェル館に警察から電話連絡が入り、警官を1名差し向けると言う。その連絡に基づいて、ロンドン訛の若い男性のトロッキー部長刑事(Detective Sergeant Trotter)がスキーでモンクスウェル館までやって来る。


ロンドンで発生した殺人事件の犯人は、大雪で不運にもモンクスウェル館に閉じ込められた滞在客の中に紛れ込んでいるのだろうか?登場人物達の間に疑惑が深まって行き、ロールストン夫妻も、もしかして相手が殺人犯なのではと、お互いに疑い始める。

そして、疑惑と緊張が頂点に達した時、第二の殺人が発生する。不気味な「三匹の盲目のねずみ」の童謡が流れ、我々の目の前に驚くべき殺人犯がその姿を現すのである。


2023年1月28日土曜日

鹿撃帽を冠ったシャーロック・ホームズ - その3

サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年-1930年)が執筆したシャーロック・ホームズシリーズにおいて、鹿撃帽(deerstalker)を冠ったシャーロック・ホームズの挿絵につき、引き続き、紹介したい。


鹿撃帽は、ホームズのトレードマークとなっているが、コナン・ドイルの原作上、鹿撃帽のことに関しては、言及されていない。


ホームズに鹿撃帽を冠らせたのは、挿絵画家のシドニー・エドワード・パジェット(Sidney Edward Paget:1860年ー1908年)による発案で、鹿撃帽を冠ったホームズが初登場するのは、短編4作目の「ボスコム谷の謎(The Boscombe Valley Mystery)」である。


(7)「プライアリスクール(The Priory School)」(挿絵:シドニー・パジェット


画面左側の人物が、シャーロック・ホームズ。

「プライアリスクール」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、29番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」の1904年2月号に、また、米国では、「コリアーズ ウィークリー(Collier’s Weekly)」の1904年1月30日号に掲載された。

同作品は、1905年に発行されたホームズシリーズの第3短編集「シャーロック・ホームズの帰還(The Return of Sherlock Holmes)」に収録された。


死体に駆け寄っている画面中央の人物が、ホームズ。

画面の一番右側の人物が、ホームズ。

画面左手奥に居る人物のうち、
左側がホームズ。

自転車を調べるためにしゃがみ込んでいる
画面手前の人物が、ホームズ。

(8)「ブラックピーター(Black Peter)」挿絵:シドニー・パジェット


画面中央の人物が、ホームズ。

「ブラックピーター」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、30番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1904年3月号に、また、米国では、「コリアーズ ウィークリー」の1904年2月27日号に掲載された。

同作品は、ホームズシリーズの第3短編集「シャーロック・ホームズの帰還」(1905年)に収録された。


画面右側から2番目の人物が、ホームズ。

2023年1月27日金曜日

ドラキュラの世界<ジグソーパズル>(The World of Dracula )- その4

英国の Laurence King Publishing Group Ltd. より2021年に出ているジグソーパズル「ドラキュラの世界(The World of Dracula)」のイラスト内には、アイルランド人の小説家であるブラム・ストーカー(Bram Stoker)こと、エイブラハム・ストーカー(Abraham Stoker:1847年ー1912年)が1897年に発表したゴシック小説 / ホラー小説「吸血鬼ドラキュラ(Dracula → 2017年12月24日 / 12月26日付ブログで紹介済)」の物語に関して、基本的に、左下から左上へ、そして、右上へと進み、最終的には、右下で完結するように、各場面が散りばめられているので、前回と同様に、順番に紹介していきたい。


<ドラキュラ城での出来事(In the Castle)>


今回は、「その1」となる。


(7)


ドラキュラ城に滞在することになったジョナサン・ハーカーは、
日々の出来事を日記に書き始める。


英国南西部デヴォン州(Devon)の州都エクセター(Exeter)で弁護士事務所を営むピーター・ホーキンズ(Peter Hawkins)の代理として、新人事務弁護士(solicitor)であるジョナサン・ハーカー(Jonathan Harker)は、ロンドン近郊にあるカーファックス屋敷(Carfax)を購入したいと依頼して来たドラキュラ伯爵(Count Dracula)を訪ねるために、トランシルヴァニア(Transylvania)にあるドラキュラ城(Castle Dracula)へやって来た。


2017年に英国の出版社 Usborne Publishing Ltd. から発刊された
「吸血鬼ドラキュラ」のグラフィックノベル版から抜粋 -
グラフィックノベル版には、
ジグソーパズルに相当するような場面はなかったため、
ジョナサン・ハーカーが、ドラキュラ伯爵に対して、
彼が購入しようとしているカーファックス屋敷につき、説明するシーンを使用。


出迎えられたドラキュラ伯爵に部屋をあてがわれたジョナサン・ハーカーは、自室で日記を書き始める。

ジョナサン・ハーカーは、ドラキュラ城における不可解な出来事に、次第に不安を感じるようになってきた。

一つ目は、ジョナサン・ハーカーが見たところ、ドラキュラ城には、ドラキュラ伯爵しか居住していないようで、彼の召使い達が誰も見当たらないことだった。


(8)


ドラキュラ城に着いた翌朝、
ジョナサン・ハーカーが、鏡に向かって、髭を剃っていると、
ドラキュラ伯爵が背後に立っていることに気付き、
驚いたために、手元が狂い、間違って顎を切ってしまう。

二つ目は、ドラキュラ城に到着した翌朝のことだ。

ジョナサン・ハーカーが、自室において、鏡を見ながら、髭を剃っていたところ、ドラキュラ伯爵が自分の背後に立っていることに、突然気付いた。それに驚いたジョナサン・ハーカーは、髭剃りを持っていた手がすべって、思わず、顎を切ってしまった。更に、彼が驚いたのは、自分の直ぐ後ろに立っていたドラキュラ伯爵の姿が、鏡に全く映っていなかったことだったのである。


2017年に英国の出版社 Usborne Publishing Ltd. から発刊された
「吸血鬼ドラキュラ」のグラフィックノベル版から抜粋 -
ジョナサン・ハーカーの背後に立っていたドラキュラ伯爵の姿が、
何故か、鏡に映らなかったため、
ジョナサン・ハーカーは、更に驚愕することになる。

(9)


朝食を終えたジョナサン・ハーカーは、ドラキュラ城内の探検に出発する。
そして、ジョナサン・ハーカーの行動を窺うドラキュラ伯爵。

朝食を終えたジョナサン・ハーカーは、ドラキュラ城内の探検に出かける。

しかしながら、どの部屋のドアも、閉ざされた上に、鍵がかかっており、内へ入ることができなかった。更に、自分を除くと、人っ子一人見かけなかった。

ジョナサン・ハーカーは、ドラキュラ城が牢獄(prison)で、自分が囚人(prisoner)のように感じるのであった。


2017年に英国の出版社 Usborne Publishing Ltd. から発刊された
「吸血鬼ドラキュラ」のグラフィックノベル版から抜粋 -
不思議なことに、ドラキュラ城内には、誰の姿も見かけず、
ジョナサン・ハーカーとしては、自分のことを、
ドラキュラ城という牢獄に囚われた囚人のように感じるのであった。

2023年1月26日木曜日

ドラキュラの世界<ジグソーパズル>(The World of Dracula )- その3

英国の Laurence King Publishing Group Ltd. より2021年に出ているジグソーパズル「ドラキュラの世界(The World of Dracula)」のイラスト内には、アイルランド人の小説家であるブラム・ストーカー(Bram Stoker)こと、エイブラハム・ストーカー(Abraham Stoker:1847年ー1912年)が1897年に発表したゴシック小説 / ホラー小説「吸血鬼ドラキュラ(Dracula → 2017年12月24日 / 12月26日付ブログで紹介済)」の物語に関して、基本的に、左下から左上へ、そして、右上へと進み、最終的には、右下で完結するように、各場面が散りばめられているので、前回と同様に、順番に紹介していきたい。


<ジョナサン・ハーカーによるドラキュラ城への訪問(Harker’s Arrival at the Castle)>


今回は、「その2」となる。


(4)


ジョナサン・ハーカーを乗せて、ドラキュラ城へとひた走る馬車は、
狼の群れに追跡される。

ジョナサン・ハーカーを乗せた馬車を取り囲む狼の群れ。


英国南西部デヴォン州(Devon)の州都エクセター(Exeter)で弁護士事務所を営むピーター・ホーキンズ(Peter Hawkins)の代理として、トランシルヴァニア(Transylvania)にやって来た新人事務弁護士(solicitor)であるジョナサン・ハーカー(Jonathan Harker)は、ボルゴパス(Borgo Pass)において、カルパチア山脈(Carpathian Mountains)を越えて、ブコヴィナ(Bukovina)から乗って来た馬車からドラキュラ伯爵(Count Dracula)が差し向けた馬車へと乗り換えた。

ジョナサン・ハーカーを乗せて、ドラキュラ伯爵が住むドラキュラ城(Castle Dracula)へとひた走る馬車は、狼の群れに追跡されるのであった。


2017年に英国の出版社 Usborne Publishing Ltd. から発刊された
「吸血鬼ドラキュラ」のグラフィックノベル版から抜粋 -
ジョナサン・ハーカーを乗せて、
ドラキュラ城へと向かう馬車は、
狼の群れに取り囲まれる。

(5)


不気味な青い炎が、深い森を照らし出す。


ジョナサン・ハーカーを乗せて、ドラキュラ伯爵が住むドラキュラ城へと、馬車がひた走る深い森は、不気味な青い炎に照らし出される。


2017年に英国の出版社 Usborne Publishing Ltd. から発刊された
「吸血鬼ドラキュラ」のグラフィックノベル版から抜粋 -
ジョナサン・ハーカーを乗せて、
馬車がドラキュラ城へと向かう森の中は、
謎の青い炎に照らされる。


(6)


ドラキュラ城に到着したジョナサン・ハーカーは、
ドラキュラ伯爵本人に出迎えられる。

ドラキュラ城に到着したジョナサン・ハーカーは、入口でドラキュラ伯爵本人に出迎えられて、非常に驚く。

ドラキュラ城の中を案内するドラキュラ伯爵であったが、奇妙なことに、城内に居住しているのは、ドラキュラ伯爵のみで、召使いを含めて、他には、誰も居ないようだった。


2017年に英国の出版社 Usborne Publishing Ltd. から発刊された
「吸血鬼ドラキュラ」のグラフィックノベル版から抜粋 -
ドラキュラ城に着いたジョナサン・ハーカーは、
召使ではなく、ドラキュラ伯爵本人に出迎えられて、非常に驚く。