2023年1月14日土曜日

アガサ・クリスティー マープル 2023年カレンダー(Agatha Christie - Marple - Calendar 2023)- 「ミス・マープルと13の謎(The Thirteen Problems)」

ビル・ブラッグ氏が描く
ミス・マープルシリーズの連作短編集「ミス・マープルと十三の謎
<米題:火曜クラブ>」の一場面

アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)の作品を出版している英国の Harper Collins Publishers 社から出ているミス・ジェーン・マープル(Miss Jane Marple)シリーズのペーパーバック版の表紙を使った2023年カレンダーのうち、13番目を紹介したい。


(13)「ミス・マープルと13の謎(The Thirteen Problems)<米題:火曜クラブ( The Tuesday Club Murders)>」(1932年)


「ミス・マープルと13の謎(米題:火曜クラブ)」は、1932年に発表されたアガサ・クリスティーによる4番目の短編集で、ミス・マープルが登場する連作短編13作が収録されている。


書籍として出版された順番で言うと、長編第1作目に該る「牧師館の殺人(The Murder at the Vicarage → 2022年10月30日 / 10月31日付ブログで紹介済)」が、ミス・マープルの初登場作品である。

ただし、厳密に言うと、「火曜クラブ/ 火曜ナイトクラブ(The Tuesday Night Club)」を皮切りに、1927年12月から雑誌「スケッチ誌」に掲載された短編の方が、ミス・マープルの初登場作品である。「牧師館の殺人」に遅れること、2年後の1932年に、雑誌「スケッチ誌」に連載された短編12作と加筆された1作の合計13作がまとめられて、短編集「ミス・マープルと13の謎<米題:火曜クラブ>」として出版されている。


短編集「ミス・マープルと13の謎<米題:火曜クラブ>」には、以下の13編が収録されている。


・「火曜クラブ / 火曜ナイトクラブ(The Tuesday Night Club)」 → 実質的には、本編が、ミス・マープルの初登場作品である。

・「アスタルテの祠 / アスターテの祠(The Idol House of Astarte)」

・「金塊事件 / 金塊(Ingots of Gold)」

・「舗道の血痕 / 血に染まった敷石(The Bloodstained Pavement)」

・「動機対機会(Motive v Opportunity)」

・「聖ペテロの指のあと / 聖ペテロの指の跡(The Thumb Mark of St Peter)」

・「青いゼラニウム / 青いジェラニウム(The Blue Geranium)」

・「二人の老嬢 / お相手役(The Companion)」

・「四人の容疑者(The Four Suspects)」

・「クリスマスの悲劇(A Christmas Tragedy)」

・「毒草 / 死の草(The Herb of Death)」

・「バンガロー事件(The Affair at the Bungalow)」

・「溺死(Death by Drowning)」 → 本編は、本連作短編集が刊行される際に、加筆された作品である。


上記の13編を通して、ミス・マープルは、密輸に関わる事件、ポルターガイストに関わる事件、そして、10件の殺人事件を解決し、更に、復讐に燃える若い女性が犯罪に手を染めることを未然に防ぐのである。



カレンダーには、ミス・マープルの甥であるレイモンド・ウェスト(Raymond West)が、彼女の家を借りて、火曜クラブを主催しているシーンが描かれている。画面手前の左側の事物がミス・マープルであることは間違いないが、画面手前の右側の人物がレイモンド・ウェストではないだろうか?

Harper Collins Publishers 社から出版されている「ミス・マープルと13の謎<米題:火曜クラブ>」のペーパーバック版の表紙には、ビル・ブラッグ氏(Mr. Bill Bragg)によるイラストが、飲み物のグラスの形に切り取られているものが使用されている。


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