2023年1月30日月曜日

鹿撃帽を冠ったシャーロック・ホームズ - その4

サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年-1930年)が執筆したシャーロック・ホームズシリーズにおいて、鹿撃帽(deerstalker)を冠ったシャーロック・ホームズの挿絵につき、引き続き、紹介したい。


鹿撃帽は、ホームズのトレードマークとなっているが、コナン・ドイルの原作上、鹿撃帽のことに関しては、言及されていない。


ホームズに鹿撃帽を冠らせたのは、挿絵画家のシドニー・エドワード・パジェット(Sidney Edward Paget:1860年ー1908年)による発案で、鹿撃帽を冠ったホームズが初登場するのは、短編4作目の「ボスコム谷の謎(The Boscombe Valley Mystery)」である。


鹿撃帽を冠ったホームズが登場する作品のうち、今までに紹介した分は、以下の通り。


<第1短編集「シャーロック・ホームズの冒険(The Adventures of Sherlock Holmes)」(1892年)>


(1)「ボスコム谷の謎」(「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」の1891年10月号に掲載)

(2)「ぶな屋敷(The Copper Beeches)」(「ストランドマガジン」の1892年6月号に掲載)


<第2短編集「シャーロック・ホームズの回想(The Memoirs of Sherlock Holmes)」(1893年)>


(3)「名馬シルヴァーブレイズ(Silver Blaze)」(英国では、「ストランドマガジン」の1892年12月号に、また、米国では、「ハーパーズ ウィークリー(Harper’s Weekly)」の1893年2月25日号に掲載)


<第3短編集「シャーロック・ホームズの帰還(The Return of Sherlock Holmes)」(1905年)>


(4)「空き家の冒険(The Empty House)」(英国では、「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」の1903年10月号に、また、米国では、「コリアーズ ウィークリー(Collier’s Weekly)」の1903年9月26日号に掲載)

(5)「踊る人形(The Dancing Men)」(英国では、「ストランドマガジン」の1903年12月号に、また、米国では、「コリアーズ ウィークリー」の1903年12月5日号に掲載)

(6)「孤独な自転車乗り(The Solitary Cyclist)」(英国では、「ストランドマガジン」の1904年1月号に、また、米国では、「コリアーズ ウィークリー」の1903年12月26日号に掲載)

(7)「プライアリスクール(The Priory School)」(英国では、「ストランドマガジン」の1904年2月号に、また、米国では、「コリアーズ ウィークリー」の1904年1月30日号に掲載)

(8)「ブラックピーター(Black Peter)」(英国では、「ストランドマガジン」の1904年3月号に、また、米国では、「コリアーズ ウィークリー」の1904年2月27日号に掲載)


<第4短編集「シャーロック・ホームズ最後の挨拶(His Last Bow)」(1917年)>


筆者が調べた限りでは、ホームズが鹿撃帽を冠っている挿絵はなし。


<第5短編集「シャーロック・ホームズの事件簿(The Case-Book of Sherlock Holmes)」(1927年)>


(9)「ショスコム荘(Shoscombe Old Place)」(挿絵:ハワード・ケッピー・エルコック(Howard Keppie Elcock:1886年ー1952年))


画面右手奥で、こちらを見ている人物が、ホームズ。

「ショスコム荘」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、一番最後に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1927年4月号に、また、米国では、「リバティー(Liberty)」の1927年3月5日号に掲載された。

同作品は、1927年に発行されたホームズシリーズの第5短編集「シャーロック・ホームズの事件簿」に収録された。


画面中央に立つ人物が、ホームズ。


「ショスコム荘」は、長編 / 短編を含めて、コナン・ドイルが執筆した最後のホームズ作品となったのである。


画面奥の一番右側に立っている人物が、ホームズ。

0 件のコメント:

コメントを投稿