2023年1月22日日曜日

鹿撃帽を冠ったシャーロック・ホームズ - その1

サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年-1930年)が執筆したシャーロック・ホームズシリーズにおいて、鹿撃帽(deerstalker)を冠ったシャーロック・ホームズの挿絵について、紹介したい。


ジグソーパズル「シャーロック・ホームズの世界(The World of Sherlock Holmes)」において、
ロンドン市内を走る機関車の屋根の上に、
鹿撃帽が置かれている。


鹿撃帽は、ホームズのトレードマークとなっているが、コナン・ドイルの原作上、鹿撃帽のことに関しては、言及されていない。


ホームズに鹿撃帽を冠らせたのは、挿絵画家のシドニー・エドワード・パジェット(Sidney Edward Paget:1860年ー1908年)による発案で、鹿撃帽を冠ったホームズが初登場するのは、短編4作目の「ボスコム谷の謎(The Boscombe Valley Mystery)」である。


(1)「ボスコム谷の謎」(挿絵:シドニー・パジェット)


画面左側から、ジョン・H・ワトスン、そして、ホームズ。


「ボスコム谷の謎」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、4番目に発表された作品で、「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」の1891年10月号に掲載された。
同作品は、1892年に発行されたホームズシリーズの第1短編集である「シャーロック・ホームズの冒険(The Adventures of Sherlock Holmes)」に収録された。





本挿絵の左手奥に、こちらに背を向けて立っている人物が、
ホームズである。

(2)「ぶな屋敷(The Copper Beeches)」挿絵:シドニー・パジェット)


画面左側から、ホームズ、そして、ワトスン。


「ぶな屋敷」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、12番目に発表された作品で、「ストランドマガジン」の1892年6月号に掲載された。
同作品は、ホームズシリーズの第1短編集である「シャーロック・ホームズの冒険」(1892年)に収録された。

画面左側から、ヴァイオレット・ハンター嬢(Miss Violet Hunter)、
ホームズ、そして、ワトスン。
ホームズは、左手に鹿撃帽を持っている。

(3)「名馬シルヴァーブレイズ(Silver Blaze)挿絵:シドニー・パジェット)


画面左側から、ワトスン、そして、ホームズ。


名馬シルヴァーブレイズ」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、13番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1892年12月号に、また、米国では、「ハーパーズ ウィークリー(Harper’s Weekly)」の1893年2月25日号に掲載された。

同作品は、1893年に発行されたホームズシリーズの第2短編集「シャーロック・ホームズの回想(The Memoirs of Sherlock Holmes)」に収録された。



本挿絵の場合、ホームズは、鹿撃帽を冠っていないが、
左手に鹿撃帽を持っている。



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