白鳥の王女オデット(画面中央の人物)を演じる 英国ロイヤルバレエ団(The Royal Ballet)プリンシパル(Principal)の ゼナイダ・ヤノウスキー(Zenaida Yanowsky:1975年ー / フランス出身)- 英国ロイヤルバレエ団による演目「白鳥の湖」のプログラム(筆者所有)から抜粋。 |
クラシックバレエ「白鳥の湖(Swan Lake)」における主要な登場人物は、以下の通り。
(1)オデット(Odette)- 悪魔の呪いによって、白鳥に姿を変えられた王女
(2)ジークフリート(Siegfried)- 白鳥に姿を変えられた王女オデットと恋に落ちる王子
(3)ロットバルト(Baron Von Rothbart)- 呪いをかけて、王女オデットを白鳥に姿を変えた悪魔
(4)オディール(Odile)- 悪魔ロットバルトの娘
白鳥の王女オデットを演じる 英国ロイヤルバレエ団プリンシパルのマリアネラ・ヌニェス (Marianela Nunez:1982年ー / アルゼンチン出身)- 英国ロイヤルバレエ団による演目「白鳥の湖」のプログラム(筆者所有)から抜粋。 |
「白鳥の湖」の物語展開は、以下の通り。
*第1幕(Act I)
王子ジークフリート(画面一番右側の人物)を演じる 英国ロイヤルバレエ団プリンシパルのイワン・プトロフ (Ivan Putrov:1980年ー / ウクライナ出身)- 英国ロイヤルバレエ団による演目「白鳥の湖」のプログラム(筆者所有)から抜粋。 |
ドイツのある王宮の前庭において、王子ジークフリートの成人を祝う宴が行われていた。
そこに王子の母親が姿を見せ、王子ジークフリートに対して、明日王宮で開催される舞踏会で花嫁を選ぶように命じた。まだ結婚する気がない王子ジークフリートは、憂鬱な気分になる。
陽が暮れる中、空を飛ぶ白鳥の群れを見た王子ジークフリートは、白鳥狩りをするために、湖へと向かうのであった。
*第2幕(Act II)
第2幕目の白鳥の群舞 - 英国ロイヤルバレエ団による演目「白鳥の湖」のプログラム(筆者所有)から抜粋。 |
夜の帳が下りた湖のほとりで弓を構える王子ジークフリートの目の前に、1羽の白鳥が現れて、美しい娘へと姿を変える。王子ジークフリートに気付いて、驚き、そして、怯える娘は、やがて落ち着くと、自分の身の上話を始めた。
彼女は、ある国の王女だったオデットで、侍女達と一緒に、悪魔ロットバルトによって呪いをかけられ、白鳥の姿に変えられてしまったのである。
王女オデットや彼女の侍女達は、昼間は白鳥の姿のままであるが、夜になると、人間の姿に戻れると言う呪いを受けていたのだった。この呪いを解くためには、まだ誰にも愛を誓ったことがない男性が愛を捧げることが必要なのである。
湖畔で2人は惹かれ合い、王子ジークフリートは、王女オデットに対して、愛を誓おうとしたが、夜明けが近付いたため、オデットは、再び白鳥の姿へと戻り、飛び去って行った。
第2幕目では、王女オデットと王子ジークフリートを務める主役2人によるパ・ド・ドゥ(Pas de Deux)に加えて、王女オデットの侍女達が姿を変えた白鳥達による群舞が非常に美しい。
*第3幕(Act III)
物語の舞台は、湖畔から王宮の舞踏会へと移る。
王子ジークフリートの花嫁候補達が各国から到着するが、王子ジークフリート自身は、彼女達には全く興味を示さず、再び白鳥の姿に戻って飛び去って行った王女オデットのことを考え続けていた。
丁度そこへ、舞踏会の招待客に変装した悪魔ロットバルトが、娘のオディールを伴って、姿を見せる。オディールは、悪魔の魔法によって、王女オデットと瓜二つであったが、白鳥ではなく、黒鳥の姿になっていた。
黒鳥オディールによる妖艶な誘惑により、オディールのことを王女オデットであると思い込んだ王子ジークフリートは、思わずその場で結婚の誓いを立ててしまう。その途端、悪魔ロットバルトと娘のオディールは、正体を現して、王子ジークフリートを嘲笑うと、その場から去って行った。
広間の窓に映る王女オデットの哀しげな姿を見て、自分の過ちを悟った王子ジークフリートは、慌てて、湖畔へと向かうのであった。
清楚な白鳥オデットと妖艶な黒鳥オディールの両方を、主演の女性バレリーナが務めることが、通常である。
また、第3幕のクライマックスとなる「黒鳥のパ・ド・ドゥ(Grand Pas de Deux)」において、32回転のフェッテ(Fouette)が披露されるが、主演の女性バレリーナとして、非常に高度なテクニックを見せる場となる。
*第4幕(Act IV)
白鳥の王女オデット(画面右側の人物)を演じる 英国ロイヤルバレエ団(The Royal Ballet)プリンシパルのゼナイダ・ヤノウスキーと 王子ジークフリート(画面左側の人物)を演じる 英国ロイヤルバレエ団プリンシパルゲストアーティストのケネス・グリーヴ (Kenneth Greve:1968年ー / デンマーク出身)- 英国ロイヤルバレエ団による演目「白鳥の湖」のプログラム(筆者所有)から抜粋。 |
物語は、再び、湖畔へと戻る。
王女オデットは、侍女達に、王子ジークフリートの誓いが破られたことを告げているところに、王子ジークフリートが姿を見せ、王女オデットに対して、赦しを請う。
王女オデットは、王子ジークフリートのことを赦した後、2人は湖へと身を投げた。
王女オデットと王子ジークフリートの愛の力で、悪魔ロットバルトは滅び、そして、2人の魂は、死後の世界において、永遠に結ばれるのであった。
作品によっては、王女オデットと王子ジークフリートの2人が湖へと身を投げるだけで終わる悲劇的な結末や愛の力で悪魔ロットバルトを倒した2人が現世で結ばれるパッピーエンドもある。
0 件のコメント:
コメントを投稿