2022年10月2日日曜日

H・ポール・ジェファーズ作「シャーロック・ホームズの更なる冒険 / 不屈の仲間」(The further adventures of Sherlock Holmes / The Stalwart Companions by H. Paul Jeffers)- その1

英国の Titan Publishing Group Ltd. の Titan Books 部門から
2010年に出版された
H・ポール・ジェファーズ作
「シャーロック・ホームズの更なる冒険 / 不屈の仲間」の表紙

本作品「不屈の仲間(The Stalwart Companions)」は、米国ペンシルヴェニア州フェニックスヴィル出身の軍事史家 / 作家であるH・ポール・ジェファーズ(H. Paul Jeffers:1934年ー2009年)によって、1978年に発表された。

H・ポール・ジェファーズは、ABC TV / CBS TV / NBC TV 等のプロデューサーを務めた経歴があり、ニューヨーク大学(New York University)、シラキュース大学(Syracuse University)やボストン大学(Boston University)において、ジャーナリズムの教鞭を執っていた。


本作品において、シャーロック・ホームズと一緒に、事件の捜査にあたる主要人物の一人が、米国の軍人 / 政治家で、第25代副大統領(1901年3月4日ー1901年9月14日)、そして、ウィリアム・マッキンリー大統領の暗殺に伴い、第26代大統領(1901年9月14日ー1909年3月4日)に就任したセオドア・ルーズヴェルト(Theodore Roosevelt:1858年ー1919年)である。

本作品では、セオドア・ルーズヴェルトが、ニューヨーク市警察の公安委員長(President of the New York City Board of Police Commissioners:1895年-1897年)に就いて、市警察の腐敗と戦うことになる15年前の1880年の夏に発生した事件が、メインとなる。


1879年12月、26歳のシャーロック・ホームズ(本名:ウィリアム・シャーロック・スコット(William Sherlock Scott))は、マイケル・ササノフ氏(Mr. Michael Sasanoff)が率いるササノフ・シェイクスピア・カンパニー(Sasanoff Shakespearen Company)のメンバーとして、米国の地を踏んだ。

そして、1880年1月、彼は、ユニオンスクエア劇場(Union Square Theatre)で上演された「十二夜(Twelfth Night, or What You Will)」において、マルヴォーリオ(Malvolio - 伯爵家の執事)を演じた。

その際、彼は、セオドア・ルーズヴェルトとニューヨーク市警察のウィルスン・ハーグリーヴ(Wilson Hargreave)と知り合い、彼らと一緒に、ニューヨークの閑静な住宅街グラマーシーパーク(Gramercy Park)で発生した殺人事件を解決した。

その他に、ホームズは、米国の地において、1880年1月、Vanderbilt 家の事件を、また、同年7月には、Abernetty 家の事件を解決する。


1880年7月2日(金)、ホームズは、米国における友人となったセオドア・ルーズヴェルトを劇場へ招待した。同年6月末にハーバード大学(Harvard University)を卒業していたセオドア・ルーズヴェルトは、友人のウィルスン・ハーグリーヴを誘い、劇場へと出かけた。二人は、ホームズの演技に非常に魅了される。

公演後、三人はマディソンスクエア(Madison Square)へ食事に向かった。食事が終わりかけた頃、警官が現れ、ウィルスン・ハーグリーヴが呼び出された。「グラマーシーパークで殺人事件が発生しました。」と。


ホームズは、グラマーシーパーク近くの「Number 39 East Twenty-second Street」に宿をとっていたので、殺人現場への同行を申し出た。ウィルスン・ハーグリーヴは、ホームズの申し出を了承するとともに、セオドア・ルーズヴェルトも誘った。ホームズが声を上げる。「The game’s afoot.」

三人を乗せた馬車は、殺人現場のグラマーシーパークの15番地へと向かった。


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