2025年8月10日日曜日

エリザベス・フリンク作ブロンズ彫刻「馬と馬乗り」(Horse and Riser by Elisabeth Frink)- その2

エリザベス・フリンク作ブロンズ彫刻「馬と馬乗り」(その1)
<筆者撮影>


アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)の長編第2作目で、かつ、トマス・ベレズフォード(Thomas Beresford - 愛称:トミー(Tommy))とプルーデンス・カウリー(Prudence Cowley - 愛称:タペンス(Tuppence))の記念すべきシリーズ第1作目に該る「秘密機関(The Secret Adversary)」(1922年)の冒頭、第一次世界大戦(1914年ー1918年)が終わり、世界が復興へと向かう中、ロンドンの地下鉄ドーヴァーストリート駅(Dover Street Tube Station / 現在の地下鉄グリーンパーク駅(Green Park Tube Station)→ 2025年7月30日付ブログで紹介済)のドーヴァーストリート(Dover Street → 2025年7月28日 / 7月29日付ブログで紹介済)出口において、昔馴染みのトミーとタペンスは、数年ぶりに再会する。


エリザベス・フリンク作ブロンズ彫刻「馬と馬乗り」(その2)
<筆者撮影>


トミーとタペンスが再会したドーヴァーストリートとピカデリー通り(Piccadilly - ピカデリーライン(Piccadilly Line)とベイカールーライン(Bakerloo Line)の2線が乗り入れる地下鉄ピカデリーサーカス駅(Piccadilly Circus Tube Station)とピカデリーラインが停まる地下鉄ハイドパークコーナー駅(Hyde Park Corner Tube Station → 2015年6月14日付ブログで紹介済)を東西に結ぶ約1マイルの幹線道路 2025年7月31日付ブログで紹介済)が交差する西側の角には、英国の彫刻家 / 版画家であるエリザベス・ジーン・フリンク(Elisabeth Jean Frink:1930年ー1993年)が制作したブロンズ彫刻「馬と馬乗り(Horse and Riser)」が設置されていた。


エリザベス・フリンク作ブロンズ彫刻「馬と馬乗り」(その3)-
画面左手の方向へ行くと、
王立芸術院の出入口(バーリントンガーデンズ側)に辿り着くことができる。
<筆者撮影>


1974年、エリザベス・フリンクは、ドーヴァーストリートとピカデリー通りが交差する西側の角に建つトラファルガーハウス(Trafalgar House)から彫刻作品の制作依頼を受ける。


エリザベス・フリンク作ブロンズ彫刻「馬と馬乗り」は、
2018年6月に、ピカデリー通りとドーヴァーストリートの角から
バーリントンガーデンズとニューボンドストリートの角へと移設された。
<筆者撮影>

1963年に最初の夫ミシェル・ジャメット(Michel Jammet)と離婚した後、1964年にエドワード・プール(Edward Pool)と再婚したエリザベス・フリンクは、、1967年から1970年にかけて南フランスで暮らしていた際、馬をモティーフにして彫刻作品を制作することが多くなった。


エリザベス・フリンク作ブロンズ彫刻「馬と馬乗り」が置かれている地面には、
王立芸術院の開設250周年を記念して、
2018年にこの場所に設置された旨を記す碑がある。
<筆者撮影>

彼女が制作した「馬と馬乗り」は、1975年にドーヴァーストリートとピカデリー通りが交差する西側の角に設置された。

馬は4本足で静かに立ち、その上に裸の男性が馬具なしで乗っている。そして、馬も馬乗りも、進行方向左手に顔をやや向けて、何かを見つめている。


王立芸術院が使用しているバーリントンハウスの正面玄関
(ピカデリー通り側)
<筆者撮影>

エリザベス・フリンク作「馬と馬乗り」は、2015年9月、歴史的な建造物の一つとして、「グレード II(Grade II listed building)」に指定された。


1769年に開校した王立芸術院の250周年を記念して、
英国のロイヤルメールが2019年に発行した記念切手の1枚


1769年に開校した王立芸術院(Royal Academy of Arts)の250周年記念事業の一環として、王立芸術院が使用しているバーリントンハウス(Burlington House)が大改修され、ピカデリー通り(南側)に加えて、バーリントンガーデンズ(Burlington Gardens - 北側)にも、出入口が設けられたことに伴い、エリザベス・フリンク作「馬と馬乗り」は、2018年6月、王立芸術院の北側出入口へ至るバーリントンガーデンズとニューボンドストリート(New Bond Street)の角へと移設されたのである。 


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