2023年6月13日火曜日

コナン・ドイル作「恐怖の谷」<グラフィックノベル版>(The Valley of Fear by Conan Doyle ) - その2

シャーロック・ホームズシリーズの長編小説4作のうち、サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年ー1930年)が最後に発表した作品である「恐怖の谷(The Valley of Fear → 2023年5月12日 / 5月17日 / 5月21日 / 5月26日 / 5月29日 / 6月5日付ブログで紹介済)」について、作家である Ian Edginton が構成を、そして、イラストレーターである I. N. J. Culbard Norma が作画を担当したグラフィックノベル版(英国の Metro Media Ltd. から、Self Made Hero シリーズの一つとして、2011年に出版)に登場する主要なキャラクターを紹介したい。


Ian Edginton と I. N. J. Culbard の二人が、英国の Metro Media Ltd. から、Self Made Hero シリーズとして出版している


(1)2008年: オスカー・フィンガル・オフラハティ・ウィルス・ワイルド(Oscar Fingal O’Flahertie Wills Wilde:1854年ー1900年)作「ドリアン・グレイの肖像(The Picture of Dorian Gray → 2022年10月10日付ブログで紹介済)」(1889年)

(2)2009年: コナン・ドイル作「バスカヴィル家の犬(The Hound of the Baskervilles)」(1901年-1902年)


では、各キャラターの作画が完成化されておらず、やや安定していない。特に、シャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンを含む全キャラクターを描く際に、顔のバランスをとるための線の名残なのか、額の中央から片側の頬にかけて、斜めに走る線が多用され、それがほぼ全場面の全キャラクターに適用されていたので、読んでいて、非常に気になった。

ホームズシリーズのグラフィックノベル版としては、4番目かつ最後に該る「恐怖の谷」の場合、ホームズやワトスンの作画は完成していて、二人を含む全キャラクターが描かれる際に、「バスカヴィル家の犬」において多用された額の中央から片側の頬にかけて斜めに走る線は、完全になくなっており、非常に読み易い。


<シャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスン>


1880年代の終わりに差し掛かる頃の朝、
シャーロック・ホームズが、
ジェイムズ・モリアーティー教授の組織内に居る
情報提供者であるフレッド・ポーロック(Fred Porlock)から、
数字が羅列された暗号文を受け取る。
そして、ジョン・H・ワトスンは、朝食を食べながら、
ホームズの様子を見守っている。
(左側の人物がワトスンで、右側の人物がホームズ)


<ハドスン夫人>


情報提供者であるフレッド・ポーロックからの2番目の手紙を、
ハドスン夫人がホームズに渡した後の場面が描かれている。


<スコットランドヤードのアレック・マクドナルド警部(Inspector Alec MacDonald)>


情報提供者であるフレッド・ポーロックから受け取った暗号文の内容をホームズが解読し終わったところ、

スコットランドヤードのアレック・マクドナルド警部が、ホームズを訪ねて来た。

マクドナルド警部は、テーブルの上に置かれた解読された暗号文の内容を見て、驚きを見せる。

何故ならば、「昨夜、サセックス州(Sussex)バールストン(Birlstone)のバールストン館に住む

ジョン・ダグラスが惨殺された。」と言う連絡を、彼は受けていたからである。


サセックス州刑事部長(chief Sussex detective)のホワイト・メイスン(White Mason)

バールストン駅(Birlstone station)において、ホームズ、ワトスンと
スコットランドヤードのアレック・マクドナルド警部を出迎えたホワイト・メイスンは、
ホームズ達3人が宿泊する予定の宿屋「ウェストヴィル アームズ(Westville Arms)」へ案内すると、
3人に対して、事件の説明を始めた。


バールストン館(Birlstone House)の主人であるジョン・ダグラス(John Douglas)と妻のダグラス夫人(Mrs. Douglas)

     相当の間、誰も住んでなかったバールストン館を購入した

ジョン・ダグラス(John Douglas)と言う50歳前後の男性には、

サセックス州の社交界よりもかなり低い水準の下層社会での生活を経てきたと言う印象があり、

当初は、周囲から好奇の目で見られたり、疎遠にされたりしたものの、

誰に対しても陽気で親切な彼は、直ぐに隣人達と打ち解けるようになった。

彼は、巨額の資産を持っているようで、

米国カリフォルニア州の金鉱で得たと噂される資産を、地元に惜しみなく寄付した。

また、地元の牧師館が火事になった際、消防隊が諦めたにもかかわらず、

ジョン・ダグラスは、燃え盛る牧師館の中に飛び込み、牧師を救出して、彼の名声は、更に高まった。

ジョン・ダグラスの妻は、彼よりも20歳程若かったが、夫婦仲は円満で、彼女の評判も、非常に高かった。

彼女は、ロンドンにおいて、男やもめだったジョン・ダグラスと出会った、とのことだった。

左側の人物がジョン・ダグラスで、右側の人物がダグラス夫人。


<ダグラス夫妻の友人であるセシル・ジェイムズ・バーカー(Cecil James Barker)>

バールストン館には、ジョン・ダグラスの友人で、
ハムステッド(Hampstead)のヘイルズ荘(Hales Lodge)に住む
セシル・ジェイムズ・バーカーと言う45歳位の男性が、頻繁に出入りしていた。
彼は、
米国カリフォルニア州の金鉱において、
ジョン・ダグラスと知り合って以来の友人とのことだった。

<ダグラス夫妻の執事であるエイムス(Aimes)>

ホームズ達に尋ねられた執事のエイムズは、

(1)ジョン・ダグラスがバールストン館を買い入れた5年前に、エイムズは執事として雇われた

(2)ジョン・ダグラスは、常日頃、バールストンを離れることは、ほとんどなかった。

(3)ジョン・ダグラスは、事件があった日(1月6日)の前日(1月5日)、タンブリッジウェルズ(Tunbridge Wells)へ買い物に出かけたが、戻って来ると、日頃の彼にしては珍しく、落ち着きを失って、イライラしているように見えた。

(4)事件があった当夜、館の裏にある食器室において、エイムズが銀食器の片付けをしていた際、玄関のベルが激しく鳴ったため、自分の部屋から出て来た家政婦のアレン夫人と一緒に、玄関へと向かった。特に、銃声は聞かなかった。おいて、エイムズが銀食器の片付けをしていた際、玄関のベルが激しく鳴ったため、自分の部屋から出て来た家政婦のアレン夫人(Mrs. Allen)と一緒に、玄関へと向かった。特に、銃声は聞かなかった。

と証言した。


<ダグラス夫妻の家政婦であるアレン夫人(Mrs. Allen

家政婦のアレン夫人も、執事のエイムズの証言を補強した。

また、セシル・バーカーに指示された通り、アレン夫人は、ダグラス夫人に付き添い、

彼女の部屋へと戻ると、一晩中、その部屋に居た、とのことだった。


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