2023年2月5日日曜日

コナン・ドイル作「孤独な自転車乗り」<英国 TV 版>(The Solitary Cyclist by Conan Doyle )- その1

英国で出版された「ストランドマガジン」
1904年1月号に掲載された挿絵(その5) -

オークの樹の下で、ウィリアムスン牧師が、
ヴァイオレット・スミス嬢とジャック・ウッドリーの
結婚式を執り行っているところへ、
ホームズ達が駆け付ける場面が描かれている。
画面左側から、ヴァイオレット・スミス嬢、
ウィリアムスン牧師、ジャック・ウッドリー、
ボブ・カラザース、ジョン・H・ワトスン、
そして、シャーロック・ホームズ
(実際には、彼が冠る鹿撃帽の一部のみが見えている)である。
挿絵:シドニー・エドワード・パジェット
(Sidney Edward Paget:1860年 - 1908年)

サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年ー1930年)作「孤独な自転車乗り(The Solitary Cyclist → 2022年12月11日 / 12月21日および2023年1月5日 / 1月8日付ブログで紹介済)」は、シャーロック・ホームズシリーズの短編小説56作のうち、28番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」の1904年1月号に、また、米国では、「コリアーズ ウィークリー(Collier’s Weekly)」の1903年12月号に掲載された。

また、同作品は、1905年に発行されたホームズシリーズの第3短編集「シャーロック・ホームズの帰還(The  Return of Sherlock Holmes)」(1905年)に収録された。


本作品は、英国のグラナダテレビ(Granada Television Limited)が制作した「シャーロック・ホームズの冒険(The Adventures of Sherlock Holmes)」(1984年ー1994年)において、TV ドラマとして映像化された。具体的には、第1シリーズ(The Adventures of Sherlock Holmes)の第4エピソード(通算では第4話)として、英国では、1984年5月15日に放映されている。


配役は、以下の通り。


(1)シャーロック・ホームズ → ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett:1933年ー1995年)

(2)ジョン・ワトスン → デイヴィッド・バーク(David Burke:1934年ー)


(3)ヴァイオレット・スミス(Violet Smith:今回の事件の依頼人)→ Barbara Wilshere

(4)ボブ・カラザース(Bob Carruthers:チルタン屋敷(Chiltern Grange)の持ち主で、ヴァイオレット・スミス嬢の雇い主)→ John Castle

(5)ジャック・ウッドリー(Jack Woodley:カラザース氏の友人)→ Michael Siberry

(6)ウィリアムスン(Williamson:チャーリントンホール(Charlington Hall)の借り主である牧師)→ Ellis Dale

(7)サラ・カラザー(Sarah Carruthers:カラザース氏の娘)→ Sarah Altchison

(8)ピーター(Peter:チルタン屋敷の馬丁)→ Simon Bleackley

(9)ディクスン夫人(Mrs. Dixon:チルタン屋敷の家政婦)→ Penny Gowling

(10)氏名不明(Landlord:ファーナム駅(Farham Station)近くにあるパブのオーナー)→ Stafford Gordon

(11)ハドスン夫人(Mrs. Hudson:ベーカーストリート221Bの家主)→ Rosalie Williams


グラナダ TV 版「孤独な自転車乗り」の登場人物は、基本的に、コナン・ドイルの原作通りである。


コナン・ドイルの原作上、カラザース氏の娘について、10歳であることは記載されているが、名前に関しては、言及されていない。

グラナダ TV 版において、名前も設定され、ヴァイオレット・スミス嬢が、彼女に対して、実際に、音楽(ピアノの演奏)を教える場面が加えられている。


グラナダ TV 版「孤独な自転車乗り」は、放送の順番としては、4番目であるが、撮影の順番で言うと、一番最初である。

これは、放送の順番で言うと、一番最初となった「ボヘミアの醜聞(A Scandal in Bohemia)」に比べると、それ程重要ではないエピソードの撮影から始めることにより、ホームズ役のジェレミー・ブレットとワトスン役のデイヴィッド・バークに、お互いの演技に慣れてもらい、「ボヘミアの醜聞」のクオリティーを高めるためであった。


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