2023年2月1日水曜日

アガサ・クリスティーの世界<ジグソーパズル>(The World of Agatha Christie )- その10

英国の Orion Publishing Group Ltd. から出ている「アガサ・クリスティーの世界(The World of Agatha Christie)」と言うジグソーパズル内に散りばめられているアガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)の生涯や彼女が執筆した作品等に関連した90個の手掛かりについて、前回に続き、紹介していきたい。


今回も、アガサ・クリスティーが執筆した作品に関連する手掛かりの紹介となる。


(43)「蒼ざめた馬(Pale Horse)」の看板


本ジグソーパズルでは、
アガサ・クリスティーが座っている椅子の下に、
元は居酒屋兼宿屋で、今は魔女の住処と言われている
「蒼ざめた馬」の看板が置かれている。


「蒼ざめた馬」の看板が、椅子に腰掛けているアガサ・クリスティーの足元に置かれている。
これから連想されるのは、アガサ・クリスティーが1961年に発表したノンシリーズ作品「蒼ざめた馬(The Pale Horse)」である。


死の床に瀕したデイヴィス夫人(Mrs. Davis)は、カトリックのゴーマン神父(Farther Gorman)に告解を行った際、彼女は神父に対して、複数の名前が書かれたリストを渡すとともに、ある非常に恐ろしい秘密を話したのである。

その後、ある霧の深い晩、暗い通りを歩いていたゴーマン神父は、頭部を棍棒で一撃され、殺害された。清貧で、誰からも好かれている神父を、一体、誰が殺そうとしたのであろうか?神父を撲殺した犯人は、何かを探して、神父の身につけているものを隅から隅まで調べた上に、神父の法衣を引き裂くことまで行っていた。

ただ、犯人は、神父の靴の中まで調べることには、思い至らなかったが、そこに犯人が探すものが隠されていたのであった。

ゴーマン神父の殺害犯人を突き止めるべく、スコットランドヤードのルジューン警部(Inspector Lejeune)が、捜査に乗り出す。


執筆活動に嫌気が差した歴史学者のマーク・イースターブルック(Mark Easterbrook)が、気晴らしのために、チェルシー地区(Chelsea)のカフェへ出かけた。彼が出向いたカフェにおいて、2人の女性が喧嘩を始めて、片方の女性が、もう一方の女性の髪の毛を根元から引き抜くまでの騒動にまで及んだのである。

警官の到着のおかげで、何とかその場は収まったものの、その騒動から1週間後、マーク・イースターブルックは、新聞の死亡欄を見て、先日の喧嘩を行った女性2人のうちの片方であるトーマシナ・タッカートン(Thomasina Tuckerton)が亡くなったことを知る。

マーク・イースターブルックが、花屋(Flower Studies Ltd.)に勤める女友達であるパメラ・スターリング(Pamela Stirling - 愛称:ポピー(Poppy))と食事をした際、その話題を出すと、彼女は、「蒼ざめた馬(ヨハネ黙示録に出てくる「死を象徴する馬」)」のことを口にする。すると、彼女は、突然、何かに恐れたように、その後、何も言わなくなってしまった。


マーク・イースターブルックが、友人で、警察医(police surgeon)を務めてるジム・コリガン(Jim Corrigan)と会った際、ゴーマン神父の撲殺事件と彼の靴の中から見つかった名前のリストのことについて、聞かされる。

なんと、そのリストには、(1)ジム・コリガン本人、(2)トーマシナ・タッカートン、そして、(3)彼の名付け親であるヘスケスーデュボワ(Hesketh-Dubois)の名前が含まれていた。トーマシナ・タッカートンが先日亡くなったことを、新聞の死亡欄で既に知っている。また、彼の名付け親であるヘスケスーデュボワも、最近、亡くなったことを知っていた。

マーク・イースターブルックは、このリストには、既に亡くなったか、あるいは、これから、近いうちに亡くなる人達の名前が書かれているのではないかと考え始める。


その後、マーク・イースターブルックは、マッチディーピング(Much Deeping)の村に住む彼の従姉妹であるローダ・デスパード(Rhoda Despard)と彼女の夫であるヒュー・デスパード大佐(Colonel Hugh Despard)に招待されて、有名な推理作家であるアリアドニ・オリヴァー夫人(Mrs. Ariadne Oliver)と一緒に、村の祭りを見物に出かけた。

その際、マーク・イースターブルックは、元は居酒屋兼宿屋で、今は魔女の住処と言われている「蒼ざめた馬」の話を聞き付けた。「蒼ざめた馬」には、現在、サーザ・グレイ(Thyrza Grey)、シビル・スタンフォーディス(Sybil Stamfordis)とベラ・

ウェッブ(Bella Webb)の「現代の魔女」と呼ばれる3人の女性が暮らしていた。

マーク・イースターブルックは、彼女達3人が何かいかがわしいことに関与しており、それがゴーマン神父の撲殺事件と繋がっているのかもしれないと考えた。


マーク・イースターブルックは、相棒のジム・コリガンに手助けを求め、問題のリストの背後に潜む犯人達とその動機を明らかにしようとするのである。


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