ドラキュラの世界＜ジグソーパズル＞（The World of Dracula ）- その１０

英国の Laurence King Publishing Group Ltd. より２０２１年に出ているジグソーパズル「ドラキュラの世界（The World of Dracula）」のイラスト内には、アイルランド人の小説家であるブラム・ストーカー（Bram Stoker）こと、エイブラハム・ストーカー（Abraham Stoker：１８４７年ー１９１２年）が１８９７年に発表したゴシック小説 / ホラー小説「吸血鬼ドラキュラ（Dracula → ２０１７年１２月２４日 / １２月２６日付ブログで紹介済）」の物語に関して、基本的に、左下から左上へ、そして、右上へと進み、最終的には、右下で完結するように、各場面が散りばめられているので、前回と同様に、順番に紹介していきたい。

＜ロンドンにて（In London）＞

今回は、「その１」となる。

（２２）

ロンドン近郊の町パーフリートには、
ドラキュラ伯爵が根城にしたカーファックス屋敷が所在していた。

セントポール大聖堂（St. Paul’s Cathedral → ２０１８年８月１８日 / ８月２５日 / ９月１日付ブログで紹介済）が建つロンドン近郊の町パーフリート（Purfleet - 現在のエセックス州（Essex）のサロック（Thurrock）内に所在する町）に、「カーファックス屋敷（Carfax）」があった。カーファックス屋敷は、英国南西部デヴォン州（Devon）の州都エクセター（Exeter）で弁護士事務所を営むピーター・ホーキンズ（Peter Hawkins）の代理として、トランシルヴァニア（Transylvania）のドラキュラ城（Castle Dracula）までやって来た新人事務弁護士（solicitor）であるジョナサン・ハーカー（Jonathan Harker）経由、ドラキュラ伯爵（Count Dracula）が購入した物件であった。

遠方のビルから見たセントポール大聖堂の建物正面

英国に上陸を果たしたドラキュラ伯爵は、ウィットビー（Whitby）からロンドンへと移動すると、カーファックス屋敷を根城として、本格的に英国全土へとその魔手を伸ばそうとしていた。

２０１７年に英国の出版社 Usborne Publishing Ltd. から発刊された
「吸血鬼ドラキュラ」のグラフィックノベル版から抜粋した英国の地図

本ジグソーパズルもそうであるが、ブラム・ストーカーの原作が映像化された場合等では、「カーファックス屋敷」ではなく、「カーファックス寺院（Carfax Abbey）」となっている。厳密に言うと、原作者であるブラム・ストーカー自身は、一度も「Carfax Abbey」と言う呼び方をしていない。おそらく、映像化する場合、「屋敷」よりも、「寺院」の方が、舞台として、見栄えが良いからではないかと思われる。

（２３）

奇しくも、カーファックス屋敷の隣りには、
精神科医であるジャック・セワードが院長を務める精神病院があり、
患者の一人であるレンフィールドの治療にあたっていた。

奇しくも、ドラキュラ伯爵が根城としたカーファックス屋敷の隣りには、精神科医（psychiatrist）であるジャック・セワード（John Seward）が院長を務める精神病院が建っていた。

ジャック・セワード医師の患者の一人であるレンフィールド（Renfield）は、蝿、蜘蛛や鳥等を食べて、その命を奪い、自分の生命力に変えると言う独自の観念を持つ人物で、ジャック・セワードは、レンフィールドの常軌を逸した精神状態を理解しようとしていた。

（２４）

弱い精神状態のレンフィールドに目を付けたドラキュラ伯爵は、
彼を虜にして、自分の奴隷とした。

レンフィールドの弱い精神状態に目を付けたドラキュラ伯爵は、レンフィールドを虜にして、自分の意のままとなる奴隷へと化したのである。