2023年2月24日金曜日

パイプを咥えたシャーロック・ホームズ - その2

サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年-1930年)が執筆したシャーロック・ホームズシリーズにおいて、パイプを咥えたシャーロック・ホームズの挿絵について、引き続き、紹介したい。


前回、1892年に発行されたホームズシリーズの第1短編集「シャーロック・ホームズの冒険(The Adventures of Sherlock Holmes)」に収録されている挿絵を紹介したが、今回は、ホームズシリーズの第2短編集である「シャーロック・ホームズの回想(The Memoirs of Sherlock Holmes)」に収録されている挿絵に関して、紹介する。

今回も、挿絵を担当しているのは、挿絵画家であるシドニー・エドワード・パジェット(Sidney Edward Paget:1860年ー1908年)である。

また、当時、柄が真っ直ぐになったパイプが一般的に使用されていたことを示すために、ホームズに加えて、他の登場人物の挿絵も掲載する。


(6)「黄色い顔(The Yellow Face)」


英国で出版された「ストランドマガジン」
1893年2月号に掲載された挿絵 -

シャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンがハイドパークへ散歩に出かけている間に、
ベーカーストリート221Bを訪れた依頼人が忘れて行った
古いブライヤー製で、煙草愛好家が琥珀と呼ぶ上等な長い柄があるパイプを、
ホームズは、手の平の上でひっくり返しながら、
依頼人のひととなりを推理する。
画面左側の人物がワトスンで、画面右側の人物がホームズ。
ホームズが手にしているパイプは、柄が真っ直ぐになっている。
挿絵:シドニー・エドワード・パジェット(1860年 - 1908年)

「黄色い顔」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、15番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」の1893年2月号に、また、米国でも、「ハーパーズ ウィークリー(Harper’s Weekly)」の1893年2月11日号に掲載された。

同作品は、1893年に発行されたホームズシリーズの第2短編集である「シャーロック・ホームズの回想」に収録されている。


(7)「株式仲買店員(The Stockbroker’s Clerk)」


英国で出版された「ストランドマガジン」
1893年3月号に掲載された挿絵 -

勤めていたドイレパーズガーデンズ(Drapers' Gardens)にある
コクソン・アンド・ウッドハウス商会(Coxon & Woodhouse's)が倒産したことに伴い、
株式仲買店員であるホール・パイクロフト(Hall Pycroft)は、
ロンバードストリート(Lombard Street)にある
大手株式仲買店モーソン・アンド・ウィリアムズ商会(Mawson & Willaims's)に
欠員を1名見つけた。
そんな彼の自宅を「財務外交員(Financial Agent)」の
「アーサー・ピナー(Arthur Pinner)」と名乗る人物が訪ねて来た。
画面左側の人物がアーサー・ピナーで、画面右側の人物がホール・パイクロフト。
ホール・パイクロフトが、柄が真っ直ぐになったパイプを左手に持っている。
挿絵:シドニー・エドワード・パジェット(1860年 - 1908年)

「株式仲買店員」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、16番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1893年3月号に、また、米国でも、「ハーパーズ ウィークリー(Harper’s Weekly)」の1893年3月11日号に掲載された。

同作品は、ホームズシリーズの第2短編集である「シャーロック・ホームズの回想」(1893年)に収録されている。


(8)「グロリア・スコット号事件(The Gloria Scott → 2021年9月25日 / 10月3日 / 10月10日付ブログで紹介済)


英国で出版された「ストランドマガジン」
1893年4月号に掲載された挿絵 -
大学在籍時、ヴィクター・トレヴァー(Victor Trevor)の飼い犬が
シャーロック・ホームズの足首に噛み付いたことが切っ掛けとなり、二人は知り合う。
ヴィクターがホームズを見舞ううちに、二人は親友になる。
ヴィクターは、ホームズが大学に居た2年間にできた唯一の友人であった。
画面左側の人物がホームズで、画面右側の人物がヴィクター・トレヴァー。
ヴィクター・トレヴァーが、柄が真っ直ぐになったパイプを口に咥えている。
挿絵:シドニー・エドワード・パジェット(1860年 - 1908年)

「グロリア・スコット号事件」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、17番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1893年4月号に、また、米国でも、「ハーパーズ ウィークリー」の1893年4月15日号に掲載された。

同作品は、ホームズシリーズの第2短編集である「シャーロック・ホームズの回想」(1893年)に収録されている。


(9)「マスグレイヴ家の儀式書(The Musgrave Ritual)」


英国で出版された「ストランドマガジン」
1893年5月号に掲載された挿絵 -
シャーロック・ホームズと同じ大学で、顔見知り程度に過ぎなかった
レジナルド・マスグレイヴ(Reginald Musgrave)が、
指紋探偵業を始めたホームズが住む
モンタギューストリート(Montague Street)を訪れる。
大学を卒業して以来、4年ぶりの再会だった。
レジナルド・マスグレイヴは、火がついた煙草を右手に持っている。
挿絵:シドニー・エドワード・パジェット(1860年 - 1908年)

「マスグレイヴ家の儀式書」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、18番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1893年5月号に、また、米国では、「ハーパーズ ウィークリー」の1893年5月13日号に掲載された

同作品は、ホームズシリーズの第2短編集である「シャーロック・ホームズの回想」(1893年)に収録されている。


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