2023年2月20日月曜日

パイプを咥えたシャーロック・ホームズ - その1

サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年-1930年)が執筆したシャーロック・ホームズシリーズにおいて、パイプを咥えたシャーロック・ホームズの挿絵について、紹介したい。


ジグソーパズル「シャーロック・ホームズの世界(The World of Sherlock Holmes)」において、
クリケット場の芝生の上に、
ホームズのトレードマークである吸い口が大きく曲がったパイプが置かれている。

ホームズと言うと、吸い口が大きく曲がった「キャラバッシュ型パイプ(curved pipe)」を咥えているイメージが強い。ただし、この型のパイプは、ホームズが活躍した19世紀には、まだ存在していなかった。そのため、挿絵画家であるシドニー・エドワード・パジェット(Sidney Edward Paget:1860年ー1908年)が挿絵で描いている通り、ホームズは、柄が真っ直ぐになったパイプを愛用していた筈である。


キャラバッシュ型パイプは、米国の舞台俳優 / 演出家であるウィリアム・ジレット(William Gillette:1853年ー1937年)が、舞台でホームズを演じる際、舞台上の効果(この型のパイプだと、咥えたままで、台詞を言い易い)から考案されたもので、その後、この型のパイプが、ホームズのトレードマークとなったのである。


(1)「ボヘミアの醜聞(A Scandal in Bohemia)」


英国で出版された「ストランドマガジン」
1891年7月号に掲載された挿絵 -

ボヘミア国王に依頼され、
シャーロック・ホームズは、
酔いどれ馬丁(drunken-looking groom)に変装して、
アイリーン・アドラーが住むブライオニーロッジを調べた後、
セントジョンズウッド地区から戻って来た。
挿絵:シドニー・エドワード・パジェット(1860年 - 1908年)

「ボヘミアの醜聞」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、最初(1番目)に発表された作品で、英国の「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」の1891年7月号に掲載された。

同作品は、1892年に発行されたホームズシリーズの第1短編集「シャーロック・ホームズの冒険(The Adventures of Sherlock Holmes)」に収録されている。


(2)「赤毛組合(The Red-Headed League → 2022年9月25日 / 10月9日 / 10月11日 / 10月16日付ブログで紹介済)」


英国で出版された「ストランドマガジン」
1891年8月号に掲載された挿絵 -

フリートストリートにある「赤毛組合」の事務所が突然解散した件について、
ザクセンーコーブルクスクエアにおいて質屋を営むジェイベス・ウィルスンが
相談を持ち込んだ後、
シャーロック・ホームズは、
「この問題を解明するには、優にパイプ三服分は必要だ。」と言うと、
椅子の上で身体を丸めると、考え込んだ。
挿絵:シドニー・エドワード・パジェット(1860年 - 1908年)

「赤毛組合」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、2番目に発表された作品で、英国の「ストランドマガジン」の1891年8月号にに掲載された。

同作品は、ホームズシリーズの第1短編集である「シャーロック・ホームズの冒険」(1892年)に収録されている。


(3)「唇のねじれた男(The Man with the Twisted Lip)


英国で出版された「ストランドマガジン」
1891年12月号に掲載された挿絵 -

シャーロック・ホームズは、古いイバラのパイプを咥えると、
ボンヤリとした目で天井の隅をじっと見つめながら、
徹夜で考え事を続けた。
挿絵:シドニー・エドワード・パジェット(1860年 - 1908年)


唇のねじれた男」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、6番目に発表された作品で、英国の「ストランドマガジン」の1891年12月号に掲載された。

同作品は、ホームズシリーズの第1短編集である「シャーロック・ホームズの冒険」(1892年)に収録されている。


(4)「独身の貴族(The Noble Bachelor)」


英国で出版された「ストランドマガジン」
1892年4月号に掲載された挿絵 -

スコットランドヤードのレストレード警部は、ベーカーストリート221Bを訪れると、
シャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンに対して、
サーペンタイン湖(The Serpentine → 2015年3月15日付ブログで紹介済)を浚った結果を見せる。
ホームズは、パイプではなく、葉巻を吸っている。
画面左側から、レストレード警部、ワトスン、そして、ホームズ。
挿絵:シドニー・エドワード・パジェット(1860年 - 1908年)

「独身の貴族」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、10番目に発表された作品で、英国の「ストランドマガジン」の1892年4月号に掲載された。

同作品は、ホームズシリーズの第1短編集である「シャーロック・ホームズの冒険」(1892年)に収録されている。


スコットランドヤードのレストレード警部が、
セント・サイモン卿夫人(Lady St. Simon)の遺体を捜索するために浚ったサーペンタイン湖は、
ハイドパーク(Hyde Park → 2015年3月14日付ブログで紹介済)と
ケンジントンガーデンズ(Kensington Gardens)を二つに分けている湖である。


(5)「ぶな屋敷(The Copper Beeches → 2022年7月31日 / 8月15日 / 8月21日 / 8月25日付ブログで紹介済))」


英国で出版された「ストランドマガジン」
1892年6月号に掲載された挿絵 -
ベーカーストリート221B(221B Baker Street)において、
シャーロック・ホームズは、ジョン・H・ワトスンに対して、
「最近、自分のところに持ち込まれる依頼の質が落ちた。」と嘆く。
画面左側の人物がホームズで、画面右側の人物がワトスン。
挿絵:シドニー・エドワード・パジェット
(1860年 - 1908年)


「ぶな屋敷」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、12番目に発表された作品で、英国の「ストランドマガジン」の1892年6月号に掲載された。

同作品は、ホームズシリーズの第1短編集である「シャーロック・ホームズの冒険」(1892年)に収録されている。


0 件のコメント:

コメントを投稿