2023年2月11日土曜日

アガサ・クリスティーの世界<ジグソーパズル>(The World of Agatha Christie )- その13

英国の Orion Publishing Group Ltd. から出ている「アガサ・クリスティーの世界(The World of Agatha Christie)」と言うジグソーパズル内に散りばめられているアガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)の生涯や彼女が執筆した作品等に関連した90個の手掛かりについて、前回に続き、紹介していきたい。


今回も、アガサ・クリスティーが執筆した作品に関連する手掛かりの紹介となる。


(46)真珠のネックレス(pearl necklace)


リトルパドックス館の女主人であるレティシア・ブラックロックが
常時身に付けている真珠のネックレス

(47)チッピングクレグホーン村の地元紙朝刊「ギャゼット」(Chipping Cleghorn Gazette)


リトルパドックス館において、殺人が発生することが予告された
チッピングクレグホーン村の地元紙朝刊「ギャゼット」


本ジグソーパズルの一番右端に、本棚があり、その一番上の棚の左端に、真珠のネックレスが架けられており、また、一番下の棚の左端に、チッピングクレグホーン村の地元紙朝刊「ギャゼット」が置かれている。
これらから連想されるのは、アガサ・クリスティーが1950年に発表したミス・ジェーン・マープル(Miss Jane Marple)シリーズの長編第4作目の「予告殺人(A Murder is Announced)」である。
新聞の広告欄において予告された通りに殺人が発生するリトルパドックス館(Little Paddocks)の女主人であるレティシア・ブラックロック(Letitia Blacklock)が常時身に付けている宝飾品が真珠のネックレスで、また、その殺人が予告されるのが、チッピングクレグホーン村の地元紙朝刊「ギャゼット」の広告欄なのである。

Harper Collins Publishers 社から出版されている
「予告殺人」のペーパーバック版の表紙
<イラスト:ビル・ブラッグ氏(Mr. Bill Bragg)>

チッピングクレグホーン村(Chipping Cleghorn)の地元紙朝刊「ギャゼット(Gazette)」の広告欄に、非常に変わった連絡が掲載された。「殺人をお知らせ致します。10月29日の金曜日、午後6時半にリトルパドックス館においてです。(A murder is announced and will take place on Friday, October 29th, at Little Paddocks, at 6:30 pm.)」と。

チッピングクレグホーン村の郊外にあるリトルパドックス館の女主人であるレティシア・ブラックロックは、この広告を見て困惑する。一方で、当日、好奇心旺盛な村の人々が、続々とリトルパドックス館に集まって来て、何が起きるのか、とても心待ちにしていた。


そして、時計が午後6時半を告げた時、室内の明かりが突然消えると、部屋の扉が開いて、懐中電灯を持った男が姿を現した。村の人々が何かの余興だと思った時、銃声が響く。

部屋の扉が閉まり、明かりが灯ると、そこには、突然部屋に侵入して来た男の死体が横たわっていたのである。レティシア・ブラックロックの親友であるドーラ・バンナー(Dora Bunner)によると、死んでいた男は、村のホテルに勤める従業員のルディー・シャーツ(Rudi Scherz)とのこと。


ビル・ブラッグ氏が描く
ミス・マープルシリーズの長編第4作目である
「予告殺人」の一場面


警察が呼ばれ、クラドック警部(Inspector Craddock)が、その場に居合わせた村の人々を一人ずつ調べていく。状況としては、自殺、あるいは、事故のように思われるが、クラドック警部としては、どちらにも納得がいかなかった。


クラドック警部にとって非常に幸運なことに、死亡したルディー・シャーツが勤めていた村のホテルには、探偵好きな独身の老婦人ミス・ジェーン・マープルが滞在していたのである。

ミス・マープルの手腕を高く評価している警察の上層部から、クラドック警部は、事件の真相解明のために、ミス・マープルに協力を求めるよう、指示される。クラドック警部からの依頼を受けたミス・マープルは、驚くべき事件の真相を明らかにする。


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