2023年5月10日水曜日

アガサ・クリスティー作「白昼の悪魔」<英国 TV ドラマ版>(Evil Under the Sun by Agatha Christie )- その1

第48話「白昼の悪魔」が収録された
エルキュール・ポワロシリーズの DVD コレクション No. 5 の表紙


アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)作「白昼の悪魔(Evil Under the Sun)」(1941年)の TV ドラマ版が、英国の TV 会社 ITV 社による制作の下、「Agatha Christie’s Poirot」の第48話(第8シリーズ)として、2001年4月20日に放映されている。英国の俳優であるサー・デイヴィッド・スーシェ(Sir David Suchet:1946年ー)が、名探偵エルキュール・ポワロを演じている。ちなみに、日本における最初の放映日は、2002年1月1日である。


英国 TV ドラマ版における主な登場人物(エルキュール・ポワロを除く)と出演者は、以下の通り。なお、順番は、エンディングの出演者順。


<ポワロの協力者>

(1)アーサー・ヘイスティングス大尉(Captain Arthur Hastings):Hugh Fraser

(2)ジャップ主任警部(Chief Inspector Japp):Philip Jackson

(3)ミス・レモン(Miss Lemon):Pauline Moran


<ホテルの宿泊客>

(4)パトリック・レッドファン(Patrick Redfern - フリーランスのジャーナリスト / アリーナ・マーシャルと不倫関係にある):Michael Higgs

(5)クリスティーン・レッドファン(Christine Redfern - 元教師で、パトリックの妻 / 夫の不倫のため、アリーナ・マーシャルを恨んでいる):Tamzin Malleson

(6)アリーナ・ステュアート・マーシャル(Arlena Stuart Marshall - 美貌の元女優 / 実業家ケネス・マーシャルの後妻)

(7)スティーヴン・レーン(Stephen Lane - 元牧師):Tim Meats

(8)ロザモンド・ダーンリー(Rosamund Darnley - ドレスメーカー / 以前、ケネス・マーシャルと交際していた):Marsha Fitzalan

(9)エミリー・ブルースター(Emily Brewster - スポーツが趣味 / 以前、投資話でアリーナ・マーシャルに損害を負わされたため、彼女を恨んでいる):Carolyn Pickles

(10)ケネス・マーシャル(Kenneth Marshall - 実業家 / 以前、ロザモンド・ダーンリーと交際していたが、アリーナ・マーシャルと結婚):David Mallinson

(11)ライオネル・マーシャル(LLionel Marshall - ケネス・マーシャルの息子 / 継母のアリーナを疎ましく感じている):Russell Tovey

(12)バリー少佐(Major Barry - 退役将校):Ian Thompson

(13)ホーレス・ブラット(Horace Blatt - ヨットが趣味):David Timson


<ホテルの経営者 / 従業員>

(14)ミセス・カースル(Mrs. Castle - ホテルの女主人):Rosalind March

(15)グラディス・ナラコット(Gladys Naracott):Rebecca Johnson


<ブラックリッジ(Blackridge)警察の捜査官>

(16)チャールズ・ウェストン主任警部(Chief Inspector Charles Weston):Roger Alborough


アガサ・クリスティーの原作に比べると、英国 TV ドラマ版における登場人物には、以下の違いが見受けられる。


*原作には出てこないアーサー・ヘイスティングス大尉、ジャップ主任警部とミス・レモンが、英国 TV ドラマ版に登場する。ヘイスティングス大尉は、アリーナ・マーシャルの殺人事件が発生する前から、ポワロと一緒に、ホテルに滞在して、ポワロの捜査を手助けする。ジャップ主任警部は、アリーナ・マーシャルの殺人事件が発生した後、スコットランドヤードから派遣されて、ホテルへと到着する。ミス・レモンの場合、アリーナ・マーシャルの殺人事件が発生した時点では、ロンドンに居て、ポワロからの指示に基づいて、ロンドンにおいて、アリーナ・マーシャルの取引銀行を訪ねたり、また、ブラックリッジへ出張して、アリス・コリガン(Alice Corrigan)の殺人事件を調べたりして、ポワロが真相を究明するのに役立つ。


*原作の場合、アリーナ・マーシャル殺害の容疑者となるホテルの宿泊客の数が非常に多いため、英国 TV ドラマ版の場合、ホテルの宿泊客が整理されており、ストーリー上、あまり重要ではない「オーデル・C・ガードナー(Odell C. Gardener - 米国人)」と「キャリー・ガードナー(Carrie Gardener - オーデルの妻)」の二人は、登場しない。


*原作の場合、実業家ケネス・マーシャルの子供は、リンダ・マーシャル(Linda Marshall)と言う娘であるが、英国 TV ドラマ版の場合、ライオネル・マーシャルと言う息子に変更されている。


*原作の場合、アリーナ・マーシャルの殺人事件について、デヴォン州(Devon)警察の本部長(Chief Constable)であるウェストン大佐(Colonel Weston)が、捜査を指揮する。一方、英国 TV ドラマ版の場合、スコットランドヤードからジャップ主任警部が派遣される関係上、登場するものの、ポワロの指示に基づいて、ミス・レモンがブラックリッジへ出張して、アリス・コリガンの殺人事件を調べる際に、駅で彼女を出迎えて、調査を手助けする地元の捜査官へと変更されている。彼の肩書きは、「(デヴォン州)警察本部長」から「(ブラックリッジ警察)主任警部」へと変えられている。また、原作の場合、彼の名前については、言及されていないが、英国 TV ドラマ版の場合、「チャールズ」と言う名前が与えられている。


*原作の場合、デヴォン州警察の捜査関係者として、コルゲート警部(Inspector Colgate)や検死医のニースデン医師(Dr. Neasden)等が登場するが、英国 TV ドラマ版の場合、ジャップ主任警部が登場する関係上、割愛されている。


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