2023年5月9日火曜日

シェイクスピアの世界<ジグソーパズル>(The World of Shakespeare )- その3

英国の Laurence King Publishing Group Ltd. より、2020年に発売されたジグソーパズル「シェイクスピアの世界(The World of Shakespeare)」には、のイラスト内には、イングランドの劇作家 / 詩人であるウィリアム・シェイクスピア(William Shakespeare:1564年ー1616年)や彼が生きた時代の人物、彼の劇が上演されたグローブ座、そして、彼が発表した史劇、悲劇や喜劇に登場するキャラクター等が散りばめられているので、前回に続き、順番に紹介していきたい。


今回紹介するのは、ウィリアム・シェイクスピア作の喜劇「夏の夜の夢(A Midsummer Night’s Dream)」(1595年ー1596年)である。

今回は、「その1」となる。


アテナの公爵シーシアス(Theseus)とアマゾン国の女王ヒポリタ(Hippolyta)の結婚式が間近に迫っている夏至の日に、物語は始まる。


ジグソーパズルの左上の部分にある森深くに、2組のカップルが描かれている。
おそらく、左側のカップルがハーミア(左側の女性)とライサンダー(右側の男性)で、
右側のカップルがディミートリアス(左側の男性)とヘレナ(右側の女性)だと思われる。


貴族イジーアス(Egeus)の娘ハーミア(Hermia)は、ライサンダー(Lysander)と恋仲であるが、イジーアスはライサンダーを嫌っており、ハーミアをディミートリアス(Demetrius)と結婚させようとする。当然のことながら、ハーミアは、ディミートリアスとの結婚を聞き入れないため、父親のイジーアスは、「父の言いつけに従わない娘は、死刑に処する。」と言う古い法律に則り、アテナ公シーシアスに対して、娘ハーミアの死刑執行を申し出た。


イジーアスからの申し出に悩んだアテナ公シーシアスは、自分の結婚式までの4日間を猶予期間として、ハーミアに対し、ディミートリアスとの結婚、それとも、自らの死刑のいずれを選ぶのかを決めるように伝えた。


どうするべきか困ったハーミアは、夜に屋敷を抜け出して、アテナ近郊の森で、ライサンダーに会うことにした。ハーミアは、友人のヘレナ(Helena)に対して、自分の計画を打ち明ける。

ハーミアの友人であるヘレナは、実は、ハーミアの許嫁となったディミートリアスを愛していたため、ハーミアがどちらを選択するのか、非常に気になったヘレナは、ハーミアとライサンダーの二人を追って、森へと向かった。ヘレナは、ハーミアに思いを寄せるディミートリアスも、二人の後を追って、森へ行くものと予想したからである。


こうして、まず最初に、ハーミア、ライサンダー、ヘレナとディミートリアスの4人が、森へと向かった。


彼らとは別に、(1)職工のニック・ボトム(Nick Bottom)、(2)大工のピーター・クインス(Peter Quince)、(3)オルガン修理屋のフランシス・フルート(Francis Flute)、(4)仕立て屋のロビン・スターヴェリング(Robin Starveling)、(5)鋳掛け屋のトム・スナウト(Tom Snout)と(6)指物師のスナッグ(Snug)の6人は、シーシアスとヒポリタの結婚式で演じるお祝いの芝居を練習するため、同じく、その夜、森に集合する予定だった。


かくして、全員で10人の人間が、夏至の夜、アテナ近郊の森へと向かうことになった。彼らが向かった森は、実は、妖精達が集う場所だった。


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