2023年4月6日木曜日

拳銃を持ったシャーロック・ホームズ - その3

サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年-1930年)が執筆したシャーロック・ホームズシリーズにおいて、拳銃を持ったシャーロック・ホームズの挿絵につき、紹介したい。

また、ホームズに加えて、ジョン・H・ワトスンや他の登場人物が拳銃を持った挿絵も掲載する。


今回は、ホームズシリーズの第2短編集「シャーロック・ホームズの回想(The Memoirs of Sherlock Holmes)」と第3長編「バスカヴィル家の犬(The Hound of the Baskervilles)」に収録されている挿絵について、紹介する。

挿絵を担当しているのは、挿絵画家であるシドニー・エドワード・パジェット(Sidney Edward Paget:1860年ー1908年)である。


(5)「最後の事件(The Final Problem → 2022年5月1日 / 5月8日 / 5月11日付ブログで紹介済)」


英国で出版された「ストランドマガジン」
1893年12月号に掲載された挿絵 -
1891年4月24日の朝、
ベーカーストリート221B(221B Baker Street)の
シャーロック・ホームズの元を訪れた
「犯罪会のナポレオン(Napoleon of crime)」こと、
ジェイムズ・モリアーティー教授(Professor Jame Moriarty)は、
ホームズに対して、自分から手を引くように告げたが、
ホームズは、これをキッパリと断った。
コナン・ドイルの原作では、
「瞬時に、僕は机の引き出しから回転式連発拳銃を取り出して、
ポケットの中に入れると、
服の中から、彼(ジェイムズ・モリアーティー教授)に対して、銃口を向けていた。
彼の話を聞いた僕は、
拳銃をポケットから引き出して、撃鉄を起こしたまま、
テーブルの上に置いた。
(In an instant I had slipped the revolver from the drawer into my pocket,
and was covering him through the cloth.
At his remark I drew the weapon out and laid it cocked upon the table.)」と記されている。

挿絵:シドニー・エドワード・パジェット(1860年ー1908年)


「最後の事件」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、24番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」の1893年12月号に、また、米国では、「マクルーアマガジン(McClure’s Magazine)」の1893年12月号に掲載された。

同作品は、1893年に発行されたホームズシリーズの第2短編集「シャーロック・ホームズの回想」に収録されている。


(6)「バスカヴィル家の犬」


英国で出版された「ストランドマガジン」
1902年4月号に掲載された挿絵 -
第14章「バスカヴィル家の犬(The Hound of the Baskervilles)」
サー・ヘンリー・バスカヴィル(Sir Henry Baskervilles)に対して
襲い掛かる黒い魔犬の脇腹に向けて、
シャーロック・ホームズは、回転式連発拳銃から、
立て続けに、5発の銃弾を撃ち込んだ。
(Holmes had emputied five barrels of his revolver into the creature's flank.)
画面左側から、ジョン・H・ワトスン、
ホームズ、サー・ヘンリー・バスカヴィル、
そして、伝説の黒い魔犬。
挿絵:シドニー・エドワード・パジェット(1860年ー1908年)


「バスカヴィル家の犬」は、ホームズシリーズの長編小説4作のうち、3番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1901年8月号から1902年4月号にかけて連載された後、単行本化された。

英国で出版された「ストランドマガジン」
1902年4月号に掲載された挿絵 -
第14章「バスカヴィル家の犬(The Hound of the Baskervilles)」
闇夜の中で黒い魔犬が発光していたのは、
「燐(phosphorus)」が塗られているためだと、
ジョン・H・ワトスンは悟った。
画面左側から、
スコットランドヤードのレストレード警部(Inspector Lestrade)、
ワトスン、シャーロック・ホームズ、
そして、伝説の黒い魔犬。
ホームズ、ワトスンとレストレード警部の全員が、
拳銃を手にしている。

挿絵:シドニー・エドワード・パジェット(1860年ー1908年)

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