2023年4月1日土曜日

拳銃を持ったシャーロック・ホームズ - その1

サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年-1930年)が執筆したシャーロック・ホームズシリーズにおいて、拳銃を持ったシャーロック・ホームズの挿絵につき、紹介したい。また、ホームズに加えて、ジョン・H・ワトスンや他の登場人物が拳銃を持った挿絵も掲載する。


ジグソーパズル「シャーロック・ホームズの世界(The World of Sherlock Holmes)」において、
公園の噴水と柵の間の芝生の上に、
拳銃が置かれている。


今回は、1892年に発行されたホームズシリーズの第1短編集「シャーロック・ホームズの冒険(The Adventures of Sherlock Holmes)」に収録されている挿絵について、紹介する。

挿絵を担当しているのは、挿絵画家であるシドニー・エドワード・パジェット(Sidney Edward Paget:1860年ー1908年)である。


(1)「赤毛組合(The Red-Headed League → 2022年9月25日 / 10月9日 / 10月11日 / 10月16日付ブログで紹介済)」


英国で出版された「ストランドマガジン」
1891年8月号に掲載された挿絵 -

フランス金貨を強奪するために、
ジェイベス・ウィルスンが営む質屋の地下室から掘ったトンネルを通って、
City and Suburban Bank のコーブルク支店(Coburg branch)の地下金庫室へと侵入した
ヴィンセント・スポールディング(Vincent Spaulding)こと、
ジョン・クレイ(John Clay)を
待ち構えていたシャーロック・ホームズが捕らえる。
コナン・ドイルの原作では、「回転式連発拳銃の銃身がキラリと光ったが、
ホームズの狩猟鞭がジョン・クレイの手首を打ち据えると、
拳銃は、石の床の上に、音を立てて落ちた。
(The light flashed upon the barrel of a revolver,
but Holmes's hunting-crop came down on the man's wrist and
the pistol clinked upon the stone floor.)」と記されている。
従って、挿絵上の拳銃の持ち主は、ジョン・クレイである。
石の床の上に落ちている拳銃の左側には、
ホームズの狩猟鞭も落ちている。
挿絵:シドニー・エドワード・パジェット
(1860年 - 1908年)


「赤毛組合」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、2番目に発表された作品で、英国の「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」の1891年8月号にに掲載された。

同作品は、1892年に発行されたホームズシリーズの第1短編集「シャーロック・ホームズの冒険」に収録されている。


(2)「ボスコム谷の謎(The Boscombe Valley Mystery)」


英国で出版された「ストランドマガジン」
1891年10月号に掲載された挿絵(その1) -

6月3日(月)の午後、
助けを求めるジェイムズ・マッカーシー(James McCarthy)に連れられて、
ボスコム谷農園の番小屋管理人の妻と娘が、
ボスコム池(Boscombe Pool)の近くへ行ってみると、
彼の父親であるチャールズ・マッカーシー(Charles McCarthy)が、
頭部を何か重たい鈍器のようなもので、何度も打たれて、殺されていた。
凶器は、死体の側に落ちていた
息子のジェイムズの猟銃の台座でつけられたものと思われた。
画面手前より、チャールズ・マッカーシー、
息子のジェイムズ・マッカーシー、番小屋管理人の妻、
そして、番小屋管理人の娘ペイシェンス・モラン(Patience Moran)。
挿絵:シドニー・エドワード・パジェット
(1860年 - 1908年)

英国で出版された「ストランドマガジン」
1891年10月号に掲載された挿絵(その2) -
ジェイムズ・マッカーシーは、
父親のチャールズ・マッカーシーの殺害について、無罪を出張。
彼によると、猟銃を持って、
ボスコム池の向かい側にあるウサギの飼育場へと出かけた、とのこと。
ボスコム池の近くで父親に出会い、
何故か、非常に驚いた父親と激しいやりとりになったため、
ジェイムズ・マッカーシーは、ハザリー農場(Hatherley Farm)へと戻ろうと、
一旦、その場を離れたが、
少しすると、後ろで恐ろしい悲鳴が聞こえたので、
急いで駆け戻ったところ、
頭部に酷い傷を負った父親は、虫の息だった。
ジェイムズ・マッカーシーが、猟銃を落として、
倒れている父親を腕に抱きかかえたが、
残念ながら、父親は息を引き取ったのだと、彼は証言していた。
挿絵:シドニー・エドワード・パジェット
(1860年 - 1908年)


「ボスコム谷の謎」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、4番目に発表された作品で、「ストランドマガジン」の1891年10月号に掲載された。

同作品は、ホームズシリーズの第1短編集である「シャーロック・ホームズの冒険」(1892年)に収録された。


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