2023年4月17日月曜日

拳銃を持ったシャーロック・ホームズ - その6

サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年-1930年)が執筆したシャーロック・ホームズシリーズにおいて、拳銃を持ったシャーロック・ホームズの挿絵につき、紹介したい。

また、ホームズに加えて、ジョン・H・ワトスンや他の登場人物が拳銃を持った挿絵も掲載する。


今回は、ホームズシリーズの第4短編集である「シャーロック・ホームズ最後の挨拶(His Last Bow)」に収録されている挿絵に関して、紹介する。


ホームズシリーズの第1短編集「シャーロック・ホームズの冒険(The Adventures of Sherlock Holmes)」(1892年)、第2短編集「シャーロック・ホームズの回想(The Memoirs of Sherlock Holmes)」(1893年)、第3長編「バスカヴィル家の犬(The Hound of the Baskervilles)」1901年8月ー1902年4月)、そして、第3短編集「シャーロック・ホームズの帰還(The Return of Sherlock Holmes)」(1905年)まで挿絵を担当していた挿絵画家であるシドニー・エドワード・パジェット(Sidney Edward Paget:1860年ー1908年)は、1908年1月28日に亡くなったため、第4短編集「シャーロック・ホームズ最後の挨拶」に収録されている作品の挿絵は、基本的に、他のイラストレーターによる挿絵となっている。


(12)「ブルース・パーティントン型設計図(The Bruce-Partington Plans)


英国で出版された「ストランドマガジン」
1908年12月号に掲載された挿絵 -
ケンジントン地区(Kensington)の
コールフィールドガーデンズ13番地(13 Caulfield Gardens →
2016年4月16日付ブログで紹介済)に住む
ヒューゴ・オーバーシュタイン(Hugo Oberstein)の元を訪れた
潜水艦局の局長(the head of the Submarine Department)である
ヴァレンタイン・ウォルター大佐(Colonel Valentine Walter)を、
待ち構えていたシャーロック・ホームズが取り押さえる場面が描かれている。
画面手前の人物は、左側から、
マイクロフト・ホームズ(Mycroft Holmes)、シャーロック・ホームズ、
そして、ヴァレンタイン・ウォルター大佐で、
画面奥の人物は、左側から、
スコットランドヤードのレストレード警部(Inspector Lestrade)と
ジョン・H・ワトスンだと思われる。
コナン・ドイルの原作において、特に言及されていないが、
挿絵上、ヴァレンタイン・ウォルター大佐は、
右手に拳銃のようなものを持っているように見える。


「ブルース・パーティントン型設計図」は、シャーロック・ホームズシリーズの短編小説56作のうち、39番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」の1908年12月号に、また、米国では、「コリアーズ ウィークリー(Collier’s Weekly)」の1908年12月18日号に掲載された。
同作品は、1917年に出版されたホームズシリーズの第4短編集「シャーロック・ホームズ最後の挨拶」に収録されている。


(13)「レディー・フランシス・カーファックスの失踪(The Disappearance of Lady Frances Carfax)」


英国で出版された「ストランドマガジン」
1911年12月号に掲載された挿絵 -

ジョン・H・ワトスンを連れて、
ポルトニースクエア(Poultney Square)内の家を訪れた
シャーロック・ホームズが、
スイスで消息を絶ったレディー・フランシス・カーファックスの居所を突き止めるために、
その家に居たシュレジンジャー医師(Dr. Shlessinger)こと、
ヘンリー・ピーターズ(Henry Peters)に対峙する場面が描かれている。
画面左側から、ワトスン、ホームズ、そして、ヘンリー・ピーターズ。
ホームズは、上着の右ポケットから、
回転式連発拳銃(Revolver)を半分引き出して、
ヘンリー・ピーターズを威嚇している。


レディー・フランシス・カーファックスの失踪」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、42番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1911年12月号に、また、米国では、「アメリカン(American)」の1911年12月号に掲載された。
同作品は、1917年に出版されたホームズシリーズの第4短編集「シャーロック・ホームズ最後の挨拶」に収録されている。


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