2023年3月15日水曜日

パイプを咥えたシャーロック・ホームズ - その7

サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年-1930年)が執筆したシャーロック・ホームズシリーズにおいて、パイプを咥えたシャーロック・ホームズの挿絵について、引き続き、紹介したい。


今回も、ホームズシリーズの第4短編集である「シャーロック・ホームズ最後の挨拶(His Last Bow)」に収録されている挿絵に関して、紹介する。


ホームズシリーズの第1短編集「シャーロック・ホームズの冒険(The Adventures of Sherlock Holmes)」(1892年)、第2短編集「シャーロック・ホームズの回想(The Memoirs of Sherlock Holmes)」(1893年)、第3長編「バスカヴィル家の犬(The Hound of the Baskervilles)」1901年8月ー1902年4月)、そして、第3短編集「シャーロック・ホームズの帰還(The Return of Sherlock Holmes)」(1905年)まで挿絵を担当していた挿絵画家であるシドニー・エドワード・パジェット(Sidney Edward Paget:1860年ー1908年)は、1908年1月28日に亡くなったため、後述するが、第4短編集「シャーロック・ホームズ最後の挨拶」に収録されている作品の挿絵は、基本的に、他のイラストレーターによる挿絵となっている。


当時、柄がまっすぐとなったパイプが一般的に使用されていたことを示すために、ホームズに加えて、他の登場人物の挿絵も掲載する。


(21)「赤い輪(The Red Circle)」


英国で出版された「ストランドマガジン」
1911年3月号に掲載された挿絵 -
シャーロック・ホームズは、女家主であるウォレン夫人(Mrs. Warren)から、
「部屋を貸した男が、10日間も部屋から全く出ようとせず、
姿も見せないので、とても不安だ。」と言う相談を受ける。
その男は、食事については、ベルを鳴らしたら、
部屋のドアの横に置いた椅子の上に置くように指示した他、
必要なもの(石鹸、マッチや新聞等)に関しては、
それらを書いた紙をおいて置くと言うように、
非常に奇妙な賃借人だった。
ホームズは、柄が真っ直ぐになったパイプを左手に持って、
椅子に腰掛けている。
挿絵:H・M・ブロック


「赤い輪」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、41番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」の1911年3月号 / 4月号に、また、米国でも、米国版の「ストランドマガジン」の1911年4月号 / 5月号に掲載された。

同作品は、1917年に発行されたホームズシリーズの第4短編集である「シャーロック・ホームズ最後の挨拶」に収録されている。


(22)「ブルース・パーティントン型設計図(The Bruce-Partington Plans)」


英国で出版された「ストランドマガジン」
1908年12月号に掲載された挿絵 -
1895年11月第3週の
濃く茶色い霧がロンドンを覆っていた木曜日、
面白い事件が全くないためにイライラしていたシャーロック・ホームズの元に、
彼の兄であるマイクロフト・ホームズ(Mycroft Holmes)から電報が届く。
火曜日の朝、地下鉄オルドゲート駅(Aldgate Tube Station)近くの線路で
死体となって発見されたアーサー・カドガン・ウェスト
(Arthur Cadogan West)の件で、相談があるとのことだった。
画面左側から、シャーロック・ホームズ、ジョン・H・ワトスン、
そして、マイクロフト・ホームズ。
ホームズは、柄が真っ直ぐになったパイプを右手に持って、椅子に腰掛けている

ブルース・パーティントン型設計図」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、39番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1908年12月号に、また、米国でも、「コリアーズ ウィークリー(Collier’s Weekly)」の1908年12月18日号に掲載された。

同作品は、ホームズシリーズの第4短編集である「シャーロック・ホームズ最後の挨拶」(1917年)に収録されている。


(23)「悪魔の足(The Devil’s Foot)」


英国で出版された「ストランドマガジン」
1910年12月号に掲載された挿絵 -
1897年の春(3月)、
過労と不摂生で健康を害していたシャーロック・ホームズは、
ジョン・H・ワトスンに連れられて、
コンウォール州(Cornwall)へ転地療養に来ていた。
ホームズは、柄が真っ直ぐになったパイプを口に咥えて、散歩している
挿絵:ギルバート・ホリデイ(Gilbert Holiday 1879年 - 1937年) 


悪魔の足」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、40番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1910年12月号に、また、米国でも、米国版の「ストランドマガジン」の1911年1月号 / 2月号に掲載された。

同作品は、ホームズシリーズの第4短編集である「シャーロック・ホームズ最後の挨拶」(1917年)に収録されている。 


英国で出版された「ストランドマガジン」
1910年12月号に掲載された挿絵 -
朝食を終えたばかりのシャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンの元を、
コテージ近くのトレダニックウォラス(Tredannick Wollas)村の
ラウンドヘイ牧師(Mr. Roundhay)と
牧師館に間借りしているモーティマー・トレゲニス(Mr. Mortimer Tregennis)の二人が、
突然、訪ねて来る。
画面左側から、ワトスン、ホームズ、
モーティマー・トレゲニス、そして、ラウンドヘイ牧師。
ホームズは、柄が真っ直ぐになったパイプを右手に持って、椅子に腰掛け、
ラウンドヘイ牧師の話を聴いている最中である

挿絵:ギルバート・ホリデイ(1879年 - 1937年)
 

英国で出版された「ストランドマガジン」
1910年12月号に掲載された挿絵 -
謎の死を遂げたモーティマー・トレゲニスの殺害犯として、
シャーロック・ホームズは、有名なアフリカ探検家である
レオン・スターンデイル博士(Dr. Leon Sterndale)を名指しする。
ホームズは、柄が真っ直ぐになったパイプを右手に持って、
レオン・スターンデイル博士に対して、
自分の推理を話して聴かせている

挿絵:ギルバート・ホリデイ(1879年 - 1937年)

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