2024年2月29日木曜日

アラン・アレクサンダー・ミルン作「赤い館の秘密」(The Red House Mystery by Alan Alexander Milne)- その2

英国の Penguin Random House UK 社から
2023年に刊行されている
 
Vintage Classics シリーズの1冊である
アラン・アレクサンダー・ミルン作「赤い館の秘密」の表紙
(Cover illustration by Nick Hayes)


ロンドンのキルバーン(Kilburn)生まれのスコットランド人で、児童文学作家、劇作家、そして、詩人として有名なアラン・アレクサンダー・ミルン(Alan Alexander Milne:1882年ー1956年)作「赤い館の秘密(The Red House Mystery)」(1921年に発表+1922年に単行本化)では、英国のカントリーサイドにある「赤い館(The Red House)」と呼ばれる屋敷において、事件が発生する。


その「赤い館」には、主人のマーク・アブレット(Mark Ablett)と彼の従兄弟であるマシュー・ケイリー(Matthew Cayley)が住んでいた。

マーク・アブレットは、ケンブリッジ(Cambridge)からロンドンに出て来て、事業で成功を収めると、「赤い館」を購入。また、彼は、お金を出して、マシュー・ケイリーをケンブリッジ大学(Cambridge University)を卒業させた後、自分の屋敷の管理を任せていた。マシュー・ケイリーは、現在、28歳であるが、外見は40歳位に老けて見えた。


その日、マーク・アブレットは、屋敷内でハウスパーティーを催しており、マシュー・ケイリーが、いろいろと段取りを進めていた。

マーク・アブレットのゲストは、以下の通り。


(1)キャラダイン夫人(Mrs. Calladine)/ 画家であるジョン・キャラダイン(John Calladine)の未亡人

(2)エリザベス・キャラダイン(Elizabeth Calladine - 愛称:ベティー(Betty))/ キャラダイン夫人の18歳の娘

(3)ラムボルド少佐(Major Rumbold)/ 退役軍人

(4)ルース・ノリス(Miss Ruth Norris)/ 女優

(5)ウィリアム・ベヴァリー(William Beverley - 愛称:ビル(Bill))/ ロンドンから招かれた青年


エリザベス・キャラダイン、ラムボルド少佐、ルース・ノリスとウィリアム・べヴァリーの4人は、今日の午前中、ゴルフをする予定で、キャラダイン夫人も、娘の付き添いで一緒に出かけることになっていた。

午前10時半に、車が彼ら5人を迎えに「赤い館」へ来る手筈が、マシュー・ケイリーによって為されていた。


朝食の席に一番最後にやって来たマーク・アブレットが、紅茶とトーストを手にして、席に座ると、今朝届いた手紙の束を確認していた際、突然、大きな声をあげた。

朝食の席に居た皆が、驚いて、マーク・アブレットの方を見ると、彼は、「自分の兄で、アブレット家の厄介者(the black sheep of the family)であるロバート・アブレット(Robert Ablett)が、15年振りにオーストラリアから英国に戻って来ていて、今日の午後、自分を訪ねて来るんだ。」と言う。


同じ頃、素人探偵(private sleuthhound)のアントニー・ギリンガム(Anthony Gillingham)が、ウッダム駅(Woodham Station)で下車する。彼の友人で、「赤い館」に宿泊しているウィリアム・べヴァリーに会うために、やって来たのである。

アントニー・ギリンガムは、駅近くの宿屋「The Georges」に宿をとり、宿屋の主人から「ここから「赤い館」まで、歩いて約1マイル。」と言う話を聞くと、徒歩で「赤い館」へと向かった。 

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