2024年2月17日土曜日

シャーロック・ホームズのトランプ(Sherlock Holmes - Playing Cards)- その14

英国の Laurence King Publishing Group Ltd. より、一昨年(2022年)に発行されたシャーロック・ホームズをテーマにしたトランプの各カードについて、前回に引き続き、紹介したい。


(49)K ❤️「ジョン・H・ワトスン(Dr. John H. Watson)」



ジョン・H・ワトスンは、諮問探偵業を行うシャーロック・ホームズの相棒かつ事件記録者で、発表順で言うと、「緋色の研究(A Study in Scarlet
→ 2016年7月30日付ブログで紹介済)」(1887年)から「ショスコム荘(Shoscombe Old Place)」(1927年)まで、また、事件発生年順で言うと、「緋色の研究」(1881年)から「最後の挨拶(His Last Bow → 2021年6月3日付ブログで紹介済)」(1914年)まで登場する。

英国で出版された「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」
1891年7月号「ボヘミアの醜聞に掲載された挿絵 -

結婚して、開業医に戻ったジョン・H・ワトスンは、
1888年3月20日の夜、
往診の帰り道、久し振りに
ベーカーストリート221B(221B Baker Street →
2014年6月22日 / 6月29日付ブログで紹介済)の
シャーロック・ホームズの元を訪ねた。
画面左側の人物がワトスンで、画面右側の人物はホームズ。
挿絵:シドニー・エドワード・パジェット
(Sidney Edward Paget:1860年 - 1908年)


登場作品

<長編>

*「緋色の研究」- ホームズシリーズの記念すべき第1作目で、英国では、「ビートンのクリスマス年鑑(Beeton’s Christmas Annual)」(1887年11月)に掲載された後、単行本化。

*「四つの署名(The Sign of the Four → 2017年8月12日付ブログで紹介済)」- 「リピンコット・マンスリー・マガジン(Lippincott’s Monthly Magazine)」の1890年2月号に掲載された後、単行本化。

*「バスカヴィル家の犬(The Hound of the Baskervilles)」- 「ストランドマガジン」1901年8月号から1902年4月号にかけて連載された後、単行本化。

*「恐怖の谷(The Valley of Fear)」-「ストランドマガジン」1914年9月号から1915年5月号にかけて連載された後、単行本化。

<短編集>

*「シャーロック・ホームズの冒険(The Adventures of Sherlock Holmes)」(1892年)

*「シャーロック・ホームズの回想(The Memoirs of Sherlock Holmes)」(1893年)

*「シャーロック・ホームズの帰還(The Return of Sherlock Holmes)」(1905年)

*「シャーロック・ホームズ最後の挨拶(His Last Bow)」(1917年)

*「シャーロック・ホームズの事件簿(The Case-Book of Sherlock Holmes)」(1927年)


なお、「グロリア・スコット号事件(The Gloria Scott → 2021年9月25日 /10月3日 / 10月10日付ブログで紹介済)」と「マスグレイヴ家の儀式書(The Musgrave Ritual)」については、ワトスンがホームズと出会う前の事件のため、ワトスンは登場しない。


また、「白面の兵士(The Blanched Soldier → 2022年9月3日 / 9月6日 / 9月21日付ブログで紹介済)」とライオンのたてがみ(The Lion’s Mane → 2023年6月29日 / 7月6日 / 7月8日付ブログで紹介済)」に関しては、ホームズ自身が解決した事件を回想する体裁を採っているので、ワトスンは登場しない。


(50)K ♠️「セバスチャン・モラン大佐(Colonel Sebastian Moran)



セバスチャン・モラン大佐は、「空き家の冒険(The Empty House → 2022年5月27日 / 7月1日 / 7月10日 / 7月17日 / 7月24日 / 7月29日 / 8月3日 / 8月6日付ブログで紹介済)に登場する人物で、「犯罪界のナポレオン(Napoleon of crime)」と呼ばれるジェイムズ・モリアーティー教授(Professor James Moriarty)の部下で、かつ、彼の右腕を務めている。


英国で出版された「ストランドマガジン」
1903年10月号「空き家の冒険」に掲載された挿絵 -
ベーカーストリート221Bの向かい側に建つ
カムデンハウス(Camden House)から、
ロンドンに帰還したシャーロック・ホームズを狙撃しようと、
「犯罪界のナポレオン」と呼ばれた
ジェイムズ・モリアーティー教授の部下で、
彼の右腕でもあるセバスチャン・モラン大佐が、
カムデンハウスへとやって来た。
ジョン・H・ワトスンの目には、
セバスチャン・モラン大佐が手に持っているものが、
杖(stick)のように見えたが、
実際には、空気銃(air-gun)だった。
挿絵:シドニー・エドワード・パジェット

(1860年 - 1908年)

「空き家の冒険」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、25番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1903年10月号に、また、米国では、「コリアーズ ウィークリー(Collier’s Weekly)」の1903年9月26日号に掲載された。

また、同作品は、1905年に発行されたホームズシリーズの第3短編集「シャーロック・ホームズの帰還(The Return of Sherlock Holmes)」に収録されている。


(51)K ♦️「ジェイベス・ウィルスン(Jabez Wilson)」



1890年の秋、ジョン・H・ワトスンがベーカーストリート221Bのシャーロック・ホームズの元を訪れると、彼は燃えるような赤毛の初老の男性ジェイベス・ウィルスンから相談を受けている最中であった。


ジェイベス・ウィルスンは、ロンドンの経済活動の中心地であるシティー(City → 2018年8月4日 / 8月11日付ブログで紹介済)近くにあるザクセンーコーブルクスクエア(Saxe-Coburg Square → 2016年1月1日付ブログで紹介済)において質屋(pawnbroker)を営んでおり、非常に奇妙な体験をしたと言うので、ホームズとワトスンの二人は彼から詳しい事情を聞くことになった。


英国で出版された「ストランドマガジン」
1891年8月号「赤毛組合」に掲載された挿絵 -
1890年の秋、ジョン・H・ワトスンが
ベーカーストリート221Bのシャーロック・ホームズの元を訪れると、
彼は燃えるような赤毛の初老の男性ジェイベス・ウィルスンから相談を受けている最中であった。

挿絵:シドニー・エドワード・パジェット
(1860年 - 1908年)


「赤毛組合(The Red-Headed League → 2022年9月25日 / 10月9日 / 10月11日 / 10月16日付ブログで紹介済)」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、2番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1891年8月号にに掲載された。

また、同作品は、1892年に発行されたホームズシリーズの第1短編集「シャーロック・ホームズの冒険(The Adventures of Sherlock Holmes)」に収録されている。


(52)K ♣️レストレード警部(Inspector Lestrade)



レストレード警部は、アセルニー・ジョーンズ警部(Inspector Athelney Jones → 2024年x月x日付ブログで紹介済)、スタンリー・ホプキンス警部(Inspector Stanley Hopkins → 2024年x月x日付ブログで紹介済)およびトビアス・グレッグスン警部(Inspector Tobias Gregson  → 2024年x月x日付ブログで紹介済)と同じく、スコットランドヤードの警察官である。


レストレード警部のファーストネームは、不明であるが、「ボール箱(The Cardboard Box)」の中で、シャーロック・ホームズに宛てた手紙に、「G・レストレード(G. Lestrade)」と記されているので、頭文字だけは「G」だと判っている。


英国で出版された「ストランドマガジン」の
「バスカヴィル家の犬」に掲載された挿絵 -
第13章「網を張る(Fixing the Nets)」
事件がいよいよ大詰めを迎えたため、
シャーロック・ホームズは、
ロンドンからスコットランドヤードの
レストレード警部を現地へと呼び出した。
駅に到着した急行列車の一等車から、
レストレード警部が降りて来て、
ホームズと握手した。
画面左側から、レストレード警部、ホームズ、
そして、ジョン・H・ワトスン。
挿絵:シドニー・エドワード・パジェット(1860年ー1908年)


登場作品

<長編>

*「緋色の研究」

*「バスカヴィル家の犬」

<短編>

「ボスコム谷の謎(The Boscombe Valley Mystery)」- ホームズシリーズの短編小説56作のうち、4番目に発表された作品で、「ストランドマガジン」の1891年10月号に掲載された。

また、同作品は、1892年に発行されたホームズシリーズの第1短編集「シャーロック・ホームズの冒険」に収録されている。

*「独身の貴族(The Noble Bachelor)」- ホームズシリーズの短編小説56作のうち、10番目に発表された作品で、英国の「ストランドマガジン」の1892年4月号に掲載された。

また、同作品は、ホームズシリーズの第1短編集「シャーロック・ホームズの冒険」(1892年)に収録されている。

*「ボール箱」- ホームズシリーズの短編小説56作のうち、14番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1893年1月号に、また、米国でも、「ハーパーズ ウィークリー(Harper’s Weekly)」の1893年1月14日号に掲載された。

同作品は、英国の場合、ホームズシリーズの第4短編集「シャーロック・ホームズ最後の挨拶」(1917年)に、また、米国の場合、第2短編集「シャーロック・ホームズの回想」(1894年)に収録されている。

「空き家の冒険」

「ノーウッドの建築業者(The Norwood Builder)」- ホームズシリーズの短編小説56作のうち、26番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1903年11月号に、また、米国では、「コリアーズ ウィークリー」の1903年10月31日号に掲載された。

また、同作品は、1905年に発行されたホームズシリーズの第3短編集「シャーロック・ホームズの帰還」に収録されている。

*「チャールズ・オーガスタス・ミルヴァートン(Charles Augustus Milverton)」- ホームズシリーズの短編小説56作のうち、31番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1904年4月号に、また、米国では、「コリアーズ ウィークリー」の1904年3月26日号に掲載された。

また、同作品は、ホームズシリーズの第3短編集「シャーロック・ホームズの帰還」(1905年)に収録されている。

「六つのナポレオン像(The Six Napoleons)」- ホームズシリーズの短編小説56作のうち、32番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1904年5月号に、また、米国では、「コリアーズ ウィークリー」の1904年4月30日号に掲載された。

また、同作品は、ホームズシリーズの第3短編集「シャーロック・ホームズの帰還」(1905年)に収録されている。

*「第二のしみ(The Second Stain)」- ホームズシリーズの短編小説56作のうち、37番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1904年12月号に、また、米国では、「コリアーズ ウィークリー」の1905年1月28日号に掲載された。

また、同作品は、ホームズシリーズの第3短編集「シャーロック・ホームズの帰還」(1905年)に収録されている。

「ブルース・パーティントン型設計図(The Bruce-Partington Plans)」- ホームズシリーズの短編小説56作のうち、39番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1908年12月号に、また、米国では、「コリアーズ ウィークリー」の1908年12月18日号に掲載された。

また、同作品は、1917年に出版されたホームズシリーズの第4短編集「シャーロック・ホームズ最後の挨拶」に収録されている。

「レディー・フランシス・カーファックスの失踪(The Disappearance of Lady Frances Carfax)」- ホームズシリーズの短編小説56作のうち、42番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1911年12月号に、また、米国では、「アメリカン(American)」の1911年12月号に掲載された。

また、同作品は、ホームズシリーズの第4短編集「シャーロック・ホームズ最後の挨拶」(1917年)に収録されている。

三人ガリデブ(The Three Garridebs)」- ホームズシリーズの短編小説56作のうち、49番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1925年1月号に、また、米国でも、「コリアーズ ウィークリー」の1924年10月25日号に掲載された。

また、同作品は、1927年に発行されたホームズシリーズの第5短編集である「シャーロック・ホームズの事件簿」に収録されている。


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