2023年10月26日木曜日

パディントン <映画版>(Paddington )- その2

英国 / フランスによる共同制作の下、
2014年に実写アニメーション映画となった
「パディントン」の DVD 本体

英国の作家であるマイケル・ボンド(Michael Bond:1926年-2017年)作の児童文学「くまのパディントン(Paddington Bear)」シリーズの第1作目となる「くまのパディング(A Bear Called Paddington → 2023年9月26日付ブログで紹介済)」(1958年)をベースにして、英国 / フランスが共同制作した実写アニメーション映画「パディントン(Paddington)」(2014年)の場合、次のように、物語が展開する。


「暗黒の地ペルー(Darkest Peru)」へとやって来た英国人探検家(後に、モンゴメリー・クライド(Montgomery Clyde)であることが判明)は、そこで熊の夫婦に遭遇する。彼らの名前は、ルーシー(Lucy)とパストゥーゾ(Pastuzo)で、驚くべきことに、知性があり、マーマレードが大好きだった。

その熊の夫婦と意気投合した探検家は、「いつか、ロンドンを訪ねて

来なさい。いつもでも大歓迎する。」と言い残すと、約束のしるしとして、帽子を渡し、英国へと帰国した。

マイケル・ボンドの原作上、このような話はないので、映画独自の展開である。)


40年後、歳をとった熊の夫婦ルーシーとパストゥーゾは、探検家との約束通り、ロンドンへ行くことは叶わなかったが、親を亡くした甥と一緒に、暮らしていた。彼らの甥は、叔母 / 叔父夫婦から、探検家の話を聞いて、ロンドンへの憧れを抱いていた。

マイケル・ボンドの原作上、このような話はないので、映画独自の展開である。)


そんなある日、彼らが住む土地に、大地震が発生した。

彼らは地下シェルターへと逃げ込もうとするが、逃げ遅れた叔父のパストゥーゾは、倒れてきた樹木の下敷きになり、亡くなってしまう。

マイケル・ボンドの原作上、このような話はないので、映画独自の展開である。)


夫を亡くした叔母のルーシーは、「老熊ホーム(Home for Retired Bears)」への入居を決め、甥は、叔母に勧められて、新しい家を求め、探検家が居るロンドンへと向かうのであった。

(叔母のルーシーが、夫のパストゥーゾを亡くした件については、マイケル・ボンドの原作上、ないが、それ以降、映画版は、概ね原作に基づいた展開となる。)


ロンドンに着いた熊は、夜のパディントン駅(Paddington Station → 2014年8月3日付ブログで紹介済)において、途方に暮れていた

そこに、旅行から帰って来たブラウン一家が偶然通り掛かり、メアリー・ブラウン(Mary Brown)が、独りぼっちで途方に暮れていた熊に声を掛ける。熊から事情を聞いたメアリー・ブラウンは、駅の名前に因んで、彼を「パディントン(Paddington)」と名付けると、ウィンザーガーデンズ(Windsor Gardens)にある自分達の家へと招待すると、彼が自分の住処を見つけられるまで、家に住まわせてあげることにした。

ブラウン一家の主人であるヘンリー・ブラウン(Henry Brown)は、パディントンが言うことを今ひとつ信じておらず、彼としては、パディントンを自分達の家に泊めるのは、1日だけのつもりだった。一方、メアリー・ブラウン、長女のジュディー・ブラウン(Judy Brown)、長男のジョナサン・ブラウン(Jonathan Brown)、そして、ブラウン家住み込みの家政婦のバード夫人(Mrs. Bird)は、パディントンに好意的だった。

しかし、都会の暮らしに慣れていないパディントンは、階上のバスタブを溢れさせて、早速、騒動を引き起こしてしまい、早くも、ヘンリー・ブラウンから煙たがられる結果となった。

(映画版は、概ね原作に基づいた展開であるが、原作の場合、パディントンは、ブラウン一家の誰からも煙たがられていないが、映画版の場合、パディントンは、ブラウン家の主人であるヘンリー・ブラウンから煙たがられている。)


パディントンは、叔母のルーシーと叔父のストゥーゾが会った探検家の行方を探そうとするが、彼の名前が判らない上に、インターネット上にも、ペルーを探検した人物の記録は、全く存在していなかった。

メアリー・ブラウンの勧めで、骨董品屋を営むサミュエル・グルーバー(Samuel Gruber)の元を訪れたパディントンは、店から出て行く客が財布を落としたことに気付き、財布を返そうと、その客の後を追い掛ける。パディントンは、ロンドン市内中で一騒動を引き起こすが、なんとか客に追い付いたところ、驚くことに、その客は、スリの常習犯であるアンドレ(Andre)だった。

結果的に、スリを逮捕することになったパディントンは、一躍、ロンドン市内中のヒーローとなる。

マイケル・ボンドの原作上、このような話はないので、映画独自の展開である。)


パディントンの噂を聞いた自然史博物館(National History Museum)の剥製部長であるミリセント・クライド(Millicent Clyde)は、彼を剥製にしようと、彼の行方を探し始めた。

実は、彼女の父親であるモンゴメリー・クライドが、パディントンの叔母のルーシーと叔父のストゥーゾに遭遇した探検家で、知性がある熊を捕獲して、剥製にすることを拒んだ結果、地理学者協会から追放された上に、彼のそれまでの経歴も、全て抹消されてしまったのである。

彼女は、父親が地理学者協会から追放された結果、極貧生活を送る羽目となり、その恨みから、パディントンを剥製にしようと考えていたのだ。

マイケル・ボンドの原作上、このような話はないので、映画独自の展開である。)


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