2022年11月10日木曜日

アガサ・クリスティー作「アクロイド殺し」<英国 TV ドラマ版>(The Murder of Roger Ackroyd by Agatha Christie )- その1

第46話「アクロイド殺し」が収録された
エルキュール・ポワロシリーズの DVD コレクション No. 5 の表紙

アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)作「アクロイド殺し(The Murder of Roger Ackroyd)」(1926年)の TV ドラマ版が、英国の TV 会社 ITV 社による制作の下、「Agatha Christie’s Poirot」の第46話(第7シリーズ)として、2000年1月2日に放映されている。英国の俳優であるサー・デイヴィッド・スーシェ(Sir David Suchet:1946年ー)が、名探偵エルキュール・ポワロを演じている。ちなみに、日本における最初の放映日は、2000年12月30日である。


英国 TV ドラマ版における主な登場人物(エルキュール・ポワロを除く)と出演者は、以下の通り。


(1)ジャップ主任警部(Chief Inspector Japp - スコットランドヤードの警察官):Philip Jackson

(2)ジェイムズ・シェパード医師(Dr. James Sheppard - キングスアボット村の医師):Oliver Ford Davies

(3)ロジャー・アクロイド(Roger Ackroyd - 化学工場の経営者):Malcolm Terris

(4)キャロライン・シェパード(Caroline Sheppard - シェパード医師の姉):Selina Cadell

(5)アーシュラ・ボーン(Ursula Bourne - アクロイド家のメイド):Daisy Beaumont

(6)フローラ・アクロイド(Flora Ackroyd - ヴェラ・アクロイド夫人の娘):Flora Montgomery

(7)ジェフリー・レイモンド(Geoffrey Raymond - ロジャー・アクロイドの秘書):Nigel Cooke

(8)ラルフ・ペイトン(Ralph Paton - ロジャー・アクロイドの義子):Jamie Bamber

(9)ジョン・パーカー(John Parker - アクロイド家の執事):Roger Frost

(10)ヴェラ・アクロイド夫人(Mrs. Vera Ackroyd - ロジャー・アクロイドの義妹):Vivien Heilbron

(11)デイヴィス警部(Inspector Davis - キングスアボット警察の警察官):Gregor Truter

(12)ドロシー・フェラーズ夫人(Mrs. Dorothy Ferrars - キングスパドック荘の未亡人):Rosalind Bailey

(13)フォリオット夫人(Mrs. Folliott - 後に、アーシュラ・ボーンの姉と判明):Liz Kettle

(14)ハモンド氏(Mr. Hammon - ロジャー・アクロイドとドロシー・フェラーズ夫人の弁護士):Charles Simon

(15)ジョーンズ巡査(Constable Jones - キングスアボット警察の警察官):Charles Early

(16)パブのオーナー(Landlord):Graham China

(17)海軍士官(Naval Officer):Clive Brunt


(1)アガサ・クリスティーの原作では、登場しないが、英国 TV ドラマ版では、レギュラーとして登場。その代わりに、原作に登場する州警察本部長(Chief Constable)のメルローズ大佐(Colonel Melrose)は、英国 TV ドラマ版には登場しない。

(2)アガサ・クリスティーの原作では、キングスアボット村(Kings Abbot)に住む大富豪の地主という設定になっているが、英国 TV ドラマ版では、同村に所在する化学工場の経営者という設定に変更されている。

(3)アガサ・クリスティーの原作では、本作品の語り手となっているが、英国 TV ドラマ版では、主に、ポワロが本作品の語り手を務めている。

(4)アガサ・クリスティーの原作では、ジェイムズ・シェパード医師の姉という設定になっているが、英国 TV ドラマ版では、「sister」という表現しか使われていないものの、どちらかと言うと、ジェイムズ・シェパード医師の妹のように思われる。

(7)アガサ・クリスティーの原作では、明るくて、快活な青年という設定になっているが、英国 TV ドラマ版では、原作通り、ロジャー・アクロイドの秘書として務めているものの、権限がないにもかかわらず、化学工場において、ロジャー・アクロイドの代わりを行う等、かなりストレスが溜まっているような感じである。

(9)アガサ・クリスティーの原作では、アクロイド家の執事で、殺されることはないが、英国 TV ドラマ版では、原作通り、アクロイド家の執事であるものの、ロジャー・アクロイドを殺害した犯人を指摘する鍵を握ったため、物語の途中で、犯人が運転する車に轢かれて、殺されてしまう。

(10)アガサ・クリスティーの原作では、「セシル・アクロイド夫人(Mrs. Cecil Ackroyd)」という名前であるが、英国 TV ドラマ版では、「ヴェラ・アクロイド夫人」という名前に変更されている。

(11)デイヴィス警部は、アガサ・クリスティーの原作通り、キングスアボット警察の警部という設定である。アガサ・クリスティーの原作には、デイヴィス警部に加えて、キングスアボット村に近い町であるクランチェスター(Cranchester)警察のラグラン警部(Inspector Raglan)も登場するが、英国 TV ドラマ版では、警部が2人も登場するのを避ける関係上、ラグラン警部の出番はない。その代わりだと思われるが、デイヴィス警部は、原作のラグラン警部と同じように、ポワロの手腕をあまり信用しておらず、ポワロが捜査に関与しようとするのを嫌がるが、スコットランドヤードのジャップ主任警部の登場により、止むを得ず、ポワロに協力することになる。

(14)アガサ・クリスティーの原作では、ロジャー・アクロイドの弁護士を務めているが、英国 TV ドラマ版では、それに加えて、ドロシー・フェラーズ夫人の弁護士も務めている。


アガサ・クリスティーの原作には、他に、


*ヘクター・ブラント少佐(Major Hector Blunt - ロジャー・アクロイドの旧友)

*エリザベス・ラッセル(Elizabeth Russell - アクロイド家の家政婦)

*チャールズ・ケント(Charles Kent - 事件当日、アクロイド家を訪ねて来た正体不明の男で、後に、カナダから来たエリザベス・ラッセルの息子で、薬物中毒者であることが判明)


等の登場人物が居るが、英国 TV ドラマ版では、時間の関係上、物語の本筋にはあまり関係ないとの判断で、割愛されたものと思われる。


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