2022年11月22日火曜日

アガサ・クリスティー マープル 2023年カレンダー(Agatha Christie - Marple - Calendar 2023)- 「書斎の死体(The Body in the Library)」

ビル・ブラッグ氏が描く
ミス・マープルシリーズの長編第2作目「書斎の死体」の一場面

アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)の作品を出版している英国の Harper Collins Publishers 社から、ミス・ジェーン・マープル(Miss Jane Marple)シリーズのペーパーバック版の表紙を使った2023年カレンダーが出ているので、順番に紹介したい。


2023年カレンダーに使用されているミス・マープルシリーズのペーパーバック版の表紙は、英国のイラストレーターであるビル・ブラッグ(Bill Bragg)氏が担当している。


なお、カレンダーの順番は、長編・短編集を含めて、ミス・マープルシリーズの発表順にはなっていない。


(1)「書斎の死体(The Body in the Library)」


「書斎の死体」は、1942年に発表されたミス・マープルシリーズの長編第2作目である。


「奥様、奥様!書斎に死体があります!」

メイドのメアリーが発するヒステリックな第一声で、ドリー・バントリー(Dolly Bantry)は目を覚ますと、退役軍人である夫のアーサー・バントリー大佐(Colonel Arthur Bantry)を起こす。こうして、邸宅ゴシントンホール(Gossington Hall)における平和で穏やかな秋の朝は、メイドの叫び声で打ち破られるのであった。


バントリー大佐が書斎に駆け付けてみると、暖炉の前の敷物の上に、銀色のスパンコールを散りばめたイヴニングドレス姿の、背の高いプラチナブロンドの若い女性の絞殺死体が横たわっていた。ところが、大佐には、殺されている女性の身元に心当たりがなかった。

バントリー大佐は、直ぐに警察に連絡を行い、メルチェット大佐(Colonel Melchett)とスラック警部(Inspector Slack)が派遣されてくる。

一方、妻のバントリー夫人は、人間の本質を鋭く見抜く眼力を持つ旧友のミス・マープルに、助けを求める。


何故、閑静な屋敷に、それも、書斎に、若い女性の死体が突然現れたのか?彼女の身元は?何故、彼女は絞殺されることになったのか?そして、彼女は、どこからここまでやって来たのか?

様々な噂や憶測が、セントメアリーミード村(St. Mary Mead)の中を駆け巡るのであった。



カレンダーには、邸宅ゴシントンホールに住むアーサー・バントリー大佐が、書斎の暖炉の前の敷物の上に、若い女性の絞殺死体が横たわっているのを発見する場面が描かれている。あるいは、ある人物が、酔っ払って真夜中に帰宅した際、自宅の部屋の敷物の上で発見した女性の死体を、以前から気に入らないバントリー大佐の邸宅へと運び、書斎の暖炉の前の敷物の上に放置した場面だろうか?


Harper Collins Publishers 社から出版されている「書斎の死体」のペーパーバック版の表紙には、ビル・ブラッグ氏によるイラストが、卓上ランプの形に切り取られているものが使用されている。


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