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英国の HarperCollins Publishers 社から以前に出版されていた アガサ・クリスティー作「エッジウェア卿の死」の ペーパーバック版の表紙 |
今回から、アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)が1933年に発表したエルキュール・ポワロシリーズの長編「エッジウェア卿の死」(Lord Edgware Dies)」について、紹介したい。
「エッジウェア卿の死」は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第13作目に該り、エルキュール・ポワロシリーズの長編のうち、第7作目に該っている。
本作品は、英国では、「Lord Edgware Dies」と言うタイトルで出版されたが、米国では、「Thirteen at Dinner(晩餐会の13人)」と言う題名へ変更されている。
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英国の HarperCollins Publishers 社から以前に出版されていた アガサ・クリスティー作「エンドハウスの怪事件」の ペーパーバック版の表紙 |
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英国の HarperCollins Publishers 社から現在出版されている アガサ・クリスティー作「エンドハウスの怪事件」の ペイパーバック版の表紙 |
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2024年に英国の HarperCollins Publishers 社から出版された アガサ・クリスティー作「エンドハウスの怪事件」の 愛蔵版(ハードカバー版)の表紙 (Cover design and illustration by Sarah Foster / HarperCollinsPublishers Ltd. ) |
エルキュール・ポワロシリーズの長編のうち、「エッジウェア卿の死」の前作は、「エンドハウスの怪事件(Peril at End House)」(1933年)で、「エッジウェア卿の死」の次作は、ポワロシリーズの中でも最も有名とも言える「オリエント急行の殺人(Murder on the Orient Express → 2023年8月25日 / 8月29日付ブログで紹介済)」である。
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英国の HarperCollins Publishers 社から以前に出版されていた アガサ・クリスティー作「オリエント急行の殺人」の ペーパーバック版の表紙 |
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英国の HarperCollins Publishers 社から現在出版されている アガサ・クリスティー作「オリエント急行の殺人」の ペーパーバック版の表紙 |
アガサ・クリスティー作「エッジウェア卿の死」は、エルキュール・ポワロとアルゼンチンから一時帰国したアーサー・ヘイスティングス大尉(Captain Arthur Hastings)の2人が、米国からロンドン/パリ公演ツアーに来ている女芸人カーロッタ・アダムズ(Carlotta Adams)の舞台を観たところから、その物語が始まる。
背景や衣装等を必要としない彼女の「人物模写演技」は完璧で、一瞬で顔つきや声音等を変えて、その人自身になりきるのであった。第4代エッジウェア男爵ジョージ・アルフレッド・セント・ヴィンセント・マーシュ(George Alfred St. Vincent Marsh, 4th Baron Edgware)/ エッジウェア卿(Lord Edgware)と結婚している米国出身の舞台女優ジェーン・ウィルキンスン(Jane Wilkinson)の物真似に関しても見事の一言で、ポワロは深く感銘を受ける。
その夜、ポワロの元をジェーン・ウィルキンスン本人が訪れる。
彼女から「離婚話に応じない夫を説得してもらいたい。」という依頼を受けたポワロが、その2−3日後、リージェントゲート(Regent Gate)にあるエッジウェア卿の邸を訪問したところ、彼は「6ヶ月も前に、離婚に同意する旨を彼女宛に手紙で既に伝えた。」と答えるのであった。話のくい違いに納得がいかないポワロであったが、そのまま帰宅せざるを得なかった。

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