2023年12月4日月曜日

チャールズ・ディケンズの世界<ジグソーパズル>(The World of Charles Dickens )- その8(1)

画面中央に建つ男性(黒い帽子を被り紫色のコートを羽織り、左手に杖を持った男性)が、
チャールズ・ディケンズと同時代のヴィクトリア朝時代に活躍した
小説家のウィリアム・メイクピース・サッカレーである。


英国の Laurence King Publishing Group Ltd. より、2021年に発売されたジグソーパズル「チャールズ・ディケンズの世界(The World of Charles Dickens)」のイラスト内には、ヴィクトリア朝を代表する英国の小説家であるチャールズ・ジョン・ハファム・ディケンズ(Charles John Huffam Dickens:1812年ー1870年)や彼が生きた時代の人物、そして、彼の作品に登場するキャラクター等が散りばめられているので、次回以降、順番に紹介していきたい。


今回紹介するのは、チャールズ・ディケンズや小説家 / 推理作家 / 劇作家のウィリアム・ウィルキー・コリンズ(William Wilkie Collins:1824年ー1889年 → 2022年9月2日 / 9月4日付ブログで紹介済)と同じように、ヴィクトリア朝時代(1837年-1901年)に活躍した英国の小説家のウィリアム・メイクピース・サッカレー(William Makepeace Thackeray:1811年ー1863年)である。


ウィリアム・メイクピース・サッカレーは、1811年7月18日、東インド会社(East India Company)に勤務する父リッチモンド・サッカレー(Richmond Thackeray:1781年ー1815年)と母アン・ベッカー(Anne Becher:1792年ー1864年)の下、インドのカルカッタ(Calcutta)に長男として出生。

母親のアン・ベッカーには、ヘンリー・カーマイケル=スミス(Henry Carmichael-Smyth)と言う恋人が居たが、祖母を初めとする家族の反対に遭い、英国からインドへと送られて、そこでリッチモンド・サッカレーと出会い、結婚したのである。

母親のアンは、インドにおいて、元恋人のヘンリー・カーマイケル=スミスに偶然再会し、1815年9月13日に、リッチモンド・サッカレーが熱病で亡くなると、1817年3月13日にヘンリー・カーマイケル=スミスと再婚した。

その後、ウィリアム・メイクピース・サッカレーは、一人、インドから英国へと送られ、母方の祖母に預けられた。


ウィリアム・メイクピース・サッカレーは、サザンプトン(Southampton)とロンドンのチジック(Chiswick)の学校で学んだ後、サリー州(Surrey)のチャーターハウス学校(Charterhouse School)に入学した。

ウィリアム・メイクピース・サッカレー本人にとって、チャーターハウス学校を酷く嫌っており、「Slaughterhouse」と皮肉っている。

母のアンと義父のヘンリーが英国へと戻って来たのは、1820年になってからである。


ウィリアム・メイクピース・サッカレーは、1829年にケンブリッジ(Cambridge)のトリニティーカレッジ(Trinity College)へと進む。

しかし、彼は学業には専念しないで、詩を投稿したり、賭博に熱中したりした結果、翌年の1830年にトリニティーカレッジを中退し、欧州大陸各地を旅して、自由奔放な生活を送った。その際、彼は、ドイツを代表する文豪であるヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(Johan Wolfgang von Goethe:1749年ー1832年 → 2017年11月4日 / 11月11日付ブログで紹介済)に出会っている。


フランクフルトのゲーテハウス / ゲーテ博物館(Goethe Haus / Goethe Musem)で購入した
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの絵葉書
「Goethe in Der Campagna」(1848) by Karl Bennert (1815 - 1885)

欧州大陸の旅から英国へと戻ったウィリアム・メイクピース・サッカレーは、法曹院の一つであるミドルテンプル(Middle Temple)において、法学を学び始めたものの、残念ながら、直ぐに諦めた。

彼は、21歳になると(1832年)、亡き父リッチモンドの遺産を相続するが、投機や新聞社の設立等に遺産を使ったものの、いずれも失敗に終わる。

更に、悪いことに、遺産を預けていたインドの銀行2行が倒産してしまい、遺産の大部分を失った。

困った彼は、パリで学んだ美術をベースに、画家として身を立てようとするが、これもうまく行かなかった。


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