2022年3月12日土曜日

デイヴィッド・ステュアート・デイヴィーズ作「シャーロック・ホームズの更なる冒険 / 悪魔との契約」(The further adventures of Sherlock Holmes / The Devil’s Promise by David Stuart Davies) - その2

英国の Titan Publishing Group Ltd. の Titan Books 部門から
2014年に出版された
デイヴィッド・ステュアート・デイヴィーズ作
「シャーロック・ホームズの更なる冒険 / 悪魔との契約」の裏表紙

砂浜の中に、昨日シャーロック・ホームズが発見した男性の死体が埋められているのを見つけたジョン・H・ワトスンは、もう一度、死体を埋めなおすと、慌ててコテージへと走って戻った。

すると、そこには、一人の訪問者が居た。彼は、ホームズとワトスンに対して、デヴォン州(Devon)ホーデン(Howden)村の牧師サイモン・ディケンズ(Simon Dickens)と自己紹介した。ディケンズ牧師は、「このコテージには、暫くの間、誰も住んでいなかったが、コテージの煙突から煙が上がってい他ので、誰が住み始めたのかと思い、立ち寄ってみた。」と言う。ホームズは、ディケンズ牧師に対して、「ホーデン村から、誰か急に居なくなった人はあるか?」と尋ねるが、牧師は「ホーデン村は非常に静かなところで、そんな人は居ない。」と答える。

ディケンズ牧師が辞去した後、ワトスンはホームズを連れて、急いで砂浜へと戻るが、ワトスンが埋めなおした男性の死体は、またもや影も形も残って居なかった。ホームズは、ワトスンの行動を隠れて見ていた殺人者の集団が死体を再度移動させたのだと考える。

彼らが避暑に来たホーデン村の裏で、何かよからぬことが進行しているようである。


早速、ホームズとワトスンの二人は、調査のため、ホーデン村へ出かける。

ホーデン村は絵に描かれたように静かなところで、殺人事件が発生した場所とは、とても思えなかった。パブを兼ねた宿屋に入ったホームズ達は、そこでイーノック・ブラックウッド(Enoch Blackwood)という若い男性と知り合いになる。

その後、彼の屋敷に招待されたホームズ達は、彼の妹アラベラ・ブラックウッド(Arabella Blackwood - 20代後半)に引き合わせられる。

イーノックによると、彼らの父親はバーソロミュー・ブラックウッド(Bartholomew Blackwood)で、1880年代に悪魔崇拝者(The Devil’s Companion)として悪名高かった人物であった。バーソロミューは、妻のエレノーラ・ブラックウッド(Elenora Blackwood)と一緒に、フランスへと逃れ、エレノーラはそこで双子を出産した。その双子が、イーノックとアラベラの二人であった。約15年間、フランスにとどまった後、バーソロミューは、彼の支援者の助けを借りて、秘密裡に英国へと戻って来た。英国の地に降り立った後、バーソロミューは雲隠れしてしまった。ただ、一般大衆は彼に対する関心を既に失っており、大きな話題にはならず、今に至っているのである。

イーノックは、ホームズ達に対して、「自分達の父親は8年前に亡くなったが、どこに埋葬したのかは口外できない。」と伝えるのであった。


ホームズとワトスンの二人が、ブラックウッド家を辞して、自分達のコテージに戻って来ると、暖炉の側に置いてある椅子の上に、2度姿を消した男性の死体が、再び姿を現したのである。

死体を検分した後、棚にある本「デヴォン州の海岸の花 / 動物誌」に目を通したホームズは、この男性こそがディケンズ牧師であって、今朝コテージに現れた人物は偽者で、殺人者の集団の一人に違いないと断言した。


少しずつ真相に肉迫しつつあるホームズ達であったが、彼らの背後には、魔の手が迫っていた。

翌朝、ホームズ達は、近隣のトトネス(Totnes)にある警察署へ、男性の死体を運ぼうと決め、ワトスンが納屋から馬車を出そうと向かったところ、何者かに背後から襲われ、意識を失ってしまう。

ワトスンの身を案じて、ホームズが納屋へと駆けつけるが、時既に遅く、ワトスンの姿はどこにもなかったのである。 


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