2022年2月5日土曜日

アンソニー・ホロヴィッツ作「絹の家」(The House of Silk by Anthony Horowitz) - その2

英国の The Orion Publishing Group 社から2011年に出版された
アンソニー・ホロヴィッツ作「絹の家」の裏表紙(ハードカバー版)


ウィンブルドン(Wimbledon)に住む美術商で、共同経営者であるトバイアス・フィンチ(Tobias Finch)と一緒に、アルベマールストリート(Albemarle Street - ロンドンの高級地区メイフェア(Mayfair)内にあり)沿いでカーステアーズ・アンド・フィンチ画廊(Gallery Carstairs and Finch)を営んでいるエドムンド・カーステアーズ(Edmund Carstairs)が、ベーカーストリート221B(221B Baker Street)のシャーロック・ホームズのところへ事件の相談にやって来た翌朝、エドムンドからホームズの元に電報が届いた。それは、昨夜、エンムンドと妻のキャサリン(Catherine Carstairs)が住むリッジウェイホール(Ridgeway Hall)に賊が侵入して、屋敷内の金庫が破られたことを知らせるものだった。電報を読んだホームズとジョン・H・ワトスンは、早速、ウィンブルドンへと向かう。


リッジウェイホールに到着したホームズ達に、エドムンドは「金庫から盗まれたのは、現金と宝石で、米国での銃撃戦で生き残り、ここのところ、自分に付きまとっていたキーラン・オドナヒュー(Keelan O’Donaghue)が、自宅に侵入したに違いない。」と話すのであった。宝石はエドムンドの母親の形見(サファイアのネックレス)で、1年前、就寝中、寝室でのガスストーブによる中毒により、彼女は亡くなっていた。同じ屋敷内に住むエドムンドの姉イライザ(Eliza Carstairs)は、ホームズ達に対して、「母は、元々、エドムンドとキャサリンの結婚に反対で、結婚後も、キャサリンとの折り合いは悪く、それを苦にした自殺だ。」と話し、リッジウェイホール内で、エドムンド / キャサリンとイライザの間に、大きな感情的な溝があったことを浮き彫りにするのであった。


現金と宝石の盗難について、エドムンドから先に知らせを受けていたスコットランドヤードのレストレード警部(Inspector Letrade)は、今朝、ウィンブルドン発ロンドンブリッジ(London Bridge → 2016年3月19日付ブログで紹介済)行きの午前5時始発列車に、米国訛りの男が乗車していたことを既に突き止めていた。目撃者が証言した服装や右頬の傷痕等から、エドムンドは、「リッジウェイホールから逃げ出したキーラン・オドナヒューは、ロンドン市内へ向かったに違いない。」と断言する。


ベーカーストリート221Bに戻ったホームズは、翌朝、ベーカーストリート不正規隊(Baker Street Irregulars)のウィギンズ(Wiggins)達を呼び集める。リッジウェイホールに侵入した賊は、ロンドンブリッジ駅近辺のホテル / 下宿屋に滞在しており、盗んだサファイアのネックレスを近くの質屋で処分した可能性が高いと考えたホームズは、ウィギンズ達に対して、ロンドンブリッジ駅界隈の質屋を一軒一軒尋ね回るよう、指示を与えた。


ウィギンズ達による捜索を待つ間、ホームズは、ワトスンを誘って、アルベマールストリートのカーステアーズ・アンド・フィンチ画廊を訪問する。

ホームズがエドムンドとトバイアスの二人と話をしているところに、ウィギンズが飛び込んで来た。彼は、仲間のロス(Ross)と一緒に、ブリッジレーン(Bridge Lane)の質屋で、該当の人物を見つけたと言う。

ウィギンズに連れられて、ホームズとワトスンは、四輪辻馬車でバーモンジー(Bermondsey)のオールドモア プライベートホテル(Mrs Oldmore’s Private Hotel)へと向かう。エドムンドも、彼らに同行する。


荒れ果てたホテルに到着したホームズとエドムンドを見ると、見張りのロスは何故か後退りをして、ひどく怯えた表情をするのだった。何か隠し事をしている態度だった。

とりあえず、ウィギンズとロスの二人を後に残して、ホームズ、ワトスンとエドムンドの三人は、ホテル内に入り、フロントの老人から教えてもらった6号室の施錠したドアを体当たりで破ると、そこには、首の横にナイフが突き刺さった男が死亡していたのである。

スコットランドヤードのレストレード警部が現場に駆け付ける中、ロスが姿を消してしまう。一体、ロスは何を隠しているのか?


その後、ロスは、サザーク橋(Southwark Bridge)を渡ったテムズ河(River Thames)の南岸において、惨殺死体となって発見される。更に、彼の手首には、白い絹のリボンが巻き付けられていた。この白い絹のリボンは、一体、何を意味するのか?

ホームズによる捜査の過程で浮上する「絹の家(House of Silk)」と言う謎の言葉。一体、「絹の家」とは、何なのか?


途中、ホームズは、敵の罠に陥り、見に覚えのない殺人の罪をきせられるが、最後には、驚愕の真相を暴き出すのであった。それも、非常にショッキングな真相が明らかにされるのである。


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