2024年4月5日金曜日

ロジャー・スカーレット作「エンジェル家の殺人」(Murder Among the Angells by Roger Scarlett)- その2

東京創元社から創元推理文庫の1冊として
1987年に初版が出版された
ロジャー・スカーレット作「エンジェル家の殺人」内に付されている
「エンジェル邸の見取図」


日本の推理作家である横溝正史(Seishi Yokomizo:1902年ー1981年)が、金田一耕助(Kosuke Kindaichi)シリーズの第1作目に該る長編推理小説「本陣殺人事件(The Honjin Murders)」を執筆する際に、着想を得た米国の推理作家であるロジャー・スカーレット(Roger Scarlett)作「エンジェル家の殺人(Murder Among the Angells)」(1932年)は、3月初旬の火曜日の朝、第一線から既に退いている弁護士のアンダーウッド(Mr. Underwood)が、チャールズ川(River Charles)沿いに建つビーコンストリート236番地(236 Beacon Street)の邸宅を訪れたところから、物語が始まる。

なお、ロジャー・スカーレットは、実は、イヴリン・ペイジ(Evelyn Page:1902年ー1977年)とドロシー・ブレア(Drothy Blair:1903年ー1976年)と言う女性2人のペンネームである。


東京創元社から創元推理文庫の1冊として
1987年に初版が出版された
ロジャー・スカーレット作「エンジェル家の殺人」内に付されている
「地下室平面図」

L字型をした陰気な灰色の石造りの建物は、内部で対角線を引いたように二分されており、それぞれの区画には、年老いた双子の兄弟が、それぞれの家族の長として暮らしていた。


東京創元社から創元推理文庫の1冊として
1987年に初版が出版された
ロジャー・スカーレット作「エンジェル家の殺人」内に付されている
「1階平面図」

<ダライアス家の住人>

(1)ダライアス・エンジェル(Darius Angell):双子の兄

(2)ピーター・エンジェル(Peter Angell):ダライアスの長男

(3)ディヴィッド・エンジェル(David Angell):ダライアスの次男

(4)スーザン・コッドマン(Susan Codman):ダライアスの義理の妹


<キャロラス家の住人>

(5)キャロラス・エンジェル(Carolus Angell):双子の弟

(6)カール・エンジェル(Carl Angell):キャロラスの養子

(7)カレン・アダムズ(Karen Adams):キャロラスの養子

(8)ホイットニー・アダムズ(Whitney Adams):カレンの夫

(9)ブラード:キャロラス家の執事


東京創元社から創元推理文庫の1冊として
1987年に初版が出版された
ロジャー・スカーレット作「エンジェル家の殺人」内に付されている
「2階平面図」

双子の兄弟であるダライアス・エンジェルとキャロラス・エンジェルの2人は、相手よりも長生きすることに躍起となっていた。

何故ならば、彼らの亡き父の遺言により、相手よりも1秒でも長生きした方が、亡き父が残した全財産を相続できることに定められていたからであった。


東京創元社から創元推理文庫の1冊として
1987年に初版が出版された
ロジャー・スカーレット作「エンジェル家の殺人」内に付されている
「3階平面図」

双子の弟であるキャロラス・エンジェルは、長生きするために、若い頃から、健康に非常に気を付けていたが、双子の兄であるダライアス・エンジェルは、そんな弟の生き方を歯牙にも掛けなかった。

ところが、自分の死期が近いことを悟った今、ダライアス・エンジェルは、一文無しで残される可能性が高い長男のピーター・エンジェルと次男のディヴィッド・エンジェルのことを心配し、亡き父の遺言の内容を変更して、どちらが先に亡くなったとしても、亡き父が残した全財産を等分に分けることにしようと、キャロラス・エンジェルに対して、交渉しようと考えていた。

東京創元社から創元推理文庫の1冊として
1987年に初版が出版された
ロジャー・スカーレット作「エンジェル家の殺人」内に付されている
「4階(屋根裏部屋)平面図」

そのことが、これから起こる全ての悲劇の始まりだった。


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