2024年1月17日水曜日

シャーロック・ホームズのトランプ(Sherlock Holmes - Playing Cards)- その7

英国の Laurence King Publishing Group Ltd. より、一昨年(2022年)に発行されたシャーロック・ホームズをテーマにしたトランプの各カードについて、前回に引き続き、紹介したい。


(21)6 ❤️拡大鏡(Magnifying Glass)」



拡大鏡は、シャーロック・ホームズにとって、事件捜査を進める上で、必要不可欠な道具である。


英国で出版された「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」
1901年8月号「バスカヴィル家の犬」に掲載された挿絵 -
第1章「シャーロック・ホームズ氏(Mr Sherlock Holmes)」
シャーロック・ホームズは、
サー・ヘンリー・バスカヴィル(Sir Henry Baskervilles)の主治医である
ジェイムズ・モーティマー医師(Dr. James Mortimer)が
ベーカーストリート221B(221B Baker Street → 2014年6月22日 /
6月29日付ブログで紹介済)に忘れて行ったステッキを
窓の側まで持って行き、拡大鏡で調べた。
挿絵:シドニー・エドワード・パジェット
(Sidney Edward Paget:1860年ー1908年)

(22)6 ♠️「フォン・ボルクVon Bork)」



フォン・ボルク(Von Bork)は、「最後の挨拶(His Last Bow → 2021年6月3日付ブログで紹介済)」事件に登場するドイツ人のスパイである。


英国で出版された「ストランドマガジン」
1917年9月号「最後の挨拶」に掲載された挿絵 -
画面手前右の人物は、アイルランド系米国人のスパイである
アルタモントに変装していたシャーロック・ホームズで、
画面手前左の人物が、アルタモントの運転手に変装していたジョン・H・ワトスン。
そして、画面奥の人物は、ホームズに縛り上げられた
ドイツ人のスパイであるフォン・ボルク。


「最後の挨拶」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、44番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」の1917年9月号に、また、米国では、「コリアーズ ウィークリー(Collier’s Weekly)」の1917年9月22日号に掲載された。

また、同作品は、同年(1917年)に発行されたホームズシリーズの第4短編集「シャーロック・ホームズ 最後の挨拶(His Last Bow)」に収録されている。その際、タイトルに、「シャーロック・ホームズの軍務(The War Service of Sherlock Holmes)」、そして、「シャーロック・ホームズのエピローグ(An Epilogue of Sherlock Holmes)」という副題が付け加えられている。


(23)6 ♦️「沼マムシ(Swamp Adder)」



沼マムシ(swamp adder)は、「まだらの紐(The Speckled Band)」事件に出てくる蛇である。


英国で出版された「ストランドマガジン」
1892年2月号「まだらの紐」に掲載された挿絵 -

シャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンが、
グリムズビー・ロイロット博士(Dr. Grimesby Roylott)の部屋に入ると、
彼は沼マムシに噛まれて、既に死んでいた。
画面左側から、ワトスン、ホームズ、そして、グリムズビー・ロイロット博士。
挿絵:シドニー・エドワード・パジェット
(1860年 - 1908年)


「まだらの紐」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、8番目に発表された作品で、英国の「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」の1892年2月号に掲載された。

また、同作品は、1892年に発行されたホームズシリーズの第1短編集「シャーロック・ホームズの冒険(The Adventures of Sherlock Holmes)」に収録されている。


(24)6 ♣️バーカー(Barker)



バーカーは、「隠居絵具屋(The Retired Colourman)」事件に登場するシャーロック・ホームズの友人で、かつ、ライヴァルの探偵である。


英国で出版された「ストランドマガジン」
1927年1月号「隠居絵具屋」に掲載された挿絵 -
シャーロック・ホームズが、朝早く、
画材製造業ブリックホール&アンバリー(Brickhall & Amberley)の経営者の一人から
引退したジョサイア・アンバリー(Josiah Amberley)の家にある
食料保管室の窓から抜け出そうとした際、
何者かに襟の内側を掴まれた。
色付きの眼鏡(サングラス)を掛けたその人物は、
ホームズの友人で、かつ、ライヴァルのバーカーであった。
彼は、レイ・アーネスト医師(Dr. Ray Ernest)の家族からの依頼を受けて、
ジョサイア・アンバリーの家を見張っていたのである。
左側の人物がホームズで、右側の人物がバーカー。


「隠居絵具屋」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、54番目に発表された作品で、英国の「ストランドマガジン」の1927年1月号に、また、米国では、「リバティー(Liberty)」の1926年12月18日号に掲載された。

また、同作品は、1927年に発行されたホームズシリーズの第5短編集「シャーロック・ホームズの事件簿(The Case-Book of Sherlock Holmes)」に収録されている。なお、本作品は、同短編集への収録順における最終エピソードとなっている。


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