2024年1月16日火曜日

アガサ・クリスティーのトランプ(Agatha Christie - Playing Cards)- その3

英国の Laurence King Publishing Group Ltd. より、昨年(2023年)に発行されたアガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)をテーマにしたトランプの各カードについて、引き続き、紹介したい。


(5)2 ♠️「サタースウェイト氏(Mr. Satterthwaite)」



金持ちの初老の男性で、アガサ・クリスティーのシリーズ探偵の一人であるハーリー・クィン(Harley Quin)の作品に主に登場するが、エルキュール・ポワロの作品にも登場している。

ハーリー・クィンシリーズの場合、クィン氏は自分で謎を解くことはしないで、サタースウェイト氏に対して、示唆を与えるだけである。クィン氏による示唆を受けて、実際に、謎を解くのは、サタースウェイト氏自身である。

なお、サタースウェイト氏の名前は、残念ながら、不明のままである。


登場作品

<長編>

*「三幕の悲劇(Three Act Tragedy)」(1935年)- エルキュール・ポワロシリーズ

<短編集>

*「謎のクィン氏(The Mysterious Mr. Quin)」(1930年)- ハーリー・クィンシリーズ

 ・「クィン氏登場(The Coming of Mr. Quin)」

 ・「窓ガラスに映る影(The Shadow on the Glass)」

 ・「<鈴と道化服>亭奇聞(At the ‘Bells and Motley’)」

 ・「空のしるし(The Sign in the Sky)」

 ・「クルピエの真情(The Soul of the Croupler)」

 ・「海から来た男(The Man from the Sea)」

 ・「闇からの声(The Voice in the Dark)」

 ・「ヘレンの顔(The Face of Helen)」

 ・「死んだ道化役者(The Dead Harlequin)」

 ・「翼の折れた鳥(The Bird with the Broken Wing)」

 ・「世界の果て(The World’s End)」

 ・「道化師の小径(Harlequin’s Lane)」

*「死人の鏡(Murder in the Mews)」(1937年)

 ・「死人の鏡(Dead Man’s Mirror)」- エルキュール・ポワロシリーズ

*「愛の探偵たち(Three Blind Mice and Other Stories)」(1950年)

 ・「愛の探偵たち(The Love Detectives)」ハーリー・クィンシリーズ

*「マン島の黄金(While the Light Last)」(1997年)

 ・「クィン氏のティーセット(The Harlequin Tea Set)」ハーリー・クィンシリーズ


(6)2 ❤️「ボールを咥えた犬(Dog with Ball)」



ボールを口に咥えた犬は、エミリー・アランデル(Emily Arundell)の飼い犬であるテリア犬ボブ(Bob)で、長編「もの言えぬ証人(Dumb Witness)」(1937年)に登場する。


本作品は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第21作目に該り、エルキュール・ポワロシリーズの長編のうち、第14作目に該っている。


英国の Harper Collins Publishers 社から出版されている
アガサ・クリスティー作エルキュール・ポワロシリーズ
「もの言えぬ証人」のペーパーバック版の表紙

(7)2 ♣️「暖炉の火搔き棒(Fireplace Poker)」



長編「無実はさいなむ( Ordeal by Innocence)」(1958年)において、暖炉の火搔き棒は、サニーポイント邸(Sunny Point)の書斎で、資産家のレイチェル・アージル(Rachel Argyle)が、後頭部を殴られて、殺害される凶器として使用されている。


本作品は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第50作目に該る。


(8)2 ♦️「現金の隠し場所(Stash of Cash)」



長編「アクロイド殺し(The Murder of Roger Ackroyd)」(1926年)において、フェルンリーパーク館(Fernly Park)の書斎で、富豪のロジャー・アクロイド(Roger Ackroyd)が刺殺されて、彼の部屋から現金が盗まれる。


本作品は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第6作目に該り、そして、エルキュール・ポワロシリーズの長編としては、第3作目に該る。


英国の Harper Collins Publishers 社から出版されている
アガサ・クリスティー作エルキュール・ポワロシリーズ
「アクロイド殺し」のペーパーバック版の表紙


0 件のコメント:

コメントを投稿