2022年6月8日水曜日

大英博物館250周年記念切手(Royal Mail Stamps : The British Museum 1753 - 2003) - その1

Coffin of Denytenamun
(c. 900 BC / Egyptian)


英国の作家であるデイヴィッド・ステュアート・デイヴィーズ(David Stuart Davies:1946年ー)が、Titan Publishing Group Ltd. から、「シャーロック・ホームズの更なる冒険(The further adventures of Sherlock Holmes)」シリーズの一つとして、2009年に発表した作品「死者の書(The Scroll of the Dead)」では、大英博物館(British Museum → 2014年5月26日付ブログで紹介済)から「死者の書(The Scroll of the Dead)」と呼ばれるパピルス(papyrus)が盗まれるという事件が発生する。


1896年春のある月曜日の朝、スコットランドヤードのアモス・ハードキャッスル警部(Inspector Amos Hardcastle)が、事件の相談のため、シャーロック・ホームズの元へやって来た。

ハードキャッスル警部によると、金曜日の夜、大英博物館に二人組の盗賊が侵入して、「死者の書(The Scroll of the Dead)」と呼ばれるパピルス(papyrus)が盗まれた、とのこと。それに加えて、「オールドサミー(Old Sammy)」と呼ばれている警備員(夜のシフト)であるダヴェントリー(Daventry)が、警備員室において、拳銃で頭を撃たれ、殺害されていた。

警備員のダヴェントリーが警備員室で殺されたことから、ホームズは、賭け事の借金を清算するために、ダヴェントリーが、パピルスを盗んだ二人組を手引きしたものと推理する。そして、二人組の一人は、昨年の5月に自分の元を訪れ、「私は、死後の世界(The life beyond living) / 不死(immortality)を研究している。自分は、死が最終だとは思っていない。(I don’t believe death is the end.)」という謎の言葉を残して去ったセバスチャン・メルモス(Sebastian Melmoth)で、盗んだパピルスに書かれた内容を解読して、「死後の世界 / 不死」を握る神官セタフ(high proest Setaph)の墳墓へと至ろうとしていると考えた。


大英博物館の建設構想は、ハンス・スローン卿(Sir Hans Sloane:1660年~1753年)の収集品まで遡る。医師で、博物学者でもあった彼は、1753年に亡くなる際の遺言で、彼が収集した約8万点に及ぶ美術品、植物標本、蔵書や写本等を英国王ジョージ2世に献上し、国への遺贈を希望した。その際、英国議会は、今で言うところの「宝くじ(Lottery)」を発行し、その収益金でスローン卿の収集品を買い上げて、保存・公開するための博物館の建設を目指した。カンタベリー大司教を長とする理事会は、17世紀後期の館であるモンタギューハウスを購入。モンタギュー侯爵と親しかったフランス国王ルイ14世の好意により、一流の彫刻家で、かつ建築家であったピエール・ピュジェが設計を、そして、フランスのベルサイユ宮殿を手がけた画家達が内装を担当したそうである。そうして、大英博物館は1759年1月15日に開館し、膨大なコレクションが一般公開された。


英国のロイヤルメール(Royal Mail)から、大英博物館250周年を記念して、2003年10月7日に、6種類の記念切手が発行されているので、2回に分けて御紹介したい。



Alexander The Great
(c. 200 BC / Greek)

Sutton Hoo Helmet
(c. AD 600 / Anglo-Saxon)

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