2018年7月14日土曜日

ロンドン ホウジアレーン(Hosier Lane)

ホウジアレーンの中央辺りから、ギルップールストリート方面を見上げたところ–
現在、画面右手奥では、ホテルが建設されている

米国の推理作家で、「不可能犯罪の巨匠」とも呼ばれているジョン・ディクスン・カー(John Dickson Carr:1906年ー1977年)が、別のペンネームであるカーター・ディクスン(Carter Dickson)名義で発表した長編第2作目で、ヘンリー・メルヴェール卿(Sir Henry Merrivale)が探偵役を務める長編第1作目となる「黒死荘の殺人(The Plague Court Murder→2018年5月6日 / 5月12日付ブログで紹介済)」では、降霊会の最中、黒死荘(The Plague Court)の庭に建つ石室内において、心霊学者のロジャー・ダーワース(Roger Darworth)が血の海の中で無残にも事切れていた。石室は厳重に戸締りされている上に、石室の周囲には、足跡が何も残されていなかった。それに加えて、殺害されたロジャー・ダーワースの傍らには、前日の午後、ロンドン博物館から盗まれた曰く付きの短剣が真っ赤な血に染まって残されていたのである。


ロジャー・ダーワースが殺害された黒死荘があった場所の第二候補先は、コックレーン(Cock Lane→2018年6月30日 / 7月7日付ブログで紹介済)と同様に、ロンドンの経済活動の中心地であるシティー・オブ・ロンドン(City of London)内にあり、サー・アーサー・コナン・ドイル作「緋色の研究(A Study in Scarlet)」において、シャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンが初めて出会ったセントバーソロミュー病院(St. Bartholomew’s Hospital→2014年6月14日付ブログで紹介済)の近くにある。

ギルップールストリート側から
ホウジアレーンを下る(その1)
ギルップールストリート側から
ホウジアレーンを下る(その2)

セントバーソロミュー病院を右手に見て、ギルップールストリート(Giltspur Street→2018年6月9日 / 6月16日 / 6月23日付ブログで紹介済)を北上。左手に見えるコックレーンを過ぎて、更に北上し、有名な肉市場であるスミスフィールドマーケット(Smithfield Market)の手前にあるウェストスミスフィールド(West Smithfield)と呼ばれるロータリー前で左折したところにあるホウジアレーン(Hosier Lane)が、それである。

スミスフィールドストリート側から
ホウジアレーンを見上げたところ(その1)
スミスフィールドストリート側から
ホウジアレーンを見上げたところ(その2)

ホウジアレーンの東側は、ギルップールストリートから始まり、西側は、スミスフィールドマーケットから南下するスミスフィールドストリート(Smithfield Street)に突き当たって終わっている。また、ホウジアレーンは、コックレーンの北側で、コックレーンに並行するように東西に延びる通りである。

ホウジアレーンとスミスフィールドストリートが
交差した角に建つオフィスビルのG階(地上階)には、
Karaoke Box が入っている

ホウジアレーンの「hosier」とは、靴下や昔の男性用タイツ等を意味する「hose」と「~する者(職業を表す)」を意味す「ier」が合わさって出来上がった単語で、「男性用洋品商」や「靴下肌着類製造業者 / 販売業者」を意味している。現在、ホウジアレーンの両側には、オフィスビル等が建ち並んでいるが、以前、通り沿いに男性用洋品商が店を開いていて、それに因み、「ホウジアレーン」と名付けられたのかもしれない。

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