2018年3月24日土曜日

ロンドン リッチモンド(Richmond)-その2


ロンドン特別区の一つで、ロンドン南西部郊外のロンドン・リッチモンド・アポン・テムズ区(London Borough of Richmond upon Thames)内にあるリッチモンド(Richmond)の名は、薔薇戦争による混乱を解決して王位に就いたテューダー朝の初代イングランド王であるヘンリー7世(Henry VII:1457年ー1509年 在位期間:1485年ー1509年)が、16世紀(1501年頃)にこの地にリッチモンド宮殿(Richmond Palace)を建設したことに由来する。ヘンリー7世は、王位に就く前、リッチモンド伯爵(Earl of Richmond)という爵位で、宮殿の名前は、ヘンリー7世が王位に就く前の爵位に因んでいる。


1588年にスペイン無敵艦隊を打ち破って、黄金時代の統治者として後に称えられているテューダー朝の第5代にして最後の君主で、イングランドとアイルランドの女王であるエリザベス1世(Elizabeth I:1533年ー1603年 在位期間:1558年ー1603年)は、1603年3月24日、リッチモンド宮殿で死去、69歳の生涯を終えている。


18世紀に入り、テムズ河(River Thames)にリッチモンド橋(Richmond Bridge)が架けられ、リッチモンドグリーン(Richmond Green)と呼ばれる緑地帯やリッチモンドヒル(Richmond Hill)と呼ばれる高台に、ジョージア朝式のテラスハウスが多数建設される。
1846年にリッチモンド駅(Richmond Station)がオープンすると、ロンドンしないからリッチモンドへと流入する人口が増加する。
現在、リッチモンドは、ロンドン郊外にある高級住宅地の一つであり、町の南東には、広大な公園で、鹿も生息するリッチモンド公園(Richmond Park)が広がり、テムズ河沿いには、レストランや伝統的なパブ等が多数存在している。


リッチモンドは、以前、サリー州(Surrey)のキングストン・アポン・テムズ地区(Kingston upon Thames)にぞくしていたが、1890年に独立した区となった。1965年にはサリー州からロンドンの一部となり、現在は、ロンドン・リッチモンド・アポン・テムズ区に編入されている。

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