2015年5月16日土曜日

ロンドン ベンティンクストリート/ウェルベックストリート(Bentinck Street/Welbeck Street)

オックスフォードストリートへと向かうシャーロック・ホームズが
ジェイムズ・モリアーティー教授配下の者が乗った二頭立ての馬車に轢き殺されそうになった
ベンティンクストリートとウェルベックストリートの角

サー・アーサー・コナン・ドイル作「最後の事件(The Final Problem)」では、物語の冒頭、「犯罪界のナポレオン(Napoleon of crime)」と呼ばれるジェイムズ・モリアーティー教授(Professor James Moriarty)がベーカーストリート221Bのシャーロック・ホームズの元を訪れて、彼に自分から手を引くように告げる。しかし、ホームズはモリアーティー教授の忠告を拒否する。間髪を入れず、ホームズはモリアーティー教授配下の者に襲撃を受け、命を狙われるのである。1891年4月24日の夕刻、ジョン・ワトスンの診察室を訪れたホームズは次のような話をする。

ベンティンクストリートは東西に、また、
ウェルベックストリート南北に延びている

「ワトスン、モリアーティー教授は自分の足下に草(=自分に反抗する者)が生えるのをみすみす許すような輩ではないんだ。僕は昼間オックスフォードストリートへある仕事を済ませに行ったのだが、ベンティンクストリートからウェルベックストリートへと横切ろうとした時、二頭立ての馬車が角を曲がり暴走して来て、電光石火の如く僕に向かって来たのさ。咄嗟に、僕は歩道に飛び退いて、間一髪で難を逃れたんだ。その馬車は猛烈な勢いでマリルボーンレーンへと曲がり込んで、そのままアッと言う間に走り去ってしまったよ。」

'My dear Watson, Professor James Moriarty is not a man who lets the grass grow under his feet. I went out about midday to transact some business in Oxford Street. As I passed the corner which leads from Bentinck Street on to the Welbeck Street crossing a two-horse van furiously driven whizzed round and was on me like a flash. I sprung for the footpath and saved myself by the fraction of a second. The van dashed round by Marylebone Lane and was gone in an instant !'

ウェルベックストリートの北側から南側を望むー
ホームズが二頭立ての馬車に轢き殺されそうなったのは、右手前の角で、
馬車は画面手前から南下して来た後、
ベンティンクストリート(右手の通り)へと曲がり、
奥のマリルボーンレーンへと姿を消した

マリルボーンレーン(Marylebone Lane)は、ロンドンのマリルボーン地区(Marylebone)内にあるウェルベックストリート(Welbeck Street)と同じように南北に走る通りで、モリアーティー教授配下の者が乗った二頭立ての馬車はベンティンクストリート(Bentinck Street)とウェルベックストリートの角でホームズを轢き殺しそこねた後、ベンティンクストリートを駆け抜けて、マリルボーンレーンへと姿を消したのである。
ドイルの原作によると、ホームズはベーカーストリート221Bからオックスフォードストリート(Oxford Street)へ徒歩で向かっていたのでウェルベックストリートに向かって、ベンティンクストリートを西側から東側へと歩いていたことになる。よって、ホームズが間一髪で二頭立ての馬車に轢き殺されるのを逃れた場所は、ベンティンクストリートがウェルベックストリートにぶつかるT字路の北側の角と言える。おそらく、二頭立ての馬車はホームズの跡をつけて、ウェルベックストリートとクイーンアンストリート(Queen Anne Street)の角辺りで待機していたのではないだろうか?そして、ウェルベックストリートを一気に南下して、ホームズを轢き殺そうとしたものと思われる。

左手の通りがウェルベックストリートで、
右手の通りがクイーンアンストリートー
ジェイムズ・モリアーティー教授配下の者が乗った
二頭立ての馬車はこの角で待機していたものと思われる

ウェルベックストリートは、北側にニューキャヴェンディッシュストリート(New Cavendish Street)に、南側にヘンリエッタプレイス(Henrietta Place)に接していて、レストランやショップ等が立ち並ぶマリルボーンハイストリート(Marylebone High Street)から一本奥(東側)に入ったところなので、割合と静かな通りである。ただ、ウェルベックストリート沿いには、立地の関係で、家賃の高いマリルボーンハイストリートに進出できないホテルが数軒あるため、タクシー等の往来はまあま多い。ウェルベックストリートは、現在、北側から南側への一方通行になっており、マリルボーンハイストリートの混雑を避けるタクシーや一般車がウィグモアストリート(Wigmore Street)やその先のオックスフォードストリートへの抜け道として利用している。
また、ウェルベックストリートは、開業医や歯科医が多いハーレーストリート(Harley Street)にも近いため、医療関係の施設(ロンドン・ウェルベック病院(London Welbeck Hospital)等)もいくつか点在している。

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