2015年1月17日土曜日

ロンドン ドレイパーズガーデンズ(Drapers' Gardens)

ドレイパーズガーデンズ近辺ー
スロッグモートンアベニュー(Throgmorton Avenue)と
オースティンフライアーズ通り(Austin Friars)が交差する角

サー・アーサー・コナン・ドイル作「株式仲買店員(The Stockbroker's Clerk)」の前半、バーミンガム(Birmingham)へ向かう一等車の内で、今回の事件の依頼人であるホール・パイクロフト(Hall Pycroft)がシャーロック・ホームズとジョン・ワトスンに対して、自分が一体どんな窮地に陥り、ホームズの元を訪ねるに至ったかについて語り始める。

ドレイパーズガーデンズ近くにひっそりとある庭園

「私はドイレパーズガーデンズにあるコクソン・アンド・ウッドハウス商会に勤めておりました。御記憶かと思いますが、ヴェネズエラ公債の件で、今年の春の初め頃、商会は多額の負債を背負って、倒産しました。私は5年間商会に勤務してきましたので、倒産の際、店主のコクソンさんは私のために立派な推薦状を書いてくれました。もちろん、27人の店員全員が同時に路頭に迷うことになった訳で、いろいろとあたってみましたが、私と同じような境遇の連中が他にも大勢居るため、長い間、私は次の職を見つけることができませんでした。」
'I used to have a billet at Coxon & Woodhouse's, of Drapers' Gardens, but they were let in early in the spring through the Venezuelan loan, as no doubt you remember, and came a nasty cropper. I had been with them five years, and old Coxon gave me a ripping good testimonial when the smash came, but of course we clerks were all turned adrift, the twenty-seven of us, I tried here and there, but there were lots of other chaps on the same lay as myself, and it was a perfect frost for a long time.'

画面奥に聳え立っている近代的なビルは、
ドレイパーズホール(Drapers' Hall)

パイクロフト氏が勤務していたコクソン・アンド・ウッドハウス商会があったドレイパーズガーデンズ(Drapers' Gardens)は、ロンドンの金融街シティー(City)内に所在している。具体的には、西はムーアゲート通り(Moorgate)、北はロンドンウォール通り(London Wall)、東はオールドブロードストリート(Old Broad Street)、そして南はスロッグモートンストリート(Throgmorton Street)に囲まれた地域内の一角である。イングランド銀行(Bank of England)の裏手(北側)に該る。

ドレーパーズガーデンズに建つ高層ビル「ブラックロック」

イングランド銀行の近辺には、以前、ロンドン証券取引所(London Stock Exchangeー現在は、セントポール大聖堂(St. Paul's Cathedral)の近くに、三菱地所が再開発したパタノスタースクエア(Paternoster Square)へ移転済)があったため、ドレイパーズガーデンズ辺りには株式仲買店主や店員達の住居が集中していたそうで、袋小路や幅の狭い通り(車の通り抜けができないものもある)等がいまだに残っている。
ただ、この辺りも、シティーに押し寄せる不動産再開発の波には抵抗できず、いくつかの古いビルが取り壊されて、新しいビルの建設が進んでいる。ドレイパーズガーデンズも例外ではなく、近年再開発されて、「ブラックロック(BlackRock)」と命名された高層ビルが聳え立っている。

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