2020年5月24日日曜日

キャサリン・ハーカップ作「アガサ・クリスティーと14の毒薬」(A is for Arsenic - The Poisons of Agatha Christie by Kathryn Harkup)–その2

早川書房から出版されているハヤカワ文庫版
アガサ・クリスティー作「エッジウェア卿の死」の表紙
なお、カバー画は、真鍋 博氏(1932年ー2000年)

英国の化学者で、サイエンスライターであるキャサリン・ハーカップ(Kathryn Harkup)が執筆した「アガサ・クリスティーと14の毒薬(A is for Arsenic - The Poisons of Agatha Christie)」では、「ミステリーの女王」と呼ばれるアガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年 旧姓:ミラー(Miller))が彼女の推理小説中で使用した以下の14の毒薬について、固有の特徴やエピソード等を含め、紹介されている。

(1)「ヒ素:殺人は容易だ(ノンシリーズ長編)」
   (A is for Arsenic - Murder is Easy)
(2)「ベラドンナ:ヘラクレスの冒険(エルキュール・ポワロシリーズ短編集)」
   (B is for Belladonna - The Labours of Hercules)
(3)「青酸カリ:忘れられぬ死(ノンシリーズ長編)」
   (C is for Cyanide - Sparkling Cyanide)
(4)「ジギタリス:死との約束(エルキュール・ポワロシリーズ長編)」
   (D is for Digitalis - Appointment with Death)
(5)「エゼリン:ねじれた家(ノンシリーズ長編)」
   (E is for Eserine - Crooked House)
(6)「ドクニンジン:五匹の子豚(エルキュール・ポワロシリーズ長編)」
   (H is for Hemlock - Five Little Pigs)
(7)「トリカブト:パディントン発4時50分(ミスマープルシリーズ長編)」
   (M is for Monkshood - 4:50 from Paddington)
(8)「ニコチン:三幕の悲劇(エルキュール・ポワロシリーズ長編)」
   (N is for Nicotine - Three Act Tragedy)
(9)「アヘン:杉の柩(エルキュール・ポワロシリーズ長編)」
   (O is for Opium - Sad Cypress)
(10)「リン:もの言えぬ証人(エルキュール・ポワロシリーズ長編)」
      (P is for Phosphorus - Dumb Witness)
(11)「リシン:おしどり探偵(トミー&タペンスシリーズ短編集)」
      (R is for Ricin - Partners in Crime)
(12)「ストリキニーネ:スタイルズ荘の怪事件(エルキュール・ポワロシリーズ長編)」
    (S is for Strychnine - The Mysterious Affair at Styles)
(13)「タリウム:蒼ざめた馬(ノンシリーズ長編)」
      (T is for Thallium - The Pale Horse)
(14)「ベロナール:エッジウェア卿の死(エルキュール・ポワロシリーズ長編)」
      (V is for Veronal - Lord Edgware Dies)

「アガサ・クリスティーと14の毒薬」には、付録として、

(1)アガサ・クリスティーによる全作品(推理小説のみ)における殺害方法(毒殺を含む)
(2)本作で紹介した毒薬の化学構造式

が添付されている。

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