2018年6月9日土曜日

ロンドン ギルップールストリート(Giltspur Street)–その1

ホルボーン高架橋通り(西側) / ニューゲートストリート(東側)方面から
ギルップールストリートを北へ眺めたところ–
画面右手前のビルには Bank of America Merrill Lynch が入居しており、
画面右手奥にはセントバーソロミュー病院がある

米国の推理作家で、「不可能犯罪の巨匠」とも呼ばれているジョン・ディクスン・カー(John Dickson Carr:1906年ー1977年)が、別のペンネームであるカーター・ディクスン(Carter Dickson)名義で発表した長編第2作目で、ヘンリー・メルヴェール卿(Sir Henry Merrivale)が探偵役を務める長編第1作目となる「黒死荘の殺人(The Plague Court Murder→2018年5月6日 / 5月12日付ブログで紹介済)」では、降霊会の最中、黒死荘の庭に建つ石室内において、心霊学者のロジャー・ダーワース(Roger Darworth)が血の海の中で無残にも事切れていた。石室は厳重に戸締りされている上に、石室の周囲には、足跡が何も残されていなかった。それに加えて、殺害されたロジャー・ダーワースの傍らには、前日の午後、ロンドン博物館から盗まれた曰く付きの短剣が真っ赤な血に染まって残されていたのである。


創元推理文庫版「黒死荘の殺人」(南條竹則氏 / 高沢治氏訳)によると、『ハリディ(ディーン・ハリディ(Dean Halliday)ー黒死荘の現当主)は先頭に立ち、ギルップールストリートを歩き始めた。』と記されており、ニューゲートストリート(Newgate Street→2018年5月19日付ブログで紹介済)の角で、タクシーを降りたディーン・ハリディ、本編の語り手であるケン・ブレーク(Ken Blake)とスコットランドヤードのハンフリー・マスターズ主任警部(Chief Inspector Humphery Masters)の3人は、黒死荘へ向かうべく、ギルップールストリート(Giltspur Street)を北上することになる。

スミスフィールドマーケット側からギルップールストリートを望む–
ここからギルップールストリートの北側が始まる
ギルップールストリートを南下する–
画面中央奥に見える建物が中央刑事裁判所

ギルップールストリートは、ロンドンの経済活動の中心地であるシティー・オブ・ロンドン(City of London)内に所在して、南北に延びる通りである。

ギルップールストリートの中間辺り(西側)に建つオフィスビル
Bank of America Merrill Lynch が入居しているオフィスビル–
メイン玄関は、ニューゲートストリートに面している

ギルップールストリートの南側は、ニューゲートストリート<東側>、オールドベイリー通り(Old Baileyー中央刑事裁判所(Central Criminal Court→2016年1月17日付ブログで紹介済)が建っている通り)<南側>およびホルボーン高架橋通り(Holborn Viaduct)<西側>が交差する四つ角から始まり、サー・アーサー・コナン・ドイル作「緋色の研究(A Study in Scarlet)」において、シャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンが初めて出会ったセントバーソロミュー病院(St. Bartholomew’s Hospital→2014年6月14日付ブログで紹介済)を右手(東側)に見て北上し、その北側は肉市場として有名なスミスフィールドマーケット(Smithfield Market)と呼ばれるロータリーに突き当たって終わっている。

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