2014年10月4日土曜日

ロンドン セントジェイムズホール(St. James's Hall)

夕闇に浮かぶル・メリディアン・ピカデリー・ホテル

サー・アーサー・コナンドイルの「赤毛組合(The Red-Headed League)」の中で、ベーカーストリート221Bに相談に訪れた質屋(pawnbroker)のジェイベス・ウィルスン(Jabez Wilson)が帰った後、シャーロック・ホームズはジョン・ワトスンをセントジェイムズホール(St. James's Hall)に誘う。

昼間のル・メリディアン・ピカデリー・ホテルの建物正面

その日の午後、セントジェイムズホールで、スペイン出身の作曲家兼ヴァイオリン奏者であるパブロ・マルティン・メリトン・デ・サラサーテ・イ・ナバスクエス(Pablo Martin Meliton de Sarasate y Navascuez:1844年ー1908年)の演奏会があると言うのだ。ホームズ曰く、「今日のプログラムは、ドイツの曲が多い。イタリアやフランスの曲よりも、ドイツの曲の方が、僕の趣味に合うんだ。ドイツの曲は内省的で、僕は今、内に向かいたい気分なんだ。(I observe that there is a good deal of German music on the programme, which is rather more to my taste than Italian or French. It is introspective, and I want to introspect.)」とのこと。
ホームズとワトスンは、ジェイベス・ウィルスンの質屋の様子を見に行った後、昼食をとってから、セントジェイムズホールへ向かった。

ピカデリーサーカス方面から見た
ル・メリディアン・ピカデリー・ホテルの正面玄関

残念ながら、セントジェイムズホールは現存しておらず、ホテルに様変わりしている。ピカデリーサーカス(Piccadilly Circus)からハイドパーク(Hyde Park)に向かって西に延びるピカデリー通り(Piccadilly)の北側に建っている、ル・メリディアン・ピカデリー・ホテル(Le Meridien Piccadilly Hotel)がそれである。現在の住所表記では、「21 Piccadilly, Mayfair, London W1J 0BH」である。

夕日に映えるセントジェイムズ教会

また、ピカデリー通りを挟んで、ホテルの右斜め前に、セントジェイムズ教会(St. James's Church)がある。この教会は、セントポール大聖堂(St. Paul's Cathedral)やフリートストリート沿いのセントブライド教会(St. Bride Church)等を設計したクリストファー・レン卿(Chirstopher Wren:1632年ー1723年)が完成させたものである。ロンドン大火(1666年)の際は、被害を免れたものの、第二次世界対戦(1939年−1945年)の最中、1940年にドイツ軍による激しい爆撃を受けたため、その後修復されている。

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