2024年9月11日水曜日

ミス・マープルの世界<ジグソーパズル>(The World of Miss Marple )- その15B

ビル・ブラッグ氏Mr. Bill Braggが描く
ミス・マープルシリーズの長編第7作目である
「パディントン駅発4時50分」の一場面


ビル・ブラッグ氏によるイラストには、

ロンドンのパディントン駅を午後4時50分に出た列車に乗る

エルスペス・マギリカディー夫人が、

隣りの線路を同じ方向へ並走する列車のある車窓内で、

こちらに背中を向けた男が、

金髪の女性の首を絞めている瞬間を目撃するシーンが描かれている。

Harper Collins Publishers 社から出版されている

「パディントン駅発4時50分」のペーパーバック版の表紙には、

ビル・ブラッグ氏によるイラストが、

列車の乗車券の形に切り取られているものが使用されている。


ロンドン市内でクリスマス用の買い物を終えたエルスペス・マギリカディー夫人(Mrs. Elspeth McGillicuddy)は、セントメアリーミード(St. Mary Mead)に住む友人のミス・マープルに会いに行くために、パディントン駅(Paddington Station → 2014年8月3日付ブログで紹介済)発午後4時50分の列車に乗った。

彼女が乗った列車は、隣りの線路を同じ方向へ走る列車に並んだ。並走する列車のある車窓のブラインドが上がっており、マギリカディー夫人は、そこに驚くべき瞬間を目撃した。なんと、こちらに背中を向けた男が、金髪の女性の首を絞めている現場だったのである。

すぐさま、マギリカディー夫人は、車掌に対して、今目撃した内容を報告した。


ミス・マープルの家を訪れたマギリカディー夫人は、彼女にも、列車内で目撃した内容を話した。マギリカディー夫人から経緯を聞いたミス・マープルは、彼女の話を信じたが、翌日の朝刊には、それらしき記事が載っていなかった。

ミス・マープルとマギリカディー夫人の2人は、地元の警察を訪ねて、事件の経緯を話したものの、警察による捜査の結果、列車内にも、線路周辺にも、該当する女性の死体は発見されなかった。


上記の結果を受けて、ミス・マープルは、殺人犯は列車内で絞殺した女性の死体を列車から投げ落としたものと考えた。そうすると、ブラックハンプトン駅の手前で線路が大きくカーブしている地点にあるラザフォードホール(Rutherford Hall)が、正にその場所だと思われた。ラザフォードホールは、現在、クラッケンソープ家(Crackenthorpe family)が所有していた。


ジズソーパズルの右下で、
右手にカクテル(Planter's Punch)を持ち、
左手で自分の口元を押さえている女性が、
ルーシー・アイルズバロウ。


そこで、ミス・マープルは、旧知の家政婦で、若いベテラン料理人であるルーシー・アイルズバロウ(Lucy Eyelesbarrow → 2024年8月10日付ブログで紹介済)に対して、クラッケンソープ家の家政婦として潜入して、マギリカディー夫人が目撃した女性の死体を探すように依頼した。

ミス・マープルの依頼に興味を覚えて、クラッケンソープ家の家政婦として採用されたルーシー・アイルズバロウは、数日後、ラザフォードホールの納屋の中にある石棺内に、マギリカディー夫人が目撃した女性の死体を発見したのである。


(40)ゴルフクラブ(golf clubs)



ミス・マープルの依頼に応じて、クラッケンソープ家の家政婦として採用されることに成功したルーシー・アイルズバロウは、家政婦としての仕事中に、また、休憩時間を使い、外でゴルフ等をしながら、ラザフォードホールの内外を捜索する。そして、数日後、彼女は、ラザフォードホールの納屋の中にある石棺内に、マギリカディー夫人が目撃した女性の死体を発見したのである。


(41)化粧用コンパクト(make-up compact)



クラッケンソープ家の家政婦として採用されたルーシー・アイルズバロウは、ラザフォードホール内において、女性用コートの毛皮と化粧用コンパクトが隠されているのを発見する。彼女がこれらをミス・マープルの元へ持参したところ、マギリカディー夫人が目撃した女性の所持品に間違いないとの結論だった。


(42)カクテル用水差し(cocktail jug)



カクテル用水差しは、クラッケンソープ家が住むラザフォードホールにおいて使用されているものである。


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