2021年6月7日月曜日

グレイストーク卿ジョン・クレイトン(John Clayton, Lord Greystoke)

英国の Titan Publishing Group Ltd. の Titan Books 部門から出版されている
フィリップ・ホセ・ファーマー作「シャーロック・ホームズの更なる冒険 / 無双の貴族」の
表紙に描かれている「ターザン / グレイストーク卿ジョン・クレイトン」 -
彼は、背後からライオンを捕まえて、ナイフで倒そうとしている。 

米国の SF 作家 / ファンタジー作家であるフィリップ・ホセ・ファーマー(Philip Jose Farmer:1918年ー2009年)が執筆した「シャーロック・ホームズの更なる冒険 / 無双の貴族(The further adventures of Sherlock Holmes / The Peerless Peer)」において、アフリカを舞台に、ドイツ人スパイであるフォン・ボルク(Von Bork → 「最後の挨拶(His Last Bow)」(1917年)に登場)が英国から奪ったある重要な化学式を取り戻すべく、シャーロック・ホームズとジョン・ワトスンに協力するのが、ターザン(Tarzan)こと、グレイストーク卿ジョン・クレイトン(John Clayton, Lord Greystoke)である。


ターザン / グレイストーク卿ジョン・クレイトンは、元々、 米国の小説家であるエドガー・ライス・バローズ(Edgar Rice Burroughs:1875年ー1950年)が創造したキャラクターで、バローズが発表した「ターザン」シリーズにおいて、主に主人公を務めているが、作品によっては、脇役として登場することもある。


彼の両親は、英国貴族のグレイストーク卿ジョン・クレイトン(John Clayton, Lord Greystoke)とアリス・ラザフォードである。

グレイストーク卿夫妻は、赴任先の英国領西アフリカへ向かうため、1888年5月に出航。ところが、その航海途中、船員の反乱に遭遇した結果、夫妻はアフリカの西海岸に置き去りにされてしまう。ターザンは、夫妻が海岸に建てた小屋で出生した。

グレイストーク 夫妻は、英国領西アフリカへ船出する3ヶ月前に結婚しているため、ターザンの生年については、1888年、あるいは、1889年である。なお、前述のフィリップ・ホセ・ファーマーは、1888年説を採っている。


ターザンが1歳の時、母親を亡くし、その後、父親を類人猿カーチャク(Kerchak)に殺された。ターザンは、子供を亡くしたばかりの類人猿カラ(Kala)に救われ、養母となったカラの庇護の下、ターザンは野生児として育った。

なお、「ターザン」というのは、カラがつけた名前で、類人猿の言葉によると、「白い肌(White Skin)」を意味する、とのこと。ターザンは、成人後、指紋鑑定により、グレーストーク卿ジョン・クレイトンの子息であることが判明したため、その後は、(両親から命名されていないので、)父親の名前をそのまま受け継いでいる。


ターザン / グレイストーク卿ジョン・クレイトンは、筋骨たくましく、ジャングルに適応して、視覚 / 聴覚 / 嗅覚が鋭く、野生動物並みである。また、超人的な戦闘力も有していて、ナイフだけでライオンを倒すことができる。


映画版とは異なり、小説版では、ターザン / グレイストーク卿ジョン・クレイトンの頭脳は明晰であり、養母となったカラから類人猿の言語(口語)を覚えるとともに、父親のグレーストーク卿ジョン・クレイトンが残した書物や辞書等から英語(文語)を独学で学んだ。成人後、フランス海軍所属で、友人となるポール・ダルノー中尉からフランス語(口語)を教わり、その後、英語(口語)も習得した。以降、ラテン語、アラビア語やドイツ語に加えて、アフリカの原住民の複数の方言等、数ヶ国語を習得するのである。


上記の通り、ターザン / グレイストーク卿ジョン・クレイトンは、野生児として育ちつつ、成人後、文明社会に接していくことにより、野性社会と文明社会の両方に惹かれながら、どちらに対しても、完全には馴染みきれないという自己矛盾を抱えていく。


ターザン / グレイストーク卿ジョン・クレイトンは、米国人のジェーン・ポーターと出会い、息子のジャック・クレイトンが生まれる。

息子のジャックは、類人猿の言葉で「殺し屋」を意味する「コラク」と呼ばれる勇ましい戦士として成長し、フランス人(フランス王家の血筋に該る)で、アラブ人の養女であるメリーム(本名:ジェンヌ・ジャコー)と知り合い、ターザン / グレイストーク卿ジョン・クレイトンの孫となる男の子(名前は不明)が生まれるのである。


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