2015年7月18日土曜日

ロンドン コンデュイットストリート(Conduit Street)

ニューボンドストリート側から見たコンデュイットストリート

サー・アーサー・コナン・ドイル作「空き家の冒険(The Emputy House)」では、3年間の空白期間を経て、ロンドンへ無事に帰還したシャーロック・ホームズは、ジェイムズ・モリアーティー教授(Professor James Moriarty)の右腕セバスチャン・モラン大佐(Colonel Sebastian Moran)に罠を仕掛け、ジョン・ワトスンとレストレード警部(Inspector Lestrade)と一緒に、ベーカーストリート221Bの真向かいにある空き家で彼を逮捕するに至った。その後、ワトスンと共にベーカーストリート221Bに戻ったホームズは椅子にもたれ、葉巻から煙を吐きながら、自分の人物索引のページをめくり始めた。


「僕のMのコレクションは素晴らしいな。」と、ホームズは言った。「モリアーティー教授だけで、他の文字のコレクションよりも遥かに輝かしいと言えるよ。ここには、毒殺魔のモーガン、思い出すのも忌まわしいメリデュー、チャリングクロス駅の待合室で僕の左犬歯を折ったマシューズ、そして、最後に今夜逮捕した我らが友人だ。」
ホームズは私に人物索引を手渡した。そこには、次のように書かれていた。
セバスチャン・モーガン、大佐、無職、元第一バンガロール工兵、1840年ロンドン生まれ、バース勲章を叙勲した元英国ペルシア大使だったオーガスタス・モラン卿の息子、イートンとオックスフォードで教育を受ける、ジョワキ戦役、アフガン戦役、チャラシアブ(派兵)、シェルプル、カブール、著作:「西ヒマラヤの猛獣」(1881年)と「ジャングルでの3ヶ月」(1884年)、住所:コンデュイットストリート、クラブ:アングロ・インディアン、タンカーヴィル、バガテル・カード・クラブ
人物索引の余白には、ホームズの几帳面な筆跡で、次のように書き込みがあった。
「ロンドンで2番目に危険な男」

コンデュイットストリートの中間辺りから
リージェントストリート方面を望む

'My collection of M's is a fine one,' said he. 'Moriarty himself is enough to make any letter illustrious, and here is Morgan of the poisoner, and Merridew of abominable memory, and Mathews, who knocked my left canine in the waiting-room at Charing Cross, and finally, here is our friend of tonight.'
He handed over the book, and I read: 'Moran, Sebastian, Col. Unemployed. Formerly 1st Bengalore Pioneers. Born London, 1840. Son of Sir Augustus Moran, C.B. (= The Order of Bath), once British Minister to Persia. Educated Eton and Oxford. Served in Jowaki Campaign, Afghan Campaign, Charasiab (despatches), Sherpur, and Cabul. Author of Heavy Game of the Western Himalayas, 1881; Three Months in the Jungle, 1884. Address: Conduit Street. Club: The Anglo-Indian, the Tankerville, the Bagatelle Card Club.'
On the margin was written, in Holmes's precise hand: 'The second most dangerous man in London.'

ニューボンドストリートとオールドボンドストリート(Old Bond Street)を繫ぐ歩道には、
第二次世界大戦時に両国を指揮した英首相ウィンストン・チャーチル(Winston Churchill)と
米大統領フランクリン・ルーズヴェルト(Franklin Roosevelt)のブロンズ像が設置されている

セバスチャン・モラン大佐が住んでいたとされるコンデュイットストリート(Conduit Street)は、ロンドンの高級地区メイフェア(Mayfair)内にあり、ピカデリーサーカス(Piccadilly Circus)からオックスフォードサーカス(Oxford Circus)へと南北に延びるリージェントストリート(Regent Street)をオックスフォードサーカスの少し手前で左(=西)へ曲がったところにある通りである。コンデュイットストリートの東側はリージェントストリートから始まり、西側はニューボンドストリート(New Bond Street)と交差したところで終わっている。

タクシーやハイヤーが頻繁に到着するホテル「ザ・ウェストバリー」

東西にあるリージェントストリートとニューボンドストリートはショッピング街となっており、これら2つの通りを結ぶコンデュイットストリートの両側にも、各種店舗が軒を連ねている。また、コンデュイットストリートとニューボンドストリートが交差する南東の角に、「ザ・ウエストバリー(The Westbury)」という老舗のホテルが建っている。

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