2014年6月21日土曜日

ロンドン レスタースクエア(Leicester Square)

アガサ・クリスティー記念碑の全景

 トラファルガースクエア(Trafalgar Square)やナショナルギャラリー(National Gallery)の北側にあるレスタースクエア(Leicester Square)やコヴェントガーデン(Covent Garden)には、ロンドンの劇場が数多く集中している。レスタースクエアの中心部、クランボーンストリート(Cranbourn Street)、グレートニューポートストリート(Great Newport Street)とチャリングクロスロード(Charing Cross Road)の3つの通りに囲まれた三角地帯に、アガサ・クリスティー(Agatha Christie)の記念碑が置かれている。この記念碑から徒歩で5分程北上したところに、セントマーティン劇場(St. Martin's Theatre)があり、ここでは、クリスティーの戯曲「ネズミ捕り(The Mousetrap)」が、1952年11月25日の初演以来、記録的なロングランを続けている。そういうわけで、セントマーティンズシアターの近くに、クリスティーの記念碑が置かれているのだろう。

アガサ・クリスティー記念碑の表側(トラファルガースクエアに面した側)

記念碑は、クリスティーへの敬意を表して、本の形をしている。その表側(トラファルガースクエアに面した側)には、クリスティーの右を向いた横顔が刻まれており、裏側(セントマーティンズ劇場に面した側)には、彼女が世に送り出した二大名探偵のエルキュール・ポワロ(Hercule Poirot)とジェーン・マープル(Jane Marple)が、「ナイルに死す(Death on the Nile)」(1937年)の舞台となったエジプトのピラミッドやスフィンクス、「オリエント急行の殺人(Murder on the Orient Express)」の舞台となったオリエント急行(1934年)等と一緒に描かれている。

アガサ・クリスティー記念碑の裏側(セントマーティンズ劇場に面した側)ー
エルキュール・ポワロが左側に、ミス・マープルが右側に居る

主にロンドンを活躍の舞台にしたシャーロック・ホームズに比べると、ロンドンにおけるアガサ・クリスティー関係の名所というのは、意外に少ないというか、あまり知られていないように感じる。ホームズがあまりにも有名過ぎるせいだろうか?この記念碑に関しても、用事があってこの界隈に来たりすることがあるが、以前には気付かなかったので、ここ数年内に設置されたのではないかと思う。ただ、新聞やTV等での報道を見たことがないので、それ程大々的には宣伝されていないと思われる。この記念碑を写真におさめている間も、周囲をロンドン市民や観光客等が数多く通り過ぎるものの、記念碑に興味を示す人はほとんど居らず、探偵小説ファンとしてはとても残念である。

ホームズは世界的にあまりにも有名であるので、サー・アーサー・コナン・ドイルの原作を全く読んだことがなくても、一般的に、それなりの興味は示されるが、現在の英国においては、クリスティーの作品を読む人は非常に少ないのだろう。当地の大手本屋ウォーターストーンズ(Waterstones)等に行くと、推理小説コーナーでは、必ずと言ってよい程、シャーロック・ホームズとアガサ・クリスティーのコーナーは大きくスペースが確保されているが、残念ながら、これらのコーナーに人が居るのを見るのことは稀である。周囲の関心のなさに、少し悲しい気持ちになった。また、静かな生活を好んだクリスティーにとって、交通の往来が激しいこの三角地帯は、さぞかし騒がしいのではないかと、可哀想な気もする。

0 件のコメント:

コメントを投稿