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| 英国の Harper Collins Publishers 社から現在出版されている アガサ・クリスティー作「ポワロ登場」の ペーパーバック版の表紙 - 血溜まりの上に落ちている拳銃が、 エルキュール・ポワロが冠る帽子の形に切り取られている。 |
アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)が1924年に発表した自身最初の短編集で、かつ、エルキュール・ポワロ(Hercule Poirot → 2025年10月11日付ブログで紹介済)シリーズの最初の短編集でもある「ポワロ登場(Poirot Investigates)」には、以下の作品が収録されている。
<収録作品>
(A)西洋の星盗難事件(The Adventure of the Western Star)
(B)マースドン荘園の悲劇(The Tragedy at Marsdon Manor)
(C)安いフラットの冒険(The Adventure of the Cheap Flat)
(D)狩人荘の怪事件(The Mystery of Hunter’s Lodge)
(E)百万ドル債券盗難事件(The Million Dollar Bond Robbery)
(F)エジプト墳墓の謎(The Adventure of the Egyptian Tomb)
(G)グランドメトロポリタンの宝石盗難事件(The Jewel Robbery at the Grand Metropolitan)
(H)首相誘拐事件(The Kidnapped Prime Minister)
(I)ダヴンハイム氏の失踪(The Disappearance of Mr. Davenheim)
(J)イタリア貴族殺害事件(The Adventure of the Italian Nobleman)
(K)謎の遺言書(The Case of the Missing Will)
(L)ヴェールをかけた女(The Veiled Lady)
(M)消えた廃坑(The Lost Mine)
(N)チョコレートの箱(The Chocolate Box)
いずれの短編も、アガサ・クリスティーが1923年に英国の雑誌「スケッチ(The Sketch)」に掲載した作品であるが、掲載日順に並び替えると、以下のようになる。
<雑誌「スケッチ」への掲載日順>
(G)グランドメトロポリタンの宝石盗難事件(The Jewel Robbery at the Grand Metropolitan)/ 1923年3月14日
(I)ダヴンハイム氏の失踪(The Disappearance of Mr. Davenheim)/ 1923年3月28日
(A)西洋の星盗難事件(The Adventure of the Western Star)/ 1923年4月11日
(B)マースドン荘園の悲劇(The Tragedy at Marsdon Manor)/ 1934年4月18日
(H)首相誘拐事件(The Kidnapped Prime Minister)/ 1923年4月25日
(E)百万ドル債券盗難事件(The Million Dollar Bond Robbery)/ 1923年5月2日
(C)安いフラットの冒険(The Adventure of the Cheap Flat)/ 1923年5月9日
(D)狩人荘の怪事件(The Mystery of Hunter’s Lodge)/ 1923年5月16日
(N)チョコレートの箱(The Chocolate Box)/ 1923年5月23日
(F)エジプト墳墓の謎(The Adventure of the Egyptian Tomb)/ 1923年9月26日
(L)ヴェールをかけた女(The Veiled Lady)/ 1923年10月3日
(J)イタリア貴族殺害事件(The Adventure of the Italian Nobleman)/ 1923年10月24日
(K)謎の遺言書(The Case of the Missing Will)/ 1923年10月31日
(M)消えた廃坑(The Lost Mine)/ 1923年11月21日
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| ジグソーパズル「エルキュール・ポワロの世界」の完成形 <筆者撮影> |
(15)ベルギー警察の帽子(Belgian police force)
アーサー・ヘイスティングス大尉(Captain Arthur Hastings - 30歳 → 2025年10月12日付ブログで紹介済)がポワロに対して「これまでに失敗したことがあるのかい?(Have you ever failed?)」と尋ねると、ポワロはこれを否定。そして、ポワロは、彼がベルギー警察の刑事課に所属していた際に関与した「チョコレートの箱」事件を語り出す。
(16)チョコレートが入った箱(chocolate box)
フランス系ベルギー人で、次期大臣の呼び声が高かった代議士のポール・デルラール(Paul Deroulard)が、亡き妻が遺したブラッセル(Brussels)の屋敷に置いて、心臓麻痺(heart-failure)で死亡。
当初、彼の死去は自然死だと思われたが、彼の亡き妻の従姉妹であるヴィルジニー・メスナール(Virgine Mesnard)が休暇中のポワロの元を訪れて、調査を依頼。
彼女の依頼を受けて、調査を開始したポワロは、代議士のポール・デルラールが、毎晩食後に食べるチョコレートに仕込まれた血圧の薬であるトリニトリン(trinitrin)により死亡したことを突き止める。
(17)偽の顎髭(false beard)
「ダヴンハイム氏の失踪」事件において、銀行家のダヴンハイム氏(Mr. Davenheim)は、自分の銀行の経営難を知り、新しい生活を始める準備のために、髪を長くし、偽の口髭と顎髭を蓄えて、周囲の人達に印象付けていた。
(18)ダイヤモンド「西洋の星」(Western Star diamond)
ロンドンを訪れた米国の有名な女優であるメアリー・マーヴェル(Mary Marvell)は、宿泊先のホテルからダイヤモンド「西洋の星」を、何者かに盗まれる。
ダイヤモンド「西洋の星」は、彼女の夫であるグレゴリー・ロルフ(Gregory Rolf)が、3年前にサンフランシスコ(San Francisco)である中国人から購入して、彼女に贈ったものだった。







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