2025年11月25日火曜日

エドガー・アラン・ポー作「赤死病の仮面」<小説版>(The Masque of the Red Death by Edgar Allan Poe )- その1

パリ・オペラ座であるガルニエ宮で仮面舞踏劇が行われた際、
「オペラ座の怪人」と呼ばれるエリック(Erik)が、髑髏の仮面に赤い衣装を纏い、
皆の前に姿を見せた場面 -

JET によるガストン・ルルー作「オペラ座の怪人」の
グラフィックノベル版から抜粋。


ゴシック小説「オペラ座の怪人(Le Fantome de l’Opera → 2025年10月18日 / 10月22日 / 11月20日付ブログで紹介済)」は、フランスの小説家 / 新聞記者であるガストン・ルイス・アルフレッド・ルルー(Gaston Louis Alfred Leroux:1868年ー1927年 → 2017年9月10日付ブログで紹介済)により、1909年9月23日から1910年1月8日まで日刊紙「ル・ゴロワ(Le Gaulois)」に連載された後、1910年3月にピエール・ラフィット社(Pierre Lafitte)から出版された。


補整を施した上で、
1995年に株式会社角川書店から出版された
JET によるガストン・ルルー作「オペラ座の怪人」の
グラフィックノベル版のカバー表紙


ガストン・ルルー作「オペラ座の怪人」のグラフィックノベル版(→ 2025年11月21日 / 11月22日付ブログで紹介済)は、日本の女性漫画家である JET(本名:門脇 佳代 / 年齢不詳 / 1985年にデビュー)により、「ハロウィン」の1990年9月号に発表されている。

なお、JET によるガストン・ルルー作「オペラ座の怪人」のグラフィックノベル版は、日本の出版社である株式会社t東京創元社から出ている創元推理文庫「オペラ座の怪人」(三輪 秀彦訳)をベースにしている。


ガストン・ルルー作「オペラ座の怪人」の後半、パリ・オペラ座であるガルニエ宮(Palais Garnier)において、仮面舞踏劇が行われた際、「オペラ座の怪人(The Phantom of the Opera / Opera Ghost)」と呼ばれる謎の怪人は、髑髏の仮面に赤い衣装を纏い、皆の前に姿を見せた。

この「オペラ座の怪人」の姿は、エドガー・アラン・ポー(Edgar Allan Poe → 2022年12月31日付ブログで紹介済)作短編「赤死病の仮面The Masque of the Red Death)」を想起させる。


ジグソーパズル「シャーロック・ホームズの世界(The World of Sherlock Holmes)」において、
レストレイド警部(Inspector Lestrade)が乗る巡視艇の近くに架かっている橋の上に、
エドガー・アラン・ポーが立っている。
<筆者撮影>


エドガー・アラン・ポーは、米国の小説家/詩人で、かつ、雑誌編集者で、名探偵の C・オーギュスト・デュパン(C. Auguste Dupin → 2017年12月4日付ブログで紹介済)を生み出している。


Vintage Books から出版されている
エドガー・アラン・ポー作「モルグ街の殺人」の表紙 -
「マリー・ロジェの謎」と「盗まれた手紙」も含まれている。


デュパンが初登場した世界初の推理小説である「モルグ街の殺人(The Murders in the Rue Morgue)」は、ポー自身が編集主筆を務めていた「グラハムズ マガジン(Graham's Magazine)」の1841年4月号に掲載された。

「グラハムズ・マガジン」は、米国フィラデルフィア(Philadelphia)のジョージ・レックス・グラハム(George Rex Graham:1813年ー1894年)によって1841年に創刊され、ポーが初代の編集主筆を勤めたが、残念ながら、1858年に廃刊となった。


フランスで出版されている
エドガー・アラン・ポー作「モルグ街の殺人」のグラフィックノベル版の表紙 -
フランスでのタイトルは、
「Double assassinat dans la Rue Morgue(モルグ街の二重殺人)」


フランスで出版されている
エドガー・アラン・ポー作「モルグ街の殺人」のグラフィックノベル版の裏表紙 -
左側の人物が C・オーギュスト・デュパンで、
右側の人物が語り手である「私」。


デュパンが活躍するのは、他には、以下の短編小説の2編。

(1)「マリー・ロジェの謎(The Mystery of Marie Roget)」(1842年ー1843年)

(2)「盗まれた手紙(The Purloined Letter)」(1844年)

ポーが執筆して、これら3作品に登場させたデュパンは、サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年ー1930年)が半世紀後に生み出したシャーロック・ホームズの原型となったのである。ただし、「緋色の研究(A Study in Scarlet → 2016年7月30日付ブログで紹介済)」事件において、ホームズは、デュパンのことを酷評している。


カナダで出版されたエドガー・アラン・ポー作の詩「大鴉(The Raven)」
(Ryan Price のイラスト付き)


上記の3作品に加えて、エドガー・アラン・ポーは、ゴシック風の恐怖小説である「アッシャー家の崩壊(The Fall of the House of Usher)」(1839年)や「黒猫(The Black Cat)」(1843年)、暗号小説の草分けである「黄金虫(The Gold-Bug)」、そして、詩「大鴉(The Raven)」(1845年)等の作者として非常に有名である。


なお、「赤死病の仮面」は、「グラハムズ マガジン」の1842年5月号に、「The Mask of the Red Death: A Fantasy」と言うタイトルで発表された。

その後、「ブロードウェイ ジャーナル(Broadway Journal)」の1845年7月号に、改訂版が掲載され、タイトルが「The Masque of the Red Death」へ変更されている。


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