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| 英国の Harper Collins Publishers 社から以前に出版されていた アガサ・クリスティー作「青列車の謎」の ペーパーバック版の表紙 |
英国の Orion Publishing Group Ltd. から2023年に発行されている「エルキュール・ポワロの世界(The World of Hercule Poirot)」と言うジグソーパズル内に散りばめられているエルキュール・ポワロシリーズの登場人物や各作品に関連した112個の手掛かりについて、引き続き、紹介したい。
前回に引き続き、各作品に出てくる登場人物、建物や手掛かり等が、その対象となる。
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| ジグソーパズル「エルキュール・ポワロの世界」の完成形 <筆者撮影> |
(27)ルビー「炎の心臓」(Heart of Fire ruby)
ジグソーパズルの下段中央の左手にあるテーブルの右端に、ルビー「炎の心臓」が置かれている。
(28) 青列車(blue train)
ジグソーパズルの下段中央の右手にある床の上に、青列車の車輌模型が置かれている。
なお、青列車の車輌模型の下側にあるのは、オリエント急行(Orient Express)の機関車模型である。
(29)シガレットケース(cigarette case)
ジグソーパズルの下段中央の左手にあるテーブルの右端に、シガレットケースが、ルビー「炎の心臓」と一緒に置かれている。
これらから連想されるのは、アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)が1928年に発表した「青列車の謎(The Mystery of the Blue Train → 2022年11月19日付ブログで紹介済)」である。
「青列車の謎」は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第8作目に、そして、エルキュール・ポワロシリーズの長編としては、第5作目に該っている。
「青列車の謎」は、1926年の失踪事件後、アガサ・クリスティーが精神的に不安定な時期に執筆した作品で、既に短編として週刊誌の「ザ・スケッチ(The Sketch)」(1923年4月4日号)誌上に掲載された「プリマス行き急行列車(The Plymouth Express)」を長編用に焼き直したものとして知られている。
なお、「ザ・スケッチ」誌上に発表した際のタイトルは、「The Mystery of the Plymouth Express」だった。
同短編は、1924年1月に米国の月刊誌である「Blue Magazine / Volume 38 / No. 3」誌上に掲載された際には、「The Plymouth Express Affair」と言うタイトルが使用されている。
アガサ・クリスティー自身、本作品を全く気に入っておらず、「アガサ・クリスティー自伝」において、「この時が、私にとって、アマチュアからプロへと転じた瞬間であった。プロの重荷を、私は身に付けたのである。それは、書きたくない時にも、書くこと、あまり気に入っていないものでも、書くこと、そして、特によく書けていないものでも、書くことだった。私は、「青列車の謎」がずーっと嫌で堪らなかったが、書かねばならなかった。そして、私は出版社へ届けた。「青列車の謎」は、この前の本と同じ位によく売れたのである。そのことで、私は満足しなければならなかった。そうは言っても、あまり自慢できるような話はない。」と回想している。
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| 英国の Harper Collins Publishers 社から以前に出版されていた アガサ・クリスティー作「アクロイド殺し」の ペーパーバック版の表紙 |
上記の通り、「青列車の謎」について、作者であるアガサ・クリスティー本人による評価は、あまり高くないが、実際のところ、「アクロイド殺し(The Murder of Roger Ackroyd → 2022年11月7日 / 2023年9月25日 / 2023年10月2日付ブログで紹介済)」(1926年)よりも、よく売れたのである。






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