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| 東京創元社が発行する創元推理文庫「爬虫類館の殺人」の表紙 カバーイラスト:ヤマモト マサアキ カバーデザイン:折原 若緒 カバーフォーマット:本山 木犀 |
「爬虫類館の殺人(He Wouldn’t Kill Patience)」は、米国のペンシルヴェニア州(Pennsylvania)に出生して、英国人のクラリス・クルーヴス(Clarice Cleaves)との結婚後、1932年から1946年にかけて英国のブリストル(Bristol)に居を構えていた米国の推理作家で、「不可能犯罪の巨匠」とも呼ばれているジョン・ディクスン・カー(John Dickson Carr:1906年ー1977年)が、カーター・ディクスン(Carter Dickson)という別名義で1944年に発表した推理小説で、ヘンリー・メリヴェール卿(Sir Henry Merrivale)シリーズの長編第14作目に該る。
米国では、1944年にモロー社(Morrow)から、そして、英国では、同年にハイネマン社(Heinemann)から出版された。
ヘンリー・メリヴェール卿シリーズについては、
*長編第1作目「黒死荘の殺人(The Plague Court Murders → 2018年5月6日 / 5月12日付ブログで紹介済)」(1934年)
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| 東京創元社が発行する創元推理文庫「黒死荘の殺人」の表紙 カバーデザイン:本山 木犀 カバーイラスト:ヤマモト マサアキ |
*長編第2作目「白い僧院の殺人(The White Priory Murders → 2019年9月28日 / 10月5日 / 10月12日 / 10月20日付ブログで紹介済)」(1934年)
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| 東京創元社が発行する創元推理文庫「白い僧院の殺人」の表紙 カバーイラスト:ヤマモト マサアキ カバーデザイン:折原 若緒 カバーフォーマット:本山 木犀 |
*長編第7作目「ユダの窓(The Judas Window → 2018年7月21日 / 7月28日付ブログで紹介済)」(1938年)
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| 東京創元社から出版されている創元推理文庫「ユダの窓」の表紙 カバーイラスト:ヤマモト マサアキ カバーデザイン:折原 若緒 カバーフォーマット:本山 木犀 |
*長編第10作目「かくして殺人へ(And So to Murder → 2019年6月16日 / 6月26日 / 7月7日付ブログで紹介済)」(1940年)
| 東京創元社が発行する創元推理文庫「かくして殺人へ」の表紙 カバーイラスト:ヤマモト マサアキ カバーデザイン:折原 若緒 カバーフォーマット:本山 木犀 |
*長編第11作目「九人と死で十人だ(Nine-and Death Makes Ten → 2019年2月17日 / 3月3日 / 6月2日付ブログで紹介済)」(1940年)
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| 東京創元社が発行する創元推理文庫「九人と死で十人だ」の表紙 カバーイラスト:ヤマモト マサアキ カバーデザイン:折原 若緒 カバーフォーマット:本山 木犀 |
*長編第12作目「殺人者と恐喝者(Seeing is Believing → 2019年1月26日 / 2月2日 / 2月9日付ブログで紹介済)」(1941年)
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| 東京創元社が発行する創元推理文庫「殺人者と恐喝者」の表紙 カバーイラスト:ヤマモト マサアキ カバーデザイン:折原 若緒 カバーフォーマット:本山 木犀 |
*長編第14作目「貴婦人として死す(She Died a Lady → 2019年7月14日 / 7月20日 / 7月27日付ブログで紹介済)」(1943年)
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| 東京創元社が発行する創元推理文庫「貴婦人として死す」の表紙 カバーイラスト:ヤマモト マサアキ カバーデザイン:折原 若緒 カバーフォーマット:本山 木犀 |
も紹介しているので、御参照願います。
「爬虫類館の殺人」の舞台は、第2次世界大戦(1939年-1945年)下の首都ロンドン。
ケンジントンガーデンズ(Kensington Gardens)内にあるロイヤルアルバート動物園(Royal Albert Zoological Gardens)は、園長であるエドワード・ベントン(Edward Benton)によって運営されていた。
ロイヤルアルバート動物園の中でも、世界の蛇、蜥蜴や毒蜘蛛等を集めた爬虫類館は、その名物で、人気を集めていた。
そんなロイヤルアルバート動物園であったが、ドイツ軍の爆撃による空襲の脅威下、閉園危機を迎える。
ドイツ軍の爆撃による空襲により、毒蛇、毒蜥蜴や毒蜘蛛、更に、毒のある昆虫等が逃げ出して、サウスケンジントン中を這い回るリスクを抱えていたからである。
1940年9月6日(金)の午後、爬虫類館内において、長年にわたって反目している奇術師の両家に属するケアリー・クイント(Carey Quint - 奇術師の青年)とマッジ・パリサー(Madge Palliser - 奇術師の女性)の2人は、飼育員のマイク・パーソンズと一騒動を起こして、保管用のガラスケースを壊してしまい、大蜥蜴(ジャイアントグリーンアミーバ)とアメリカドクトカゲが逃げ出す要因をつくってしまった。
そして、そこに偶々居合わせた陸軍省の御意見番であるヘンリー・メリヴェール卿は、危うく2匹の蜥蜴に噛まれるところだった。
園長エドワード・ベントンが不在だったため、彼の娘であるルイーズ・ベントンに対して、ケアリー・クイントとマッジ・パリサーの2人は謝罪する。
ロイヤルアルバート動物園閉園の危機を迎えて、気落ちする父エドワード・ベントンを元気づけるため、ルイーズ・ベントンは、ケアリー・クイントとマッジ・パリサーの2人に手品を披露してもらうべく、当日の夕食会に招待した。手品を得意とするヘンリー・メリヴェール卿も、同じく招待されたのである。
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